酒好きほぼ100人に聞いた「4月からの酒類値上げラッシュで、飲み方はどう変わる?」

酒類の値上げについて酒好きほぼ100人にアンケート。最近は酒類も値上げが続いていますが、4月から大手ビールメーカーは幅広い商品で4%~12%値上げします。酒好きたちはどう動くのでしょうか。

メインビジュアル:酒好きほぼ100人に聞いた「4月からの酒類値上げラッシュで、飲み方はどう変わる?」

酒好きがよく飲むお酒と購入ルートは?

まずは、回答いただいた酒好きの方々が普段どんなお酒を飲んで、どこで購入しているかを見ておきましょう。自宅でよく飲むお酒の1位は「日本酒(69%)」で「ビール(64%)」を上回っています。3番目は「ワイン(45%)」で上位3つはすべて醸造酒(原料を発酵だけでつくる比較的アルコール度数の低いお酒)です。4番目から「焼酎(36%)」「ウイスキー(29%)」と蒸留酒(蒸留したアルコール度数の高いお酒)が登場し、その後が「チューハイ(22%)」「ウイスキーハイボール(21%)」です。

一般的にはビール類が最多で、チューハイやウイスキーハイボールが続くことが多いですから、酒好きを自認する今回の回答者は日本酒やワインを特によく飲む人たちの意見と言えそうです。
自宅でよく飲むお酒

自宅用のお酒をどこで購入しているのかを見ると、最多は「スーパーマーケット(61%)」です。2番目は「酒専門店(56%)」で、少し差があって3番目が「酒の専門量販店(34%)」です。そして4番目は「ネットショップ(25%)」があがっており、日本酒やワインを好んで飲む酒好きでは酒類をネットで購入することが一般化していることが窺われます
自宅用酒を買う店

7割がお酒の値上げを実感

では、この1年間でどのくらいの人がお酒の値段が上がったと感じているかを見ましょう。値上げを「感じる(37%)」と「少し感じる(35%)」を合わせると72%にのぼります。
1年間で酒の値上げを感じるか

特に値段が上がったと感じるお酒はもっとも多いのが「ウイスキー」で33%、「ワイン」が28%、そして「日本酒」25%と続きます。一昨年に酒税率が改正され減税されたビールでも値段が上がったと感じている人が20%あり、減税以上にその後の値上がりの印象が強いようです。
値段が上がったと感じるお酒

お酒の値段が上がったことによる家飲みの変化は、「特に変わらない」が62%と最多です。ですが「同じ酒類でリーズナブルな商品が増えた」が20%、「安い店で買うことが増えた」が12%と、安価な商品へのスイッチや購買の仕方を変えた人が1~2割いると推察されます。また、6%ですが飲酒の頻度を下げる、あるいは量を減らした方もいます。
値段が上がったことによる家飲みの変化

4月の値上げで安価な店・安価な商品にシフト

アサヒやキリンなど大手ビール4社は、この4月からビール類・チューハイ・ワインなどを4%~12%値上げすると発表しました。酒好きな方のこのことの認知率は52%で、値上げで家飲みがどう変わるかの予想は、「特に変わらない」が52%と最多です。
大手ビールメーカーの値上げの認知
4月のビール値上げで家飲みは変わるか

ただ、前述の昨今の酒の値上がりで家飲みがどう変わったかを聞いた質問(グラフ5)では、この回答は62%ですから10ポイント下がっています。また、「安い店で買うことが増える(22%)」と「同じ酒類でリーズナブルな商品が増える(18%)」が2割前後あり、さらなる値上げでハードディスカウント店が業績を伸ばしたり、エコノミーな商品にシフトしたりする動きが広がりそうです。

料飲店のお酒の値上げは来店頻度に影響

次に料飲店でのお酒の値上げについての意見を見てみましょう。ここ1年間で料飲店でのお酒の値上げを感じている方は、「感じる(26%)」と「少し感じる(30%)」で56%です。料飲店をあまり利用しないなどの理由で「わからない」が12%