酒好きほぼ100人にアンケート。「RTDはお好きですか?」

酒好きほぼ100人に、缶入りのチューハイやハイボールなどRTDについて聞きました。日本でRTDが誕生したのは約40年前ですが、今では消費量が発泡酒と並びます。酒好きたちはどのように楽しんでいるのでしょうか?

メインビジュアル:酒好きほぼ100人にアンケート。「RTDはお好きですか?」

飲用経験はレモンチューハイとウイスキーハイボールが最上位

RTD(レディ・トゥ・ドリンク/開けてすぐ飲めるお酒のこと)の飲用頻度は「月に1回以下」が最多で30%、「飲まない」が21%、「月に2~3回」が20%と続き、RTDを週に1回以上飲む方は3割ほどです。今回の回答者の75%はほぼ毎日飲酒していますから、主に他の酒類を飲んでいて、RTDはサブの位置づけという人が多いと推測されます。
RTDの飲用頻度

飲んだことのあるRTDは「レモンの缶チューハイ(79%)」「ウイスキーのハイボール缶(71%)」「レモン以外の缶チューハイ(68%)」の3つが群を抜いています。最近1年間でもっとも飲んだものも同じ順番です。

缶チューハイのパイオニア「タカラcanチューハイ」の発売が41年前で、「サントリー角ハイボール缶」の発売は15年前ですから、後者が短期間に缶チューハイに迫ったことがわかります。また、発売からまだ3年のジンソーダ缶の飲用経験率が40%、かつもっとも飲んだ方が4%いることも急成長分野として特筆すべきでしょう。
RTDの飲用経験ともっとも飲んだもの
好きな銘柄とその理由を挙げてもらったところ(自由記述)、「サントリー角ハイボール」「サントリー翠ジンソーダ」「タカラ焼酎ハイボール」「キリン氷結」「キリン本搾り」「檸檬堂」が複数の方から挙げられました。好む理由の記述は多くありませんでしたが、「キリン氷結」「キリン本搾り」「檸檬堂」は「果汁感がおいしい」という言葉が目立ち、無糖やZEROの商品を挙げた方からは「罪悪感が減る」というコメントが見られました。

飲用機会増の予測理由に健康意識

RTDをよく飲むシーンは「自宅で夕食を食べながら」が34%と最多です。2位以下は拮抗していますが自宅での飲用は、「夕食の前」「風呂上がり」「夕食後」「休日の昼間」と多様なシーンで飲まれていることがわかります。「ホテルや旅館で」や「旅行の移動中」が上位に上がるのは、簡便なRTDらしいところです。
RTDをよく飲むシーン

飲用理由を見ると上位は「気軽に飲めるから(42%)」がトップです。2番目は香味の評価で「飲みやすいから(34%)」「すっきりおいしいから(30%)」、その次に「缶からそのまま飲めるから(27%)」と簡便性と「安価だから(22%)」と経済性が挙がります。
​​​​​​​RTD飲用理由
このように見てくるとRTDは、気軽にどこでも飲めて、飲みやすく安いというベネフィットが評価されており、これからも伸長しそうです。けれども今後の飲用機会の増減予想を聞くと、「増える」は13%に止まり「減る」が7%で、「変わらない」が66%と7割弱を占めました。
今後のRTD飲用機会増減予想
こうした予測の理由は次のように整理できます。もっとも多かった「変わらない」と回答した人では、すでに自分の飲酒スタイルが定まっている、あるいはRTDへの興味が限定的という意見が目立ちました。

「増える」とした理由は「強いお酒を控えたい」「ノンアル製品が充実してくる」「新製品の味が向上している」「価格が手頃」が挙がりました。味わいや経済性のほかに健康意識があるのがこの回答の特徴です。

「減る」の理由は、「好みではない」「添加物や甘さが気になる」「別のお酒を優先」「出張・付き合い機会の減少」が見られました。

RTDが「好き」は56%

最後に「RTDはお好きですか?」という問いの回答を見ましょう。飲酒頻度が高く酒好きを自認する回答者の多くは、すでに飲酒スタイルが固まっていると思われます。それでも「好き」が56%と過半数を占め、「嫌い」は11%に止まりました。
RTD好き嫌い

新しい味わい開発の自由度が高いうえにユーザー数が多く、飲み切りのため商品の回転率が早いRTDは、消費スタイルにフィットする商品を投入するマーケティング要素の強い商品です。イージードリンキングやノンアルコール製品の分野で今後も着実に成長すると言えそうです。

【調査概要】
調査時期 2025年4月4日~9日
調査方法 ネット調査
有効回答 144人(酒好きな人)


※記事の情報は2025年4月17日時点のものです。

 

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