【アイリッシュコーヒー】本場のレシピをアイルランド人パブ店主が伝授!

厳冬のアイルランドで生まれたクリーミーで香り豊かなホットカクテル「アイリッシュコーヒー」。その本場仕込みの作り方を、代々木にあるアイリッシュパブ「An SOLAS」オーナーのウィリアム・ライアンさんに教えていただきました!

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都内で唯一! アイルランド人店主がいるアイリッシュパブ「An SOLAS」

ウイスキーが好きでコーヒーも好き、という人にとって「アイリッシュコーヒー」は2つの嗜好品が一度に楽しめる夢のホットカクテル。あの冷たく滑らかなホイップクリームと熱いウイスキーコーヒーの力強い味わいのハーモニーを一度知ると、特に寒い冬場は普通のコーヒーでは満足できなくなります。

アイリッシュコーヒーを出すカフェやバーは都内にもたくさんあって、どこもそれぞれ美味しいのですが、飲み比べてみると見た目も味わいも結構さまざま。そうなると気になるのは発祥国アイルランドで飲まれている“本式のアイリッシュコーヒー”です。現地ではどんなレシピで、どういう飲まれ方をしているんでしょうか?

そこで向かったのが、代々木にあるアイリッシュパブ「An SOLAS(アンソラス)」。実はこの店、駐日アイルランド大使館の広報の方が「都内で唯一アイルランド出身の方が経営するパブ」と推薦してくれたのです。

アイルランド出身のバーマンであれば、きっと本場のレシピを知っているはず。期待を胸に店のドアを開けると、パブの店主、ウィリアム・ライアンさんが迎えてくれました。
 

お話をしてくれたのはこちら!

ウィリアム・ライアンさん

代々木にあるアイリッシュパブ「An SOLAS」店長。アイルランド出身。本国のアイリッシュパブで18歳の頃からカウンターに立つ生粋のバーマン。2003年に東京のアイリッシュパブ関係者からスカウトされ来日。2014年には「An SOLAS」の共同経営者に。「本物のアイリッシュパブ空間を提供する」ことがモットー。

ウィリアム・ライアンさん

アイルランド人にとって「アイリッシュコーヒー」とは?

アイリッシュコーヒーイメージ
―ウィリアムさんは、アイルランドで18歳の頃からパブのカウンターに立っていたそうですね。現地の人は、アイリッシュコーヒーをどんな時に飲むんでしょうか?

基本的には年中飲むんだけど、パブでたくさん注文が入るのはやっぱり冬場かな。アイルランドの冬は寒くて、気温はだいたい4~5度くらい。雪はあまり降らないんだけど、ほとんど毎日曇ってて、風も強い。だからアイリッシュコーヒーに限らず、ホットウイスキーやホットポート(ワイン)、ベイリーズコーヒーといったホットカクテルがよく出ます。

―やっぱり冬場に飲みたくなるものなんですね。

そう。もともとアイリッシュコーヒーは、アイルランドの飛行場で生まれました。飛行場の待合室にあったパブのバーマンが、冬の寒さの中で飛行艇を待つ乗客の疲れた体を温めるために、コーヒーにウイスキーとクリームを入れてあげた。それが国中に広がって、アイルランドだけでなくアメリカでもちょっとしたブームになったんです。

―基本的にはコーヒーのように、眠い時に頭をシャキッとさせるために飲むものなんでしょうか?

そうね。でも、もちろん朝食や仕事の休憩中に飲むものではないよ(笑)。あくまでお酒だから。例えば、夕方パブに飲みに来たけど、まだビールとか重いものを飲む気分じゃないなってときに、勢いづけにアイリッシュコーヒーを飲んで元気を出す感じ。あと食事した後って眠くなるでしょ? そんな時に眠気覚ましに飲むこともあるね。

―飲む場所はパブですか? カフェでは飲まない?

カフェで出されることはほとんどない。アイルランドでは、店でお酒を出すには高いライセンス料が必要だから、カフェでは出せないんです。外で飲むとしたらパブかレストラン、あとは家で飲むかな。

―ちなみにアイルランドの人にとって、”パブ”ってどんな場所なんでしょう?

