〈故郷酒自慢大会〉地元で愛されるうまい酒&おつまみ大集合!
「故郷のお酒をもってきて!」そんな声掛けに応えて、7名の編集部員が「これぞ」という自慢の逸品を持ち寄りました。北海道から九州、遠くはカナダまで、地方色豊かなお酒と個性派ぞろいのおつまみを、各人の思い出エピソードとともにご紹介します!
故郷のお酒を改めて飲んでみよう!
そこで今回は、さまざまな土地から上京してここにいるイエノミスタイル編集部員7名に声を掛けて、自分の故郷(第二の故郷もOKとする)のお酒とおつまみを持ってきてもらうことに。自慢の地元酒の魅力を思い出のエピソードとともに語ってもらいました!
【我が故郷の酒自慢①】編集部員Yのルーツ「北海道」
編集部員A
そんな北海道にルーツをもつYさんが持ってきてくれたのは「小樽ビール」と…この魚たちはなんですか?
編集部員Y
これは「鮭の飯寿司」と「ニシンの飯寿司」。「飯寿司」と書いて「いずし」って呼ぶんです。
編集部員R
へー、飯寿司って初めて食べます。この米がべちゃべちゃしているのは正しい状態なんですか?
編集部員Y
そう、これが普通。すごく浅漬けの鮒寿司みたいなものなんですけど、鮒寿司はもっと発酵してるじゃん? でも北海道は寒いからそんなに発酵しないので、即席に糖化させるために麹を入れるんだよ。だから甘くなる。まあちょっとビールと一緒に食べてみてよ。
編集部員J
ほんとだ。見た目からもっとクセのある食べ物かと思ったら、優しい甘さで食べやすいんですね。おいしい。
編集部員E
青いラベルの小樽ビールもおいしいですね。フルーティ。鮭の飯寿司にもよく合いますよ。
編集部員Y
そのビールはヴァイスっていうちょっと濁っているタイプ。上面発酵ってやつですね。緑のラベルのほうはピルスナータイプで、こっちもおいしいよ。
編集部員H
鮭もいいけど、ニシンの飯寿司もめっちゃおいしい! 私はこっちのほうが好きです。
編集部員Y
よくぞ、おいしいと言ってくださいました。ニシンのほうが乳酸発酵している感じがあって、ちょっとしょっぱいんだよね。
せっかくなので、じゃがバターも食べてみて。これには北海道限定販売の「サッポロ クラシック」ビールを合わせてほしいんだ。
編集部員E
じゃがバターにビールって、改めて食べるとやっぱ最高です。
編集部員Y
なんてことない組み合わせなんだけど、箸休めにいいよね。
編集部員S
北海道には日本酒の蔵もありますよね? 日本酒はあまり飲まないんですか?
編集部員Y
日本酒のイメージはあまりないですね。北海道の人ってホントにビールしか飲まないんですよ。しかも大丈夫かってくらい、むちゃくちゃビールを飲む。北海道では日本酒もウイスキーもワインも造られているけど、やっぱりビール文化圏なんだと思う。
【我が故郷の酒自慢②】編集部員Aの生まれ故郷「福岡」
編集部員Y
なんか焦げた魚出てきた。
編集部員A
いや、これ焦げてるわけじゃなくて「ぬか炊き」っていう食べ物です。私が生まれ育った福岡県の筑豊地方は、どっちかっていうと博多よりも北九州の文化圏で、この「ぬか炊き」も北九州発祥の郷土料理なんです。ぬか床を調味料として使っているんですよ。
編集部員R
えー! ぬか床を?
編集部員S
ぬか床を使うって、具体的にどうやって?
