読めるかな?家飲み漢字ドリル 全10問

お酒の世界には、難しい漢字がいっぱい!迷子にならないようにしっかり勉強しましょう!

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問題

太字で書かれた漢字の読みを答えなさい。
【第一問】ベテランの職人がていねいに(◯◯)したおいしいお酒です。

【第二問】さすがに大吟醸(◯◯◯◯◯◯◯)だ、香りが違う!

【第三問】当社は、凸凹機械工業開発の自動製麹(◯◯◯◯)機を導入しております。

【第四問】このお酒は、山廃(◯◯◯◯)仕込みです。

【第五問】この力強い味わいは、生酛(◯◯◯)造りならではです。

【第六問】日本酒の多くには黄麹(◯◯◯◯)が使われています。

【第七問】日本酒の(◯◯◯)造りにおいては、いわゆる三段仕込みが行われます。

【第八問】酒米の中心には、芯白(◯◯◯◯)があります。

【第九問】あらあら、うちの人ったら、すっかり千鳥足(◯◯◯◯◯)になっちゃって。

【第十問】彼女、ああ見えて酒に強いったらなんの、まるで蟒蛇(◯◯◯◯)だ。
蒸米(むしまい)

正解

【第一問】ベテランの職人がていねいに醸(かも)したおいしいお酒です。
「醸(かも)す」は麹を発酵させて、お酒や醤油などを作ること。転じて「物議を醸す」などのように、次第に雰囲気などが出来上がっていく様子をあらわす場合にも使われます。

【第二問】さすがに大吟醸(だいぎんじょう)だ、香りが違う!
大吟醸は、低温でじっくり時間をかけて発酵させたお酒で、なかでも、酒米を50%以上も削りに削ってお米の中心部のみを使う贅沢な作り方をした高級酒です。そのフルーティな香りは「吟醸香(ぎんじょうか)」と言われます。

【第三問】当社は、凸凹機械工業開発の自動製麹(せいきく)機を導入しております。
麹作りは、とても手間のかかる作業。高温多湿の環境で、温度、湿度、そして衛生管理と気が抜けない重労働です。製麹機は、それまで多大な手間暇がかかっていた麹造りを自動化する夢の装置なのです。麹(こうじ)の音読みは、花の菊と同じく「きく」と読みます。

【第四問】このお酒は、山廃(やまはい)仕込みです。
日本酒をつくる微生物といえば、麹菌と酵母ですが、実は、第三の微生物が存在するのです。麹菌がお米からブドウ糖を作り、酵母がそれを元にアルコールを作ります。このアルコール発酵に適した環境は、実は他のあまたの雑菌にとっても快適な環境なのです。そこで、邪魔者の雑菌をやっつけるために強い酸、つまり乳酸を使います。この乳酸を作り出してくれるのが乳酸菌、第三の微生物です。
従来は、原材料の中に自然に存在する乳酸菌をうまく培養して殺菌していましたが、後に人工的に培養した乳酸菌を投入する手法が開発されました。従来の方法では、「山おろし」という、米と麹と水を良く練る重労働が必要でしたが、これが必要なくなり、「やまおろし」を廃止したことから、人工的に乳酸菌を投入する方法を「山廃」仕込みと呼んでいます。従来の方法よりも透明感のあるきれいなお酒になると言われています。

【第五問】この力強い味わいは、生酛(きもと)造りならではです。
生酛とは、自然に発生する乳酸菌のこと。生酛造りは、前記「山廃」が開発される以前の伝統的な乳酸菌での殺菌工程です。原料や蔵の中に自然に存在する乳酸菌を育てて、殺菌します。山廃よりも、味わいに力強さや幅が出ると言われています。

【第六問】日本酒の多くは黄麹(きこうじ)が使われています。
酒づくりにかかせない「麹」には、幾つかの種類があります。その中で黄麹は、日本酒によく使われてきた麹の一種です。他に、泡盛に使われる黒麹、焼酎に使われる白麹があります。黄麹はフルーティ、黒麹は力強い味わい、白麹はまろやかな味わいになると言われています。

【第七問】日本酒の醪(もろみ)造りにおいては、いわゆる三段仕込みが行われます。
日本酒は、麹、米、酵母を合わせて発酵させた酒の元、「醪(もろみ)」を搾って作ります。醪の中で、麹の酵素がお米のデンプンからブドウ糖を造り、ブドウ糖から酵母がアルコールを作ります。このブドウ糖作りとアルコール作りが同時に行われるのが、日本酒のアルコール発酵の大きな特徴です。

【第八問】酒米の中心には、芯白(しんぱく)があります。
芯白とは、酒米の中心部にあるデンプンの固まりのことです。酒米はこれが大きく、食米にはほとんどありません。芯白の中は小さな隙間がたくさんあって、麹菌が入り込みやすく、日本酒作りに適しています。酒米を贅沢にも50%以上も削って、この芯白のみで作るお酒は、大吟醸と呼ばれ、すっきりと澄んだ味わいになります。

【第九問】あらあら、うちの人ったら、すっかり千鳥足(ちどりあし)になっちゃって。
酔っぱらいのフラフラした歩き方を言い表した言葉です。千鳥という鳥が、歩く時に足を互い違いに交差させるようにして歩くさまを酔っ払いの姿に重ねたものです。

【第十問】彼女、ああ見えて酒に強いったらなんの、まるで蟒蛇(うわばみ)だ。
蟒蛇(うわばみ)とは、大きなヘビのこと。ヘビは大きなものを丸ごと飲み込むことから、転じて大酒飲みをあらわす言葉になりました。「うわ」は大きいとい意味、「ばみ」は噛む、飲む、という意味の「はみ」から来ています。

いかがでしたか?お酒のような伝統的な文化や技術は、難しい漢字や難しい言葉が今でも残っています。とっつきにくい反面、専門用語を覚えてしまえば、もうコワイものなし。漢字の勉強とともに、お酒もススむこと間違いナシ!


※記事の情報は2017年7月20日時点のものです。
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