使いこなせば簡単便利! ソムリエナイフの正しい使い方とコツをソムリエが伝授

ワインを開けるために必須の道具「ソムリエナイフ」。家でいざ使うとなると「どうやって使うんだっけ?」「無事に開けられるか不安」と思う方は多いと思います。また、開けることはできるけど「人前でやっても恥ずかしくないようにスマートに抜栓したい…」そう思う人も多いでしょう。そこで今回はソムリエナイフの選び方、ソムリエナイフの正しい使い方やコツを動画付きでわかりやすく解説します。

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【目次】

  • ソムリエナイフとは?
  • ソムリエナイフの選び方
  • ソムリエナイフの使い方と失敗しないコツ【動画付き】
  • ソムリエナイフをスマートに使いこなす3つのポイント

ソムリエナイフとは?

ソムリエナイフはワインの蓋であるコルク栓を抜くために造られたものです。近年ではスクリューキャップや王冠タイプのワインが徐々に増えてきてはいるものの、未だにコルク栓のワインが主流になっています。

そしてソムリエナイフにも多くの種類があるので、自分にとって最適なものを選ぶ必要があります。一般的には「シングルアクション」と「ダブルアクション」の2種類に分かれます。
シングルアクションとダブルアクション
シングルアクションはワインのフチにかけるフックが1箇所で、少々コツが必要なのでプロ向けとも言えます。レストランやバーでサービスするソムリエは、人前で開けるシーンが多いため、すっきりとした見た目でこなれ感の出るシングルアクションのソムリエナイフを使うことが多いです。

一方でダブルアクションは、ワインのフチにかけるフックが2つあるので、2段階に分けてコルク栓をあげられるのが特徴。ビギナーの方でも容易に抜栓でき使いやすいので、もし家飲みやホームパーティで使われる用途でしたら、初心者の方にはダブルアクションをおすすめします。

ソムリエナイフの選び方

■材質で選ぶ
ソムリエナイフは大きく分けて「ナイフ」「ハンドル」「フック」「スクリュー」の4つの部位に分かれています。
ソムリエナイフ2種類
ハンドル部分はスチール、ステンレス、木材、プラスチックなど、様々な材質で造られています。材質によって開けやすさが変わるわけではないですが、厚みや手触り、全体のデザイン性はここで決まります。

持ったときの質感や重みも人によって好みが違うので、実際に材質の違うソムリエナイフを手にとって触ってから決めていただきたいです。

■サイズで選ぶ
スクリューとナイフに関しては、短いものよりも長い方がいいでしょう。特にナイフ部分は大きくて切れ味がいいものをセレクトすると、切れ込みを入れやすいのでおすすめです。

■シーン別で種類を選ぶ
そしてフック部分は、初心者の方はダブルアクションを、飲食店などでサーブする方はシングルアクションを選んでみましょう。

とはいえ、シングルアクションもコツさえ掴めばスマートに開けられるので、抜栓の機会が多い方はシングルアクションを選ぶのもおすすめです。

ソムリエナイフの使い方と失敗しないコツ

ソムリエナイフの基本的な使い方を動画をふまえて解説していきます。
※こちらに紹介する使い方はあくまでも一例です。ソムリエによって流派や型が違い、細かい作法の差異があります。あらかじめご了承ください。
 
 
※上記動画(ダブルアクション編)の前半は、シングルアクションの手順と同様です。ダブルアクションの解説は01:22以降になります。

簡単に手順を説明すると、

1.キャップシールを剥がす
2.瓶口を軽く拭く
3.コルク栓にスクリューを挿し込む
4.コルク栓を抜く
5.瓶口を軽く拭く


という順番になります。
 

1.キャップシールを剥がす

ソムリエナイフの使い方_キャップシールを剥がす
ボトルを抜栓する際、瓶口のキャップシールをいかにスマートにはがせるかが最初の関門です。そのためにはキャップシールを「3回のアクション(後ほど詳しく解説します!)」で「一発」で剥がすことが重要。

また、瓶口のフチに沿って、キャップシールにきれいに切り口をつけていくのがポイント。切れ味の良いソムリエナイフでも当てる場所を誤ると、きれいに剥がせなくなってしまいます。
 