編集部員A
まず醤油、酒、みりんとかで基本の煮魚を作って、最後にぬか床を鍋にドバっと入れて一緒に炊くんです。
編集部員H
そんな調理法、初めて聞きました…。
編集部員A
で、ぬか炊きに合わせて飲んでほしいのが「寒北斗」という我が地元の日本酒です。大学生の頃から飲んでいて、今でも実家から届く野菜の小包のなかに、たまにこのお酒も入っています。福岡の人って焼酎を飲むイメージがあると思いますが、意外と日本酒も飲むんですよね。
編集部員E
私、九州の日本酒って初めて飲みましたけどおいしいんですね。
編集部員J
口あたりが繊細。
編集部員S
こういうのを甘口っていうのかな。少し澱もあるね。
編集部員A
よかったら、いわしのぬか炊きも一緒に食べてみてください。
編集部員E
おいしい。私、前にもぬか炊きって食べたことあるけど大好きなんですよね。でもその時に食べたもののほうが、もっとワイルドな味わいだった。これはかなり上品に仕上げられている気がする。
編集部員H
ほんとだ。身構えていたほどぬか床感はない。むしろ魚臭さをとってくれる感じですね。
編集部員Y
俺もこのぬか炊き結構好き。ごはんにも合いそうだよね。
編集部員A
よかった。本当は家で作るともっと野趣あふれる味で、ぬか床の主張も遠慮のない感じです。まあ、そこが好き嫌い分かれるところなんですけどね。
【我が故郷の酒自慢③】編集部員Jの生まれ故郷「徳島」
編集部員E
このちくわ、ビジュアルがすごいね! 竹がささってる。この丸いカツも初めて見ました。
編集部員J
この丸いのは「かつ天」って言って、中にカレー風味の魚のすり身が入っています。僕の生まれ故郷・徳島ではみんな知っています。ぜひ、「すだちサワー」と一緒に食べてみてください。
編集部員A
すだちサワー、お酒っていうかフレッシュジュースを飲んでるみたい。体によさそうな味がします。さすがすだちの国。
編集部員J
爽やかでレモンサワーより優しいですよね。「生すだち酒の素」を炭酸で割るだけでできるので気に入ってるんです。地元に帰ったときにこの素を買います。
編集部員S
かつ天もおいしい。ハムカツみたいなカレーコロッケみたいな。
編集部員E
ほんとおいしー。程よいジャンクさがいいよね。
編集部員R
このかぶりつくタイプのちくわもめちゃくちゃおいしいですね。素材で勝負している感じがします。
編集部員J
「竹ちくわ」って言って、小松島というところの名物なんです。竹に巻いてあって見た目にも面白いので、お土産として喜ばれます。
編集部員H
ちくわにすだちを搾って食べるのもいいですね。
編集部員E
すだちってレモンみたいに強い酸味じゃないから、かけすぎくらいかけてもおいしいね。
編集部員Y
竹ちくわは、「大歩危小歩危」っていう日本酒にもめちゃ合うよ。
編集部員J
徳島に「大歩危・小歩危」っていう有名な渓谷があって、そこから名前をとった日本酒です。
編集部員S
徳島の酒もわりと甘口なんだね。九州の日本酒とやっぱり似てる。
編集部員R
で、この海苔は一体…?
編集部員J
この日の出印の味付海苔、めっちゃおいしいんですよ! 食べ始めたら止まんなくて。これも帰省したときに必ず地元で買って帰ります。
編集部員H
海苔のいい香り! 味付海苔でこんなにおいしいの初めて食べました。パリッとしてて厚みもありますね。
編集部員J
僕はこれを2~3枚重ねて贅沢に食べるのが好きなんです。お酒にも合うし。実家のおにぎりの海苔はこれです。
編集部員S
この海苔があれば具がいらないよね。
【我が故郷の酒自慢④】編集部員Sの生まれ故郷「岩手」
編集部員S
私が持ってきたお酒は、地元でお正月とかによく飲まれる「酔仙」です。三陸の蔵元って言ったら酔仙なんで。内陸に行くと、「あさ開」とか「南部美人」とかあるんだけど。
編集部員A
Sさんは岩手県の宮古市出身でしたよね?
編集部員S
そう。で、大学入学の時に上京してきたから、地元でリアルタイムに酔仙を飲んでいたわけではないんだよね。たまにお正月に帰省したときにひと口ふた口飲む程度で。
編集部員A
このお酒、ちょっと黄色がかってますね。
編集部員E
味もやっぱり九州や四国ものとは違う。ストイックというか、引き締まっています。
編集部員R
Sさんが持ってきたくれたホヤ、私初めて食べましたが、こんなにおいしいものなんだ!
