2017.10.02
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食後にも、食前にもいける! 南イタリア名産のあのリキュールのうまい使い方

食後にも、食前にもいける! 南イタリア名産のあのリキュールのうまい使い方

イタリア留学経験もあり、イタリア語講師として多数の著作がある京藤好男さん。イタリアの食文化にも造詣が深い京藤さんが、在住していたヴェネツィアをはじめ、イタリアの美味しいものや家飲み事情について綴る連載コラム。今回は、意外と簡単な「リモンチェッロ」の作り方をご紹介します。

南イタリアを旅したバイオリニストも一押しのリキュール

この10月からスタートしたNHK-Eテレ『旅するイタリア語』の新シリーズの監修を私がやらせていただいている。イタリア語は初心者の旅人が、現地で言葉を学びながら人々と触れ合うという斬新な内容の語学番組だ。今回の旅人は、バイオリニストの古澤巌さん。古澤さんが1カ月かけて南イタリアのナポリやアマルフィを巡る様子を紹介していく。

 

ナポリやアマルフィがあるカンパニア州といえば「美味しいものの宝庫」だ。レモン、オリーブ、ブドウを筆頭に、農産物、山の幸、海の幸、さらには酪農も盛んで、どの素材をとっても一級品。そこから生まれるチーズ、パスタ、ピザは、絶品ばかりだ。古澤さんも、作りたてほやほやのモッツァレッラチーズ、本場ナポリのマルゲリータ、かつてポンペイで作られていた古代ワインなど、現地でしか味わえない美食の数々を「Che invidia! (うらやましすぎる !)」というほど体験していらっしゃる。「イタリア語を話すと、みんなやさしくしてくれて、いいね」と感想をもらすほど。その模様は番組でお楽しみください。

簡単に作れる自家製リモンチェッロのレシピ

そんな古澤さんが「あえて1つ、心に残ったもの」として挙げてくださったのが「リモンチェッロ(limencello)」だ。古澤さんは番組の中で、アマルフィ海岸にあるレモン畑を訪れ、現地の人と一緒に自家製リモンチェッロを作っている。強いリキュールだけど、その風味の爽やかさが忘れられないという。実はこのリモンチェッロ、日本にいても意外に簡単に作ることができる。一般的なレシピは、こうだ。

 

自家製リモンチェッロの作り方

 

材料

スピリタスウォッカ 500ml

レモン(無農薬) 5~6個

水 500ml

砂糖 300g

 

作り方

1.レモンをよく洗い、薄く皮をむく。

2.蓋のできる容器にスピリタスウォッカ(アルコール度数96%の精製アルコール)を注ぎ、レモンの皮を浸す。

3.蓋をして3~4日おく。ときどき容器を振って攪拌する。

4.分量の水を火にかけ、砂糖を溶かし、冷ましておく。

5.3で作った酒のレモンの皮を取り除き(濾し器を使うと早い)、その酒に4を混ぜれば出来上がり。

 

いかがだろうか? アルコールとレモンと砂糖があれば、漬けておくだけでできてしまう。ところが、これをいくらやっても、日本ではイタリアの味がでない。それもそのはず。レモンが違えば、リモンチェッロの味も違うというわけ。イタリアでも、このアマルフィやソレント産のレモンでなければこの深い味わいが出ない。やっぱりブランド・レモンのリモンチェッロでなくちゃ、というわけで、イタリアの人々もわざわざアマルフィ産を買い求めるのだ。

 

さて、上のレシピをご覧いただくとわかるように、リモンチェッロに使用されるのは大変に度数の高いアルコール。完成品のリモンチェッロもアルコール度は30度以上になる。このように強いリキュールは、イタリアでも食後酒としてチビチビと飲まれるのが一般的。この時、リモンチェッロは冷凍庫でキンキンに、一緒にグラスもキンキンに冷やして飲むのが通である。

イタリアで人気のリモンチェッロを使ったカクテル

だがそうなると、かなりアルコールに強い人でなければ、リモンチェッロを楽しむことはできない。でも、飲んでみたい! そんな人のために、イタリアでよくふるまわれる、さっぱりと美味しいリモンチェッロのカクテルをご紹介しよう。

 

リモンチェッロとプロセッコのカクテル(リモンチェッロ・ロイヤル)

 

材料

リモンチェッロ  30ml

ピーチジュース  2ml

プロセッコ  適量(グラスに合わせて)

 

作り方

1.リモンチェッロとピーチジュースを上記の割合で混ぜておく。

2.1にプロセッコを注ぎ入れる。あとは軽く混ぜ合わせるだけ。

 

プロセッコとは、ヴェネト州で作られる白ワインのスパークリングだ。つまり、リモンチェッロをワインで割るだけなのだが、これによってアルコール度数はかなり低くなる。しかも、リモンチェッロ特有のレモンの風味と、やや後にくる独特な苦味は残ってくれるので、リモンチェッロの味わいはしっかり楽しめる。またピーチジュースが甘さのアクセントになって飲みやすくもなっている。これなら食後だけではなく、食前酒として、オープニングの1杯としても楽しめるというものだ。プロセッコを使うのがイタリア式だが、なければシャンパンをはじめ、白のスパークリングなら好みで使っていただいて大丈夫。ぜひ、家飲みの「乾杯!」におすすめしたい。

 

※記事の情報は2017年10月3日時点のものです。

京藤好男

京藤好男

東京外国語大学イタリア語学科卒業。1995年ヴェネツィア大学留学。イタリア文学専攻。その滞在期間中、ヴェネト州のヴェローナ、ピエモンテ州のランゲ、トスカーナ州のモンタルチーノなど、ワイン名産地の人々と親交を持ち、イタリア・ワインに親しむ。現在、慶應義塾大学など複数の大学で講師を務めるほか、2006-2008年にNHKラジオ『イタリア語講座』、2007年にNHK『テレビイタリア語会話』で講師を務めるなど、様々なメディアで講師活動をしつつ、ワインを始めとするイタリア文化の普及に努めている。著書に『指せば通じる旅のらくらく会話 イタリア』、『文法から学べるイタリア語』(共にナツメ社)、『中級へのイタリア語文法』(三修社)など多数。

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