〈家飲み文化部①〉みんなで盛り上がる、おすすめボードゲーム7選

家飲みの良さは、音楽でも映像でもゲームでも、好きなことを同時に楽しめちゃうところ。というわけで、不定期連載「家飲み文化部」はじめます。第1回のテーマは家飲みと一緒に楽しむ「ボードゲーム」です。いつもの家飲みを、ひと味違う楽しいものにしてくれるボードゲーム。専門店「すごろくや」の丸田社長にお話しをうかがいながら、最新のものから名作まで、家飲みのときにみんなで楽しめるボードゲームを7点、厳選してご紹介します。

ライター:まるまる
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株式会社すごろくや 代表取締役 丸田康司さん
お話をしてくださったのは、株式会社すごろくや 代表取締役 丸田康司さん(好きなお酒:テキーラ)です。

1. タイニーパーク(お母さん層にも大人気)

タイニーパーク(お母さん層にも大人気)
メーカー:HABA(ドイツ) 日本国内版2017年発売
6才〜大人 2〜4人用 所要時間10〜15分 ルール難度:1.5

まずは株式会社すごろくや・丸田社長のおススメゲームを2点。このタイニーパークは、遊園地設計がテーマ。サイコロ5個を何度か振って絵柄の組み合わせを作り、パズルのピースを獲得して自分の敷地に配置していきます。自分の敷地をきれいに埋められれば勝ち。サイコロゲームとパズルが絶妙に組み合わさっていて、シンプルだけど奥が深いゲームです。

「以前あって廃盤になったゲームに要望が多く集まって復刻されたものです。特にお母さん層に人気があります。欲しいものを買って空間を埋めていく『買い物』の心理に近いものがあるのではないかと思います」(丸田社長)

2. ハゲタカのえじき(首位打者級の面白さ)

ハゲタカのえじき(首位打者級の面白さ)
メーカー:kodkod(イスラエル) 日本国内版2011年発売
8才〜大人 2〜6人用 所要時間20分 ルール難度:1.5

次に丸田社長におススメいただいたのは、カードを使ったじゃんけんゲーム。毎回1枚ずつ提示される-5点~+10点の獲物カードを狙って、全員が手札から数値カードを1枚出してじゃんけん。一番大きな札を出した人が獲物をゲットします。ただし、「あいこ」だった人は無条件で負け。つまり、他の人と同じ値を出さないよう深い読みが必要です。場にあいこが多いと小さい値で逆転勝利。単純でいながらエキサイティング。家飲みが大いに盛り上がりそうです。

「年齢を問わず、誰もが面白いと思える『打率』が最も高いゲームのひとつです。何回かやるうちに相場感がわかってきて適切な札を出せるようになる。でもそうすると札が被ってしまいドラマが生まれます」(丸田社長)

3. カルカソンヌ(城塞都市をめぐる冒険!)

カルカソンヌ(城塞都市をめぐる冒険!)
メーカー:Hans im Glück(ドイツ) 発売年:2000年
6才~大人 2~5人用 所要30分 ルール難度:2

ここからは編集部おススメのゲームを5つご紹介します。カルカソンヌは、地形タイルをつなげていきながら、城塞都市や道、修道院などの施設を獲得していくゲーム。ひとつの城塞をめぐるライバルとのじりじりするような侵入合戦。将来得点を稼げそうな草原を押さえたり、それを密かに邪魔する心理戦を繰り広げたり。冒険心をくすぐる絵が歴史的城塞都市カルカソンヌへのロマンをかきたてます。ウイスキーのグラスをかたむけながらゆっくり作戦を練りたくなる名作ゲームです。

「よくボードゲームだからコミュニケーションが生まれるなどと言われますが、デジタルなテレビゲームであってもコミュニケーションは生まれます。ネットを介して遊んだり、プレイヤー同士で攻略法のことを話して盛り上がったりするじゃないですか。でもコミュニケーションがゲームの本質だとは思いません。ボードゲームでもテレビゲームでも、ゲームの魅力はプレイヤー自身のクリエイティビティにあります。自分で考え、クリエイティビティを発揮して、局面ごとに自分自身で判断する。それがゲームの本質です。ただ、みんなでやるボードゲームは、参加者が共通の意識のもとで、注意深くルールを守ってクリエイティビティを競うから、結果的に一体感が生まれやすいとはいえます。だれか一人がいい加減にやったら途端に面白くなくなりますからね」(丸田社長)

丸田社長の「クリエイティビティ」という言葉。筆者が思うに、カルカソンヌには、まさにこの言葉がピッタリ当てはまります。

4. イチゴリラ(日本発の傑作メモリーゲーム)

