飲酒で消費される栄養素を補給しながら飲む! 〈老けない人は何を飲んでいる?⑤〉
お酒を飲むことで、身体から失われていってしまう栄養素があります。それは何でしょう?
飲酒で消費されてしまう栄養素はビタミンB1とカリウム
疲労感を持たれている方はもしかすると、飲酒することで、ある栄養素がたくさん消費されてしまっているかもしれません。特定の栄養素がカラダの中で不足状態に陥り、エネルギー代謝やカラダの機能調節がうまくいっていない可能性があります。
では、飲酒することでどのような栄養素が消費されるのでしょうか。「アルコールと栄養」(日本栄養・食糧学会 糸川嘉則、栗山欣也、安本教傳 責任編集)(光生館)に、消費される栄養素について確認した実験が記述されています。
この実験は、健康な青年ボランティア7名に夕方から翌朝まで好きなだけウイスキーを飲ませ、栄養素の経時的変化を測定したものです。
その結果として、ビタミンB1とカリウムの低下がみられたと報告されています。ビタミンB1が不足すると、糖質をエネルギーに変えることができず、疲れやすくなります。カリウムの働きは、神経の伝達、細胞機能の維持、筋肉の収縮・弛緩などがあります。
実験報告では、食事をしないまま翌朝まで飲み続けた結果、血中のビタミンB1は、飲酒前を100%とすると翌朝に70%まで低下しました。明らかなビタミンB1の欠乏状態がみられる飲酒量は、ウイスキー200~300ml、血中エタノール濃度1.6mg/ml以上でした。注目すべきなのは、40歳以降の人に限ると、飲酒中に食事(握り寿司1人前)をしてもなおビタミンB1が低下し続け、ほとんどのビタミンB1は尿中に排出されてしまったということです。
そしてカリウムもまた、ビタミンB1以上に低下することがわかりました。飲酒するときは、エネルギー代謝やカラダの機能調節に関わるビタミンB1やカリウムを食事から補給すべきだということが、この実験からわかってきます。
豚肉や大豆でビタミンB1、アボカドやオイルサーディンでカリウムを
カリウムを多く含む食品は、ほうれん草、春菊、トマト、バナナ、キウイフルーツ、リンゴ、アボカド、干し柿、サトイモ、じゃがいも、納豆、ヒジキ、エリンギ、オイルサーディン、サワラ、マカジキ、カツオ、サーモンなどがあります。
お酒を飲むときは、おつまみにこれらの食品を積極的にとりいれることでビタミンB1とカリウムの補給をしてみてください。皆さん、年末年始を元気に乗り越えましょう。
※記事の情報は2017年12月7日時点のものです。
- 1現在のページ