【インタビュー】あの人の家飲みスタイル:泡酒アンバサダー坂上愛佳さん

ママ応援コミュニティ「Himemama」(ひめまま)を主宰・運営する坂上愛佳さん。コミュニティの中心で奮闘し、子育て世代ママのカリスマ的な存在になっている坂上さんは、一方で「泡酒アンバサダー」として発泡性の日本酒やスパークリングワインの普及活動にも奔走しています。坂上さんが主催する、グルメな紳士淑女が集まった「家飲み」の現場におじゃましながら、「泡酒」の魅力、そして坂上さんから見た「家飲みの魅力」について、インタビューしてきました。

ライター:まるまる
メインビジュアル:【インタビュー】あの人の家飲みスタイル:泡酒アンバサダー坂上愛佳さん

この方にお聞きしました

坂上愛佳(さかがみ・あいか)さん

東京都出身。通信企業OLを経て、フリーアナウンサー事務所に所属しテレビリポーター・ナレーション・MC・モデルなどを経験。出産後、東京都中央区を拠点にママ応援コミュニティ「Himemama」(ひめまま)を設立。「ママとベビーが一緒に学ぶ・体感する環境づくり」を行う。行政や病院、企業と協業しコンサートやママフェス、パーティやかけっこ教室、地方移住体験ツアーなどを実施。子育て支援の輪は首都圏から新潟・神戸・広島・福岡などへと広がり、現在ではロンドン、バンコクでも展開。10年目の現在ママ会員4,000名を超える。一方、唎酒師の資格を取得し日本酒の啓蒙活動にも取り組む。日本酒では特に発泡和酒、ワインではシャンパンの魅力を伝える活動『美食と美酒のマリアージュ』の会を主宰。日本酒・ワインに関するコラムも執筆している。

坂上愛佳(さかがみ・あいか)さん

発泡性清酒が、日本酒への意識を変えてくれた

「泡酒アンバサダー」坂上愛佳さんが主催する「美食と美酒のマリアージュの会」が始まる
東京・中央区、対岸に高層ビル群を望むタワーマンションのパーティーラウンジ。職業も年齢も様々な参加者が次々と集まってくる。シャンパンやワイン、日本酒は参加者それぞれのメンバーによる持ち寄り。料理は都内の寿司店の大将が出張調理。ラウンジに特設のカウンターを準備する。「泡酒アンバサダー」坂上愛佳さんが主催する「美食と美酒のマリアージュの会」が始まる。

—この会はどういう皆さんの集まりなのですか。

文字通り、美味しいお料理とお酒の好きな方々の交流会です。子育てママを支援する団体「Himemama」でママ達の交流会をよくやっているのですが、そのうちに大人の会もやってみようということになって何となくスタートしました。
私が唎酒師(ききざけし)の資格をとって活動していたので、お酒が結んでくれた御縁で知り合った方々もたくさんいます。数年前に始めていまではメンバーはだいたい80人ぐらい。年齢も職業も幅広くていろいろです。

この日も20代の青年から実業家、主婦など、多彩なメンバーが顔を揃えた。宮城県・一ノ蔵の発泡清酒「すず音」(すずね)でまず乾杯。
シャンパン
—発泡性の日本酒は流行っているようですが、どういうお酒なのでしょう。

これは、シャンパンと同じように、瓶や樽のなかで自然に発酵してできた泡です。実は私は学生のときに「飲み放題」のお店で日本酒を飲んでみて撃沈してしまって以来、日本酒が大の苦手になってしまっていたんです。就職してしばらくして、上司に連れていっていただいたお店でこの一ノ蔵さんの「すず音」をいただいて、こんな美味しい日本酒があるんだと感激して、すっかり好きになってしまいました。

発泡性の日本酒は他にも岡山の丸本酒造さんの「泡泡酒」(ほうほうしゅ)なども有名ですし、いまでは各地の酒蔵さんで造られています。アルコール度数が低くて、甘いから日本酒が苦手な人でもみやすい。女性でも発泡性の日本酒なら飲めるという人は多いですよ。

私もこの発泡清酒との出会いで興味が湧いてきて、純米酒、大吟醸と日本酒の魅力にはまっていきました。勉強して唎酒師の資格を取ってからは酒蔵さんとのおつきあいもできてきて、仕込みや稲刈りまで、様々な体験をさせていただくようになりました。コンバインにも乗せていただきました!

