【越後鶴亀 ワイン酵母仕込み 純米吟醸】ワイン酵母で仕込んだ新感覚の日本酒を飲んでみた

縁起の良い銘柄として人気の新潟県の日本酒「越後鶴亀」。キリッと冷やして美味しい「越後鶴亀 ワイン酵母仕込み 純米吟醸」をレビューします! ワイン酵母で仕込んだ日本酒の味わいはいかに?

ライター:青田俊一青田俊一
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今回は新潟の蔵元、越後鶴亀がワイン酵母を使って仕込んだ日本酒をご紹介します。

ワイン酵母で仕込んだ越後鶴亀の日本酒

連日の猛暑、こんな暑い夏の日の家飲みはついついビール一択になりがちですが、今回はきりっと冷やして飲みたい日本酒をご紹介します。

ご紹介するのは、おめでたい名前でおなじみの新潟の蔵元、越後鶴亀の「越後鶴亀 ワイン酵母仕込み 純米吟醸」。その名の通り“ワイン酵母”で仕込んだ純米吟醸です。
越後鶴亀 ワイン酵母仕込み 純米吟醸
この「越後鶴亀 ワイン酵母仕込み 純米吟醸」は発売されてからもう何年か経っているので、ご存知の方からすると今さら感はあるかもしれませんが、昨年、ワインを題材にした人気漫画「神の雫」に取り上げられたことから、ここ最近の家飲み需要も相まって売れ行きが好調とのこと。なので今回あらためてご紹介することにしました。

それで今回ご紹介する日本酒のポイントとなるのは“ワイン酵母”。“酵母”の話は何度かこちらのコラムでも取り上げていますが、この“酵母”、米や麹と比べると一般的にはちょっと影の薄い存在ではないでしょうか。

実際、ラベルに“なんとか錦使用”とか“精米歩合○○%”とか米のことを大きく謳っている商品は多いですが、“○号酵母使用”とPRしている商品はほとんどないですし、きっとPRしたところでなんのことやらと思われることでしょう。

しかし実際は、この“酵母”が日本酒造りにおいて重要な役割を担っているのです。

この重要な役割のひとつが“アルコール発酵”です。酵母がなければ、日本酒はアルコール発酵しないので“お酒”にはなれないのです。そしてこのアルコール発酵の際に排出されるものの成分が日本酒の香りの素になります。

つまり酵母が変われば香りも大きく変わってくるというわけです。香りが味わいに与える影響も少なくはありませんので、酵母が日本酒の味わいを左右するといっても過言ではないでしょう。

今回のワイン酵母は文字通りワイン醸造用の酵母、このワイン酵母が味わいにどのように影響してくるのでしょうか。百聞は一見にしかず、ということで早速お楽しみの試飲タイムです。

「越後鶴亀 ワイン酵母仕込み 純米吟醸」の味わいは?

ワイン酵母仕込みということなので、ワイングラスで試飲したいと思います。

ちなみにこちら、私が以前、審査員を務めさせていただいた“ワイングラスでおいしい日本酒アワード2019”で最高金賞を受賞していますので、“ワイン酵母=ワイングラス”という安直な選択もあながち間違いではないようです。
越後鶴亀 ワイン酵母仕込み 純米吟醸
グラスに注ぐと旨み成分が強いのか、少し色付き感があります。香りは最初に華やかな吟醸香、そのあとに花のようなほんのり甘い香りを感じます。日本酒の香りと白ワインの香りがうまくミックスされたような印象です。味わいは最初に爽やかな酸味、日本酒では珍しい柑橘っぽい酸味があります。そのあとにまろやかな旨みが口の中に広がります。

日本酒度が-32だったので、かなり甘いのではないかと予想されたのですが、想像していたよりも甘ったるくなく、余韻もすっきり。旨みがしっかりとしている割にくどくなく、飲み飽きしなさそうです。燗にすると酸味がぼんやりしそうなのでしっかりと冷やしたほうがよさそうです。

ワイン酵母を使うなんてちょっとキワモノっぽいかと思いきや、思いのほかバランスの取れた味わい。たしかに正統派の日本酒とは言い難いですが、逆に和食にとどまらない様々な料理と合わせやすい味わいに仕上がっており、食中酒として万能な感じがします。

特にこの独特の酸味が爽やかで、夏の食卓にぴったりです。個人的には今の季節なら冷製パスタやカプレーゼに合わせたり、シーフードカレーなんかも面白いかもしれません。

ちょっと変わり種の日本酒ですが、爽やかな酸味が夏の家飲みにぴったり。日本酒と白ワインのいいとこ取りの新しいタイプの日本酒で、夏のおうち時間をお楽しみください。
 

越後鶴亀 ワイン酵母仕込み 純米吟醸【商品概要】

  • アルコール度数:13%
  • 原料米:山田錦 五百万石
  • 精米歩合:60%
  • 容量 / 容器:720ml / 瓶
  • 参考小売価格:1,500円(税別)
  • 製造元:越後鶴亀
※記事の情報は2020年8月17日時点のものです。
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