どんな村にも1つはある“コミュニティセンター”みたいな感じかな。一人暮らしをするおじいちゃんも毎晩1~2杯飲みに来て、友達と話して家に帰るような。全然知らない人にも気軽に話しかけて友達をつくれる場所だから、外国から来た若い観光客が地元の常連客といつの間にか友達になるってこともあるよ。
「An SOLAS」店内
本場のアイリッシュパブの雰囲気がそのまま味わえる「An SOLAS」。ギネスやシードル、アイルランドのクラフトビールがタップで飲めるほか、もちろんアイリッシュウイスキーも充実していて、なかには日本ではめったに飲めない銘柄も

「アイリッシュコーヒー」に使うウイスキーは?

―アイリッシュコーヒーにはアイリッシュウイスキーが欠かせないと思いますが、どんなウイスキーが向いているのでしょうか?

クセがなくて甘い香りのする、まろやかでバランスのいいアイリッシュウイスキーが向いてるね。後味にあたたかみを感じるもの。高価なウイスキーよりも、「ジェイムソン」、「パディ」、「パワーズ」、「タラモアデュー」といった手軽に買えるウイスキーのほうがアイリッシュコーヒーにはおすすめです。
アイリッシュコーヒーにおすすめのウイスキー
―ちなみに、アイリッシュコーヒーにスコッチを使うのはもちろん邪道ですよね…?

うーん。スコッチでもモノによっては合うものもあると思うけど、基本的にスモーキーでピーティな味わいのものが多いからね。だからアイリッシュウイスキーのような柔らかい味のウイスキーほうが向いています。そういう意味では、日本の「角瓶」でアイリッシュコーヒーを作っても美味しいと思うよ。


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「アイリッシュコーヒー」専用のグラスとは?

―アイリッシュコーヒーには専用グラスがあるそうですね。

アイリッシュコーヒーグラスね。アイリッシュコーヒーはクリームとコーヒーがきれいに2層になっているのを見るのも楽しいから、アイルランドでは陶器のカップじゃなくて、こういう透明グラスに入れて飲む。
アイリッシュコーヒーグラス
でも日本の家庭にアイリッシュコーヒーグラスはなかなかないと思うから、耐熱ガラスのカップであれば何でもOKです。

プロのコツ満載! 本格アイリッシュコーヒーレシピ

それではアイリッシュコーヒーの作り方をウィリアムさんに教えていただきます。
 
ウィリアムさん

ウィリアムさん

一番大事なのは、コーヒーとホイップクリームのコントラストをくっきりつけること。クリームとコーヒーが混ざったらダメ! そのためにコーヒーはできるだけ熱く、ホイップクリームは冷たく作るのがポイントです。

【材料(1杯分)】

・角砂糖…1個
・アイリッシュウイスキー…25~30ml
・コーヒー粉…スプーン2.5杯
・熱湯…210ml
・無糖ホイップクリーム(ゆるめに作る)…適量
・シナモンパウダーやココアパウダー(好みで)…適量

 

【アイリッシュコーヒーの作り方①】

グラスにお湯(分量外)を入れて温める。スプーンもお湯に浸して温めておく。
グラスにお湯を入れる
お湯でスプーンを温める

【アイリッシュコーヒーの作り方②】

グラスのお湯を捨て、砂糖とアイリッシュウイスキーを入れる。
グラスのお湯を捨て、砂糖とアイリッシュウイスキーを入れる。

【アイリッシュコーヒーの作り方③】

コーヒー粉に熱湯を静かに注いでコーヒーを抽出し、スプーンでよく混ぜる。
コーヒーをドリップ
スプーンでよく混ぜる

【アイリッシュコーヒーの作り方④】

ゆるめにホイップした生クリームを、温めたスプーンの背に伝わせながらコーヒーの上にやさしくのせる。
温めたスプーンの背に伝わせながらコーヒーの上にやさしくのせる
スプーンを温めておくと、コーヒーの上にホイップクリームがするんと滑り落ちやすくなる

【アイリッシュコーヒーの作り方⑤】

シナモンパウダーを振りかけて完成!
シナモンパウダーを振りかけて完成!
ウィリアムさん

ウィリアムさん

飲むときもスプーンで混ぜたりしないで、冷たいクリームと熱いコーヒーのコントラストを楽しんで!


リッチで香り高いアイリッシュコーヒーを一口飲めば、指先まであたたかさが広がります。この冬、ぜひ本場のアイリッシュコーヒーを家で作ってみてください!

■取材協力

「An SOLAS」
東京都渋谷区千駄ヶ谷5-22-3 都営千駄ヶ谷アパート1号館 103
TEL: 03-5919-6686
営業時間:月〜金曜日 11:00-24:00 土・日曜日 15:00-24:00
定休日:年始

※記事の情報は2022年12月29日時点のものです。
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