2017.09.06
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「日本酒 家飲み in Spain」 スペイン人がお燗酒にうっとり!

スペインの簗塲さんの友人たち。日本酒で乾杯する写真

日本酒とフレンチのお店「SAKE Scene〼福」を経営する日本酒ラヴァー、簗塲友何里(やなば ゆかり)さん。家で飲む日本酒の魅力と楽しみ方を、ゆるりと綴っていただきます。今回は、シェリー酒王国・スペインでの日本酒家飲みレポートです。

スペインの家飲みで日本酒会

今年6月、私は猛暑のスペインにいました。スペインでお酒の輸入業者をしている友人の家でホームパーティを開き、日本酒のプロモーションをさせてもらったのです。

 

Hola(オラ)! 日本酒会当日、スペイン人たちが陽気な笑顔で日本酒を求め、友人宅へと集まりました。この友人は、スペインで日本酒も仕事で扱うプロフェッショナル。その友人が集めてくれた、仕事も年齢も性別もバラバラだけれど、とても気さくなスペイン人たちでした。

 

スペインで家飲みに持ち寄るおつまみは、生ハムとチーズが定番。その他、オリーブや串にオリーブオイル漬けのピーマンやハムが刺さったピンチョスなど、スペインらしいおつまみが並びました。

生ハムやサラミの写真

串にピクルスなどを指したピンチョスの写真

いつもは、ワインやシェリー、ビールを合わせますが、今日は日本酒と一緒に楽しめるぞ、とワクワクしながら持ち寄ってくれました。

神奈川県の地酒をご用意

今回、用意して行った日本酒は、神奈川県の残草蓬莱(ざるそうほうらい)・昇龍蓬莱(しょうりゅうほうらい)でした。180年以上前に神奈川県の山間部の小さな町に創業した、大矢孝酒造という蔵で代々醸されている日本酒です。入口には、樹齢400年を越す大きなケヤキが2本そびえ、酒蔵の中は、昭和初期にタイムスリップしたかのような趣のある蔵です。

簗塲さんがスペインで提供したお酒のボトル写真

スペイン人がまさかのお燗好き!

まずは残草蓬莱の、飲み口爽やかで、軽やかな日本酒を楽しんでもらいました。残草蓬莱の「Queeen」という微発泡のお酒です。アルコール度数12%でラズベリーのような味わい。低アルコールながらも完全発酵させた残糖感のないすっきりとしたお酒です。すっきりした中にも、複雑な深い味わいが隠れていて、造り手のレベルの高さを感じさせる1本です。

あれ、クイーンなら「Queen」、eが一つ多いのでは?なぜ「Queeen」かというと、このお酒のアルコール度数が12度、12と言えばトランプのクイーン、さらに日本語の「良い」をeと表記して、eが1つ多い「Queeen」と名付けられたそう。遊び心たっぷりの凝ったネーミングです。きっと日本酒を飲みなれていない外国の方でも、入りやすいのではないかと思い、このお酒から、「日本酒家飲み in Spain」がスタート。

スペインの皆さんは、美味しい~、これが日本酒? すごく飲みやすい! とQeeen大好評でした。

 

次は、同じ蔵の別ブランド、昇龍蓬莱をご用意しました。

生酛仕込みで味わいのしっかりとした、お燗にぴったりな日本酒です。阿波山田錦という酒米を77%に精米して醸した「生酛純米まろやか原酒」をお持ちしました。まろやかに味が乗った、生酛らしい深い複雑な味わいです。冷酒とお燗で飲み比べていただきました。

冷酒の場合はパワフルですが、お燗で55度くらいに仕上げると、とてもまろやかな味わいになります。塩味のしっかりとしたハモンイベリコ(イベリコ豚を使った生ハム)には、まさにぴったり。

冷酒とお燗、どちらが好き?とみなさんに訊いてみると、なんと、全員お燗の方が美味しいという結果に!スペイン人、意外にお燗好きでした!

スペイン人の手におちょこが乗っている写真

続いては、一年間じっくりと熟成させた「昇龍蓬莱 生酛純米」です。

円熟した深い味わいは、お燗でこそ真価を発揮します。これも飲み比べのため、冷やとお燗でご提供しました。優しく日本酒の懐の深さに浸かるような、心地よい味わい。噛めば噛むほど味わいが広がる、羊の乳のチーズ「ケソマンチェゴ」にゆっくり寄り添って行きます。これもまた、お燗に軍配が上がりました!

夏のスペインならお燗酒もあり!?

6月中旬のスペインは、外は35度を超す猛暑で、日も長く夜になっても気温があまり下がりません。南国スペインでは、冷房完備の建物が多く、涼しい室内でゆっくりとお燗酒が楽しめます。

同じ時期に、フランスにも日本酒のプロモーションで行きましたが、冷房が完備されている建物が少なく、とてもお燗酒を楽しめるような環境ではありませんでした。

 

大好評のうちに終わった今回の「日本酒家飲み in Spain」。みなさん、日本酒をお気に召していただけたようです。スペイン人はシェリー酒が大好きななこともあり、残草蓬莱・昇龍蓬莱のような、酸が高めで、残糖感がなく、しっかりとした味わいの日本酒が受け入れやすかったのではないかと思います。おそらく、褐色に変化した日本酒古酒なら、まるでシェリーのオロロソ(シェリー酒の「古酒」)のように、すぐさまスペイン人にも愛されること間違いなし、でしょう。

 

日本酒が、海外では実際どのような反応なのか?想像ばかりしていても何もわかりません。実際に行ってみて、飲んでいただくと、目からウロコの新たな発見ばかりでした。日本酒の輸出量は、この10年の間で2倍になっています。国ごと、人ごとにお好みはバラバラではありますが、いつか世界中の家飲みで、日本酒があたりまえのように登場し乾杯される日が来たら嬉しいな、と思います。

 

※記事の情報は2017年9月6日時点のものです。

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