大人が身につけたい、お店予約の作法とは?
渋谷のワインバー「bar bossa(バールボッサ)」店主・林伸次さんによる連載第2回〈バー店主が語るお店の使い方〉。お店側が考える、スマートなお店予約の作法とは一体どのようなものなのでしょうか。
女性とのデートで予約をするメリット
予約のメリットはこうです。
①お店側が「うちのお店に来ることを楽しみにしてくれてるんだな」とか「誰か大切な人とのお食事なんだろうな」といったことを想定してくれる。
②「ちょっと落ち着いた席をお願いします」とか、あるいは初めてのお店なら「HPで見たのですが、お庭が見える(あるいは夜景が見える)テーブルをお願いします」といったリクエストが言える。
③コースであれば「苦手な食材」をあらかじめ伝えておいたり、いくらのコースをお願いするかということを伝えることによって、お店の方も準備がしやすい。
お店にも事情があります
そのお店が「6時開店」だとしますね。6時開店で「8時予約」だと、6時から8時までの2時間をずっと「空席」のままお店を営業しなくてはいけないんです。お店としては「他のお客様を入店する機会」を損失してしまうわけです。それで「7時までのご来店の方のみご予約を受け付けております」ということになるわけです。
お店の予約は「営業前」に
①インターネット予約
②メール予約
③電話予約
これはお店側としては一番①が助かります。そういう機能を用意していないお店は②が助かります。理由は飲食店は少ない人数で回しているので、出来ればネット予約やメール予約の方が人の手間がかからなくて助かります。
でもネット予約もメール予約も受け付けていない古いタイプのお店もありますよね。出来れば「営業前」にお電話をいただけるとすごく助かります。営業中になってしまえば、みんな調理や接客をしているので、そこに電話がかかってくれば、「いったん作業をとめて、電話にでる」ということになります。もちろん「どうしても」というわけでないですが、そちらの方が助かりますし、「何か苦手な食材はありますか?」という風に余裕をもって予め聞くことが出来ます。
万が一キャンセルの場合はお早めに
キャンセルを受けると、お店には大きな損失があります。そして仕事や病気でどうしてもキャンセルしなくてはならなくなった場合、出来るだけ早くその旨をお店に伝えて下さい。早ければ早いほどお店側も「2名、キャンセルが出たので予約受け付けられます」とSNS等で告知することもできます。
電話での予約は「具体的」に
でもその電話、お店側としてはモヤモヤします。「混んでるんですけど、お店まで来る間に帰りそうなお客様もたくさんいますし」ってこともあるし、「今は空席はいくつかあるんですけど、いらっしゃる間に埋まってしまうこともありますし」ってこともあるんです。
ですので、そういうときに良い言葉はこうです。 「今から20分後くらいに2名行きたいのですが、大丈夫ですか?」こう言っていただけると、「はい。ちょうど2名様のテーブルが空いているのでとっておきます」とか「今は満席なんですけど、お会計が終わっているテーブルが2つあるんです。たぶんお客様がこちらに向かっている間にお帰りになっていただけると思うので、そういう形でよろしければ2名様、 ご予約受けておきましょうか」とかって感じで席を確保しておけます。できれば、具体的な時間と人数を伝えていただけると助かります。
こんなときは誠意のある対応を
あと、こんなケースはレアケースですが、たまに「ほぼ友人のお店」とかで、「今日、夜行くかもしれない」って感じでLINEなんかで連絡をしてくる方がいます。それ、友達でもすごく困ってしまいます。ちゃんとお店に行くって決まった時だけ、時間と人数を伝えて下さい。「あれ? あの人来るのかな。席取っておこうかな。どうしようかな」って悩むお店側の気持ちは大変です。
色々と細かいことを書いてしまいましたが、予約していただけるとお店はすごく嬉しいです。色んな準備が出来ますし、お客様が来店したときも「このお客様は、たまたまふらっと入ってきた方じゃなくて、わざわざ何日も前から、うちのお店を選んでくれて、やってきてくれたんだな。嬉しいな」という気持ちがあります。予約、よろしくお願いいたします。
※記事の情報は、2019年6月23日時点のものです。
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