イチゴリラ(日本発の傑作メモリーゲーム)
メーカー:すごろくや(日本) 発売年:2009年
3才~大人 2~6人用 所要10〜20分 ルール難度:1

すごろくやのオリジナル作品。トランプの神経衰弱のような、カードを記憶するゲームです。神経衰弱と違うのは、2枚セットだけでなく、3枚、4枚、5枚のセットを当てなければいけないところ。ヨットと定規、人参と大根など、印象が微妙に似ているカードがあって混乱してしまうところもミソ。終盤に5枚セットを獲得して大逆転のドラマなどもあり、盛り上がること確実です。

「お酒を飲むと思考力は落ちます。でもそれは人によって程度が違うし、もともと強い人が飲んだらみんなにとってちょうど良くなることもあるかも知れません。小さな子から大人まで一緒に楽しめるシンプルなゲームならいいと思いますし、自分の失敗や他の人の失敗をみんなで笑えるような、『バカを許容できる』ゲームは、思考力が落ちた飲み会の場でこそ楽しいと思います」(丸田社長)

本当にこのイチゴリラ、みんなでバカを許容し合う楽しさ満点です。そして確かに、お酒でいい気分になると4歳児にも勝てなくなっちゃいます!

5. ドクターエウレカ(みんなで大笑い必至!)

ドクターエウレカ(みんなで大笑い必至!)
メーカー:Blue Orange (フランス) 発売年:2015年
6才~大人 2~4人用 所要15分 ルール難度:1

試験管の玉の色がお題カードと同じになるように、試験管から試験管へ、玉を落とさないように移すスピードを競います。入れ替えるときに玉を手で触ったり、こぼしたりするとその回は脱落。このため化学実験のように、慎重に試験管を傾けて玉を入れる必要があります。ほろ酔い気分の人同士でやったら、何度も同じことをしてしまったり、信じられないぐらい時間がかかったり。みんなで大笑い必至です。

6. ラビリンス(不思議な迷宮に遊ぶ)

ラビリンス(不思議な迷宮に遊ぶ)
メーカー:Ravensburger(ドイツ) 発売年:1986年
7才~大人 2~4人用 所要30分 ルール難度:1.5

敷きつめられたタイルが作る不思議なラビリンス(迷宮)。端からタイルを一つ押しこむことで迷路の形状を変化させ、自分のコマを宝の場所まで導いて宝を集めるゲームです。さっきまでつながっていた道が他のプレイヤーによって影も形もなく消されたときの落胆。はるか彼方の宝へと一気につながる長い道が突然完成したときの歓喜。名作との誉れ高いゲームです。

7. ディクシット(あの人の心が、見えてくる)

ディクシット(あの人の心が、見えてくる)
メーカー:Libellud(フランス) 国内版発行年:2011年
8才~大人 3~6人用 所要30分 ルール難度:1.5

語り部(かたりべ)がお題に選んだ1枚はどれか。ヒントの言葉を手がかりに推理するゲームです。美しいけれど少し恐い、夢のなかのように不思議な情景が描かれた84枚のイラストカード。同じカードでも人によって印象が全くちがうこともあれば、不思議と一致して驚くことも。友人の意外な内面が覗けるかも。気になる異性を含むグループで楽しんでみたいものです。

お酒に縁のあるゲーム(酒好きは要チェック!)

アイルオブスカイ
アイルオブスカイ
レッド・ドラゴン・イン
レッド・ドラゴン・イン
最後におまけ。お話をうかがった「すごろくや」の店内で、お酒に縁がありそうなゲームを発見しました。まずはスコットランドのスカイ島を舞台に島の覇権を巡って争うという「アイルオブスカイ」(左)。「スカイ島」という名前のゲームです。スカイ島といえば、有名なシングルモルトウイスキー「タリスカー」の産地じゃありませんか! 憧れのスカイ島に思いを馳せながら、グラスを片手にプレイしてみたいなあ・・・と思いました。

そしてもうひとつ、「レッド・ドラゴン・イン」(右)は、酒場での飲み比べでライバルを脱落させていくというまさに酒飲みのためのゲーム。無茶な飲み比べなんて実生活では絶対に避けたいものですが、ゲームのなかでならば思いきり楽しめそうです。

というわけで、家飲みとボードゲーム、いかがでしょうか。皆さんもぜひ体験してみてください。ただし、あまり興奮し過ぎてご近所迷惑にならないように・・・。
取材協力:株式会社すごろくや https://sugorokuya.jp/
東京・JR高円寺駅前にあるボードゲームの専門店。スタッフの皆さんがルールや面白さをていねいに説明してくれるし、お奨めのゲームを体験しながら選べるのがうれしい。親子でも大人だけでも参加できるイベントも多数開催している、関東地方のボードゲームファンなら知らない人はいないぐらいの超有名店です。丸田社長、すごろくやのスタッフの皆さま、取材ご協力ありがとうございました!


※記事の情報は2017年5月24日時点のものです。
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