食で感じる春の訪れ。新玉ねぎのおつまみアイデア

みずみずしくて甘い新玉ねぎを、お酒と一緒に味わいませんか? 肩肘張らずに楽しめる家飲みならではの食べ方や、旬の食材と組み合わせたレシピなど。新玉ねぎのおいしさを堪能するおつまみアイデアを、フードライターの白央篤司さんが教えてくれました。

ライター:白央篤司白央篤司
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新玉ねぎ、どう食べる?

新玉ねぎ
2月はじめぐらいから見かけるようになる、新玉ねぎ。一般的な玉ねぎは収穫後に一定期間乾燥させてから出荷されるものですが、新玉ねぎは収穫してすぐ出荷されるもの。みずみずしくて柔らかくて、私の好物のひとつです。
新玉ねぎスライス
「新玉ねぎスライス+おかか醤油」は定番の食べ方。私はここに、卵黄を落とすのが好きでねえ…。新玉ねぎといえば「辛みが少ないので食べやすい」とされますが、切りたてはやっぱり辛みがあるもの。黄身が全体を包むことで食べやすくもなり、おかか×醤油のうま味でいただくの、たまりません。

辛みが苦手な人は、スライスしたのをざるなどに広げて30分ぐらい置いてください。辛みがほどよく抜けていきます。あまった卵白どうしよう、という人は一緒に混ぜても構いませんよ。味噌汁などの汁ものに入れるのもいいし。

「新玉ねぎスライス+卵黄+醤油」ですが、ここにごま油、あるいはオリーブ油をひとふりしてもね、うまいんですな。油でなくマヨネーズでもいいし、さらに七味なんて加えたら、どんどんアテ感が増していきます。

「いや、醤油じゃなくてぽん酢がいい!」派もわりにいる印象。「おかかは食感が苦手だ」と、出汁醤油でやる人もいますね。以前に「ウスターソースをかける」という人もいたなあ。みなさんは、どうでしょう。

いちばん好きな新玉ねぎの食べ方

アテといえば…レシピでもなんでもないのですが、私がいちばん好きな新玉ねぎの食べ方をここに告白させてください。
濃い味のおかずの下に新玉ねぎのスライスを敷く
それはですね、「何か濃い味つけのおかずの下に敷く」こと。例えば、煮魚。あの究極に甘っ辛い煮魚独特の煮汁、あの汁を新玉ねぎに吸わせる。まずは魚で一杯やり、食べ尽くす頃には新玉ねぎにほどよく汁も染みて、第2ラウンドの開始です。煮詰まってトロリとした汁をまとった新玉ねぎ…ああ、これがたまらんのですよ。甘さ×辛みのちょっとミスマッチなうまさ。煮魚でちょっと重たくなった口を洗ってさわやかにしてくれる効果もあり。スライスだから量もあり、すぐ無くならないのもうれしいところ。ちびちびやるのにぴったりです。居酒屋でこんなことやってたらちょっと…ケチな感じに見えるかもですが(笑)、イエノミだからいいのです!
煮汁に浸った新玉ねぎ
最後のほう、しっかり染みたメンバーは最高のアテ。芋焼酎ロックでいただきます。しょうが焼きやすき煮をのせるのも、いいんだよなあ…。

春らしい食材を使った大人なつまみ

新玉ねぎと菜の花のナムル
新玉ねぎはね、菜の花とナムルにするのも好きなんですよ。新玉ねぎと菜の花、どちらも結構大人っぽい香りのある野菜。それをごま油がうまくまとめて、いいつまみに仕立ててくれます。

さすがに1品ぐらいちゃんとレシピ出さないと、担当さんに怒られそうだ(笑)。こちらです。ちょいとしたコツも書き添えておきますね。
 

新玉ねぎと菜の花のナムル

材料

  • ※1~2人前  
  • 新玉ねぎ 100g
  • 菜の花 60g
  • ▼(A)  
  • ・薄口醤油 小さじ1
  • ・みりん 小さじ1
  • ・ごま油 小さじ1/2
  • ・塩 ひとつまみ
  • ・いりごま 小さじ1

作り方

  • 新玉ねぎは皮をむいてスライスする。菜の花は熱湯で20秒ゆがき、ざるにあげて熱が取れるまでおく。しっかりしぼり、3~4㎝幅に切る。
  • ボウルに①とAを入れて、よく和える。
②のプロセス、菜の花がしぼった状態のままだと味がいきわたらないので、葉のところを開きつつ和えるとよりおいしくなりますよ。

おまけ

トマトと新玉ねぎのカルパッチョ
新玉ねぎ、おろしてもいいんです。トマトなんかにかけて、エクストラバージンオリーブ油をさらにかけ、塩こしょう少々でちょっと洒落たつまみになります。

新玉ねぎ、おろしてみて辛みが強いようなら常温で1時間ぐらいおいてください。

おろした新玉ねぎ、お手持ちのドレッシングに加えるのもおすすめ。いつものサラダがちょっと目新しく、違ったおいしさに。

私は長々と晩酌するほうなんですが、40歳を超してから野菜をつまみにすることが多くなりました。胃が重くならず、翌日もすっきり。さて、私もそろそろ飲み始めるとするかな。

また来月、お目にかかります。

※記事の情報は2025年2月25日時点のものです。
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