ニッポンの蔵元へ行こう【愛媛県 梅錦山川株式会社】
全国各地の酒蔵と銘酒を訪ねる「銘酒 蔵元探訪記」、今回訪ねたのは愛媛県四国中央市の蔵元、梅錦山川株式会社です。四国中央市は製紙業もさかんな水に恵まれた土地。穏やかな瀬戸内海に面し、石鎚山系の軟水で醸されたお酒は旨口で優しい味わい。国内外の受賞歴も豊富です。代表取締役の藤原康展さんにお話を伺いました。
創業明治5年
酒造りにつきましては、私たちは、ただひたすらうまい酒を造りたい、飲み飽きしない酒を造りつづけようと心がけています。そのかいあって、全国の新酒鑑評会で30回以上金賞をいただいたり、愛媛の知事賞をいただいたり、と技術力は高いご評価を戴いています。これをしっかり継承しなが愛されるお酒を造っていきたいと思いますね。
瀬戸内の海のように柔らかな味わい
常時10種以上を使い分ける酒米のエキスパート
商品アイテムも100を超えるものがありまして、色んなニーズに応えるため、あるいは需要を喚起していくために、色んなお米を使って挑戦して行こうと思っているわけです。この姿勢は脈々と続いています。
人が見て触って匂いをかいで造るもの
うちは色々なお米を使って酒を造っているわけですが、いつも、はじめてのお米で酒造りに挑戦するときには、どんな味になるんだろう、どんな個性が出るんだろう、とワクワクします。寒いところのお米と暖かいところのお米では性格が違いますし、その米の特徴をどう掴んで、どう味わいをつくっていくか、というところが面白いですね。
梅錦には、かつて、現代の名工にも選ばれた昭和の名杜氏がいました。
阿瀬鷹治さんと山根福平さんと言うんですが、その方々が造ったのが現在の梅錦の味です。私もこの地元でその酒を飲んで育ったので、梅錦らしい味わいをしっかり守りながら、様々なチャレンジをしていきたい思います。
梅錦ブランド
藤原:まず、梅錦の純米大吟醸です。昭和58年の発売です。純米大吟醸ということで、価格も少し高めの設定になっていますが、海外でも、2017年に初めて開かれたフランスの日本酒コンテスト「KURAマスター」でプラチナ賞を戴いたり、ワインで有名なロバート・パーカーの格付けでは92点を戴いたりと、とても高い評価を戴いています。
⚫梅錦「つうの酒」
藤原:「つうの酒」は吟醸酒で、さらりとした辛さとほのかな香りが特徴です。昭和53年から全国展開を始めました。県外の方々にもっともご評価いただいた、味わいのある、歴史ある商品です。
⚫梅錦「酒一筋」
藤原:また、「酒一筋」という純米吟醸原酒もございまして、こちらは、梅錦の“黒ラベル”として地元の方にも親しまれています。アルコール度数が普通にくらべて高いので、オン・ザ・ロックでも美味しく飲んでいただけます。
⚫梅錦「秀逸」
藤原:「秀逸」は、普通酒なんですが 山田錦を大吟醸並みの50%に削ったものを使って丁寧に醸しています。山田錦の特長がよく現れていて、やわらかい果実香とふんわりとした甘さが特長です。これは、IWC(インターナショナルワインチャレンジ)のSAKE部門・普通酒部門で金賞を受賞しています。
お酒との幸せな出会いを大切に
梅錦では、今後もバラエティに飛んだお酒にチャレンジしていきたいと思っています。お米の産地、品種はもちろん、磨きだとか、製法の面でも色んなチャレンジをしていきます。具体的にはまだお話できる段階ではないんですが、現在、米作り・酒造りをエコロジーとからめて展開するような商品を企画しています。使用する米も、すこし「ドラマのある」作り方をされたお米を使いながら、新たな提案をあたためているところです。
※記事の情報は2018年3月14日時点のものです。
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