編集部員E
磯の香りがいいですね。しかもこの辛口のお酒と合うなぁ。なんていうか、すごく旅情を感じる…。
編集部員A
三陸あたりのいい寿司屋で出てきそうな組み合わせですね。
編集部員Y
このホヤ、ほんとおいしいよね。ホヤってもっと酸っぱいものかと思ってたけど、本来は優しい味なんだな。
編集部員S
ホヤというのは夏が旬で、ちょっと仁丹みたいな爽やかな風味があるんだよね。子供のころはホヤをがーって食べて水を飲むと、水が甘く感じるっていうミラクル体験をみんなでやってびっくりしてたんだよね。
編集部員R
いい夏の思い出ですね。
編集部員J
岩手のホヤに徳島のすだち搾るとめちゃおいしいですよ。
編集部員H
ほんとだ、すごく合いますね! 岩手と徳島の出会い。
編集部員S
うまいね。レモンより断然すだち。
【我が故郷の酒自慢⑤】編集部員Eの生まれ故郷「埼玉」
編集部員E
私の生まれ故郷、埼玉県行田市のお酒「桝川」と「日本橋」をもってきました。行田って人口8万人くらいの小さい街なんだけど、酒蔵が2つあるんですよ。その酒蔵から1つずつ。
編集部員Y
埼玉なのに「日本橋」っていうんだね。
編集部員S
うん、どっちも日本酒らしい味。うまい。ラベルの雰囲気もいいね。
編集部員E
「日本橋」は本醸造で「桝川」は普通酒です。どちらも正しく「日常酒」という感じですよね。で、このお酒に合わせてほしいと思って買ってきたのが、白瓜と生姜の奈良漬け。行田には奈良漬け屋も2軒あるんですよ。
編集部員H
生姜の奈良漬け、めちゃくちゃおいしいです!
編集部員Y
うまいね。この奈良漬けだけで、飯何杯でも食べられそう。
編集部員J
奈良漬けって今まであんまり意識して食べたことなかったけど、こんなにおいしいんですね。白瓜の食感もシャキシャキしてて。
編集部員E
で、その状態で日本酒飲んでみて。
編集部員R
うめー…。最高です…。
編集部員E
奈良漬けにはこういう日常酒が合うと思ったんだ。
あと、よかったらかきもちも。行田って農村地帯なんで、お酒にしろ食べ物にしろ米の恵みでできているものが多いんですよね。
編集部員R
かきもちと日本酒もなんか妙にほっとする組み合わせですね。
編集部員E
お酒もおつまみもなんてことないんだけど落ち着くでしょ?
編集部員A
この行田セットでたぶん私ずーっと飲んでいられます。
【我が故郷の酒自慢⑥】編集部員Hの生まれ故郷「神奈川」
編集部員H
私は、育ちはずっと横浜なんですけど、学校帰りによく母親と箱根までドライブに行っていて。車で1時間くらいですかね。帰りに温泉に入って帰ってくるみたいな。
編集部員R
豊かな暮らしだなー。
編集部員H
それで今日持ってきたのは「箱根ビール」と、ドライブの途中で立ち寄っていた「鈴廣」っていうかまぼこ屋さんの「炙り焼きかま 枝豆」と「ぷちかま 明太マヨ」です。「ぷちかま」は個包装になっているので、車の中でおやつによく食べていました。
編集部員E
「鈴廣」って有名なかまぼこメーカーですよね?
編集部員H
そうです。工場見学ができる施設もあって、今はそこが箱根駅伝の中継地点になっています。
編集部員S
この枝豆のかまぼこ、うまいね。枝豆がたっぷり入ってる。
編集部員A
ペッパーもガツンと効いてますよね。これは確かに日本酒っていうよりビールだな。
編集部員J
明太マヨもおいしいです。「箱根ビール」にめちゃ合います。
編集部員E
ほんとこのビールおいしい。ピルスナータイプだから爽やかですね。箱根の温泉に浸かった後に飲みたい。
編集部員R
ラベルもめちゃかわいいですね。箱根旅行のお土産に良さそう。
編集部員H
この「箱根ビール」も、実は鈴廣が作ってるんですよ。
編集部員Y
鈴廣ってビールも作ってるの? ずるいなー。どうりで鈴廣のかまぼこに合うわけだよー。
編集部員S
むしろ、このビールに合うようにかまぼこを作ってるんじゃないの?
