【発掘!コンビニワイン①】ファミマ限定 スペインワイン「ジスト グランレゼルバ」をソムリエが徹底解説
ファミリーマート(ファミマ)で買えるワインの中でも美味しいとウワサのスペインワイン「ジスト グランレゼルバ」を、世界中のワイナリーを旅したソムリエがレビュー。税込980円のスペインワイン、その実力はいかに? ワインに合うファミマおつまみも合わせてご紹介!
以前「ファミマで買えるワイン22本飲み比べ」記事でも取り上げられていて、美味しいと評判でした。
ファミマ限定スペインワイン「ジスト グランレゼルバ」の産地や特徴は?
産地:スペイン
栓:コルク
アルコール度数:13.5%
内容量:750ml
価格:税込980円
商品情報:ラ・マンチャ地方の灼熱の太陽の下で熟したテンプラニーリョを丁寧に手摘みし、オーク樽で1年半以上熟成させ、計5年以上の長期熟成期間を経た贅沢なワイン。凝縮された果実味/甘味と熟成が織り成す円くシルキーなタッチが魅力です。お飲み頂く15分前に開栓することをお勧めしています。
「ジスト グランレゼルバ」の産地は、スペインの内陸部にあるラ・マンチャ地方。
実はここ、世界最大のワイン産地として知られる有名な銘醸地です。スペイン全土で生産されるワインの約半分が、ラ・マンチャから生まれています。夏は暑く冬は寒さが厳しい温度差の激しい地域ですが、ぶどうの生育環境としては素晴らしい場所です。
また、ラ・マンチャは世界一売れた小説と言われる『ドン・キホーテ』の舞台としても有名な場所です。もしかしたらエチケットに描かれている大きな「X」の文字も、ドン・キホーテが巨人と間違えて立ち向かっていった風車をモチーフにしたのかもしれませんね。
使うぶどうは「テンプラニーリョ」。スペインを代表するぶどう品種です。スペイン語で「早熟」を表す「Temprano」が語源となっていて、比較的成熟の早いぶどうとして知られています。
一般的には渋みと酸味がしっかりと感じられるフルボディの赤ワインが造られることが多いですが、造り手や生産年、熟成期間によって味わいに大きな幅があるのも特徴です。
ワインラベルに書かれている商品情報によると「ジスト グランゼルバ」は18ヶ月以上のオーク樽熟成。さらにヴィンテージは2010年なので、長い熟成期間を経て、瓶内でゆっくり熟成された複雑味を味わうことができそうです。期待が高まります。
ところで「グランレゼルバ」ってなに?
商品名にある「グランレゼルバ」、これはどういう意味かというと、スペイン産のワインはワイン法により熟成期間表示が細かく決められていて、以下のようにボトル表記が義務付けされています。
■ Joven(ホーベン)― 樽熟成1年以下、または全く樽熟成を行わないワイン
■ Crianza(クリアンサ)― 最低24カ月熟成(うち6カ月は樽熟成)
■ Reserva(レゼルバ)― 最低36カ月熟成(うち12カ月は樽熟成)
■ Gran Reserva(グラン・レゼルバ)― 最低60カ月熟成(うち18カ月は樽熟成)
通常グラン・レゼルバとなると、最低でも60か月は熟成させる必要があるため、その分保管するコストや時間と手間がかかり、価格もそれに応じて高くなる傾向があります。
それでもファミリーマートが販売するこの「ジスト グランレゼルバ」は、税込でも980円と驚きのコスパです。
【ソムリエ解説】「ジスト グランレゼルバ」を飲んでみた!
口に含むと完熟前のベリーに、オーク樽熟成由来のウッディーなアロマ。ドライクランベリーやいちじくのような凝縮した果実味を感じます。渋みはテンプラニーリョにしてはやや穏やかで、繊細な酸味が舌に長く残ります。
飲み口はしっかりとしていてフルボディですが、渋みを感じるタンニンが非常になめらか。渋みと酸味のバランスがうまくとれていて、幅広い料理とペアリングできそうです。
ヴィンテージが2010年なので、グラン・レゼルバの規定ラインである60カ月を超えて10年も熟成されていることになりますが、味が落ちている印象はなく、長期熟成に耐えるワインそのもののポテンシャルを感じます。
またブドウを収穫する際、機械に頼ると果実に傷がついてしまい、酸化が早期に進んで長期熟成に耐えられません。丁寧に手摘みで収穫しているからこそ、この味わいを実現できているのでしょう。
■飲み方のポイント
「ジスト グランレゼルバ」は購入直後の常温の状態よりも「少しだけ冷えた状態」がベストな飲み頃。 そのため、飲む15分くらい前から「開栓して、冷蔵庫に入れ冷やしておく」ことをオススメします。開栓して少し空気に触れさせることでワインの風味が開きます。逆に冷やし過ぎると、このワインのもつ香りや味わいが閉じてしまうため本領が発揮されません。
また、ラベルには15分前に開栓をと書いてありますが、個人的には30分くらい前に抜栓をしてもアロマが開いてより美味しくなった印象を受けました。
■ペアリングアドバイス
このワインには、生ハムやコクのあるチーズ、チーズをたっぷり入れたスパニッシュオムレツ、ラタトゥイユのようなトマト煮込みの料理と相性が良いと思います。また、ボロネーゼパスタや豚肉のローストといったお肉主体のメインディッシュにも合わせるのもいいですね。
「ジスト グランレゼルバ」に合わせたいファミマおつまみはこれ!
①お母さん食堂の「なめらか6Pチーズ」と「肩ロース生ハム」
■ワインとのペアリングの感想
コクのあるチーズと生ハムの塩気が、「ジスト グランレゼルバ」のふくよかな味わいとバランスの取れた渋みにぴったりマッチします。上からオリーブオイルを一回しすると、よりまろやかな味わいになるのでオススメです。
②ファミリーマートコレクション「クランベリーチョコ」
■ワインとのペアリングの感想
相性バッチリです。ドライクランベリー由来の酸味とチョコレートの甘みのバランスが、テンプラニーリョの味わいとしっかりリンクしていました。食後の最後の一杯に合わせて用意するのがオススメ。冷凍庫に入れてチョコをかっちり冷やしておくと尚Goodです!
③ファミリーマートの焼き鳥 ももたれ
■ワインとのペアリングの感想
ジューシーなもも肉にかかっている甘辛いタレが、凝縮感のある「ジスト グランレゼルバ」と素晴らしく合います。定番のファミチキもトライしましたが、やはりタレのかかった焼き鳥の方が相性Goodでした。
〜おまけ〜 ファミリーマートコレクション「スパイシーなビーフジャーキー」
ワインのもつ黒胡椒のようなスパイシーなニュアンスと、ビーフジャーキーのペアリングを試してみました。
■ワインとのペアリングの感想
ビーフジャーキーにかかったブラックペッパーのスパイシーな味わいと、「ジスト グランレゼルバ」の特徴である長期熟成由来のふくよかな飲み口とのバランスが良かったです。噛みごたえのあるビーフジャーキーなので、ワインとの相性を長く楽しめました。
「ジスト グランレゼルバ」はカジュアルな家飲みにおすすめ!
決して軽い味わいではないんですが、かと言って飲み疲れするような濃厚なフルボディでもない。そして長期熟成由来の余韻の長いアロマと複雑味をこの値段で感じられるものは、なかなか見つけられません。
ワイン初心者の方はもちろんですが、普段からワインに飲み慣れているワイン愛好家の方にも是非オススメしたいワインです。
※記事の情報は2020年8月25日時点のものです。
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