2.瓶口を軽く拭く

ソムリエナイフの使い方_瓶口を軽く拭く
これはカジュアルな場では必須ではないですが、一度きれいな布で瓶口を拭き上げる所作をするだけで、非常にスマートに見えます。
 

3.コルク栓にスクリューを挿し込む

スクリューを挿し込む際、ボトルを立てたまま入れる方も多いですが、繊細なヴィンテージワインでない限りは、ゆっくりと手前に倒しても問題ありません。
ソムリエナイフの使い方_コルクの中央にスクリューを刺す
スクリューの先端をコルクの中心に当て、コルク栓に対してまっすぐ挿し込んでいきます。この際、人差し指、ないしは中指を添えるとまっすぐ挿しやすくなります。
ソムリエナイフの使い方_挿し込む角度は変えずにねじる


4.コルク栓を抜く

ソムリエナイフの使い方_瓶口にフックを引っ掛ける
ソムリエナイフの使い方_ハンドルを上に持ち上げる
スクリューが全体の2/3ほど入ったら、ワインボトルのフチにフックをひっかけ、ゆっくりとハンドルを上げ、スクリューを垂直に持ち上げていきます。ソムリエナイフの握り方も人ぞれぞれなので、自分に合った握り方でよいです。ダブルアクションのソムリエナイフの場合は、2回に分けて抜いていきます。

気をつける点としては、最後まで抜いてしまうと一気にコルクが抜けてボトルが転倒する危険性があります。
 
ソムリエナイフの使い方_コルクを手全体でねじる
8~9割ほど抜けたら、手全体でコルクを優しく包んで、少しねじるときれいに抜けます。
 

5.瓶口を軽く拭く

こちらも2と同様ですが、場合によってはコルクの砕けた細かいクズが瓶口についているときがあるうえ、素手が触れた場所なので、2のアクションよりも丁寧に拭き取るといいでしょう。

ソムリエナイフをスマートに使いこなす3つのポイント

【ポイント①】キャップシールは「3回のアクション」で剥がす

キャップシールをきれいにはがすためには、ナイフと指で瓶口を包んでしっかりとホールドするのがポイント。

●「3回のアクション」とは?
ソムリエナイフの使い方_3回のアクションについて

① ボトルを手前に傾けた状態で(もちろん立てたままでもOK)、自分から見て10時の地点から時計回りに18時の地点まで、切り口をつけていく。その際はナイフを人差し指にかまして、親指全体で瓶口を包んでホールドする。
3回のアクション(手順1)

② ナイフを返して、10時から反時計回りで18時の方向へ切り口をつけていく。その際はナイフを親指にかまして、人差し指全体で瓶口を包んでホールドする。
3回のアクション(手順2)

③ キャップシール一周に等しく切り口がついたら、キャップシールに対して垂直に切り込みを入れて、すきまにソムリエナイフの先端を差し込んで剥がしていく。
3回のアクション(手順3-1)
3回のアクション(手順3-2)


【ポイント②】コルク栓を勢いよく抜かない

コルク栓にスクリューをまっすぐ入れたら、抜くときは静かに、ゆっくりと。

初心者でありがちなのが「ポンッ!」と音がなるくらい豪快に抜ききってしまうこと。音がなると景気が良い印象があるかもしれませんが、ボトルがぐらついて倒れる可能性があります。ある程度までコルクが抜けてきたら手で微調整してねじり、「シュッ...」と静かに空気が抜けるととてもスマートです。
 

【ポイント③】慣れないうちはシングルアクションよりもダブルアクションを選ぶ

前述したように、シングルアクションはスクリューを挿し込んで引き上げるタイミングが難しいので、慣れとコツが必要です。ダブルアクションは2回に分けて抜くので、初心者でも比較的簡単に開けられます。

***

ソムリエナイフを使いこなすには少々練習が必要ですが、一度コツを掴めばスマートに抜栓できるようになります。お気に入りのソムリエナイフを手に入れて、素敵なワインライフを!

※記事の情報は2021年1月13日時点のものです。
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