編集部員H
(笑)。私も今日初めて飲みましたけど、おいしいですね。小さい頃から、いつか大人になったら飲みたいビールって感じだったので嬉しいです。
【我が故郷の酒自慢⑦】編集部員Rの第二の故郷「カナダ・カルガリー」
編集部員R
私、4年前に1年間だけカナダにワーホリに行ってたんですけど、その時に過ごしたカルガリーという街で発祥したのが、この「シーザー」っていう赤いカクテルです。
編集部員E
カルガリーってオリンピックやったところだよね?
編集部員R
そうです。結構田舎なんですけど。
シーザーは、ウォッカベースに「クラマト」っていうハマグリの出汁が入ったトマトジュースとウスターソース、タバスコ、塩コショウを入れて作るんです。
編集部員A
おいしい! カクテルというかスープみたい。
編集部員H
ほんとトマトスープみたいですね。カクテルなのに不思議。
編集部員E
マドラー代わりに入ってるセロリスティックがまたいい。このしょっぱめのカクテルに合うね。
編集部員J
カルガリーの人はみんなこのカクテルを飲むんですか?
編集部員R
地元の人は圧倒的にビールですね。でも当時の私はビールのおいしさに目覚めていなかったので、このカクテルをよく飲んでいました。あと私が働いていた店ではお酒も作らないといけなかったんで、ライセンスを取ってこのカクテルも作っていました。
編集部員Y
へーかっこいいね。そのライセンスがないと店でお酒作れないんだ。
編集部員R
そうなんです。カナダって外での飲酒に対して厳しいんですよね。
で、もうひとつ私が現地で激ハマりしたのが「プーティン」です。フライドポテトにチェダーチーズとグレービーソースがかかっています。カナダ料理っていうと、たぶんこれしかないと思います。
編集部員Y
なにこれ、うまーい!!
編集部員E
Yさん、一人で全部食べないでください。
編集部員S
シーザーにも合うけど、もちろんビールにも合うだろうね。
編集部員A
これにハマるのわかります。手が止まらない。キケンなおいしさだ…。
編集部員R
ですよね。私もめちゃくちゃ食べてて、プーティン大好き!みたいな感じだったんですけど、食べ過ぎて3か月で飽きてしまって、それからまったく食べられなくなったんですよ。だから今日、4年ぶりくらいに食べました。
故郷の酒を仲間と飲んでみた感想は?
編集部員S
やっぱり日本酒は地方によって味が違うんだね。東北から九州まで各地で造られているけど。
編集部員H
練り物ひとつとっても、神奈川と徳島では見た目も味もかなり違いましたよね。
編集部員A
そうそう、神奈川の練り物のほうがよそ行き感のある上品な味でしたね。今回のビジュアル大賞は徳島の「竹ちくわ」だったけど。
編集部員J
徳島のすだちが岩手のホヤに合うのも四国と東北の融合って感じで僕としては嬉しい発見でした。
編集部員R
私は今回初めて飲むもの、食べるものばかりですべてが新鮮でした。
編集部員E
ほんとに。日本中おいしいものがまだまだたくさんあるんだね。カナダにも。
編集部員Y
旅行する楽しみもまた増えたよ。
※記事の情報は2023年1月30日時点のものです。
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編集部員Y
うちの家族は、私が生まれる前までは北海道で暮らしていたんですよ。父より前の世代のおじいちゃん、おばあちゃんもみんな北海道。で、私が母親のお腹にいるときに、家族全員で東京に移住してきたんです。だから私には故郷としての北海道の記憶はないんだけど、それでも正月には青函連絡船に乗って親戚の家に帰ってた。