ノンアルコールでも「泡」が気分をアゲてくれる

ノンアルコールでも「泡」が気分をアゲてくれる
厳選した素材を熟練の技で調理するお二人の寿司職人。岩がきなどの前菜に、次々と栓を抜かれるシャンパン。今日が初対面の参加者もすぐに打ち解け、なごやかで楽しい時間が流れていきます。

—今日お集まりの皆さんが持ちよられたお酒も、シャンパンをはじめ「泡」のものが多いようですね。日本酒でもワインでも、発泡性のお酒の魅力についてどのようにお考えですか。

今日は本当にシャンパン好きの皆さんにおいでいただきました。いつも食事の間じゅう、ずっとシャンパンを飲むという方もいます。今日のみなさんはワインもお飲みになる方々ですが、ママたちの会で集まっていると、ビールは苦いから飲めないという人は多いですし、ワインだって苦手という人もけっこういるんです。そういう人でも、発泡性の日本酒や、シャンパンをはじめとするスパークリングワインなら好きだったりします。

何よりも、泡のお酒はみんなの気分がぱあっと高揚する雰囲気を作ってくれますよね。昔はクリスマスとか年末の飲み物というイメージだったかもしれませんが、むしろ初夏のいまごろに新緑の景色を見ながらいただいたりするととても素敵だと思います。価格も、今はリーズナブルで美味しい各国のスパークリングワインがいろいろ買えるようになっています。

それから、ノンアルコール。子育てママの会だと授乳中や妊娠中でお酒が飲めない人もいます。でもノンアルコールのスパークリングワインもたくさん出ていて、それがとても美味しいんです。どんな銘柄でも、ノンアルコールでも、みんなで飲めば「気分がアガる」。それがスパークリングワインや発泡性の日本酒の魅力ですね。

「家」だから、パーソナルな関係が生まれる

この日のランチのメインディッシュは握り寿司
この日のランチのメインディッシュは握り寿司。参加者の会話もますます滑らかになり、食に関する話題から教育問題、そして経済問題まで、おだやかに広く深く展開していきます。

—様々な活動をされるなかで坂上さんは、非常にたくさん外食もされていますね。そのなかでどのような「家飲み」をされていますか。家で飲むことの魅力はどのようなものでしょうか。

小学生の息子の友だちとご両親を自宅や今日のような共用ラウンジに招いたりすることもよくありますし、子育て支援団体の「Himemama」のメンバーともよく集まっています。もともと、結婚してこの中央区に転居して出産したとき、新しく開発された場所ですから隣にどんな人が住んでいるのかもわかりづらい。地縁もなくほとんどの時間を子供と二人きりで過ごしてゆきづまっているお母さんが多いことに気づいたんです。

誰かと共通の趣味とか仲良くなれる場所があったらいいなって思って「Himemama」をはじめました。遊びで参加してもらえるイベントを企画したり、先生をお招きして育児セミナーとか交流会をやったりしています。ゆるくやればいいやと思って、そんなに長くやるつもりはなかったんですが、いつのまにかもう10年。会員も日本全国、海外も含めて4000人ぐらいになってしまいました。

そのママ達とも、家に招いたり、招かれたりして、ちょっとお酒をいただいたりするとその力ですぐに打ち解けることができたります。お店も利用しますが、「家」に行き来することはとても特別で、パーソナルな、人と人との関係を深めることができる場になると思います。それが「家飲み」の一番いいところ。それに、持ち込み料も抜栓料もかかりませんからとてもリーズナブルです(笑)。時間も自由になりますし、小さいお子さんは食べたらすぐにごろごろ転がって遊べます(笑)

がんばらない、それが楽しい家飲みのコツ

がんばらない、それが楽しい家飲みのコツ
—招き、招かれる、たくさんのご経験をされてきなかで培った「楽しい家飲みのコツ」をお教えいただけませんでしょうか。

できるだけがんばり過ぎないことですかね。お招きするんだから、とすごくがんばったりしているとなかなか続きません。お料理もみんなで持ち寄ったり、ケータリングを利用したり、ちょっと贅沢して今日のようにシェフに出張していただいたとしても、今はそういうサービスがたくさんありますから、人数次第でひとり3千円ぐらいからできてしまいます。

今日のグラスもママ達の会でよく使っているプラスティック製です。ガラスだとどうしても小さい子がいるときに危ないし、これだと片づけもラクです。無理はしないでできる範囲でやる。

でも、ひとつだけテーブルにお花を飾ってみようかなとか、桜色で揃えてみようかなとか。自分が着るものもその日の色に揃えてみたり。ちょっとした工夫を自分も楽しみながら、皆さんをお迎えする。自分が無理せず楽しむことで、お招きした人たちもリラックスしてくださる、私はそう思っています。
ご本人が楽しんでいるから、ゲストもリラックスできる。グルメのみなさんも子育てママたちも、いつも自然体でいる坂上愛佳さんの人柄に惹かれて「家飲み」に足を運んでいるに違いない、そう思った昼下がりでした。坂上さん、お邪魔させていただいたこの日の参加者のみなさん、ありがとうございました!


※記事の情報は2017年5月17日時点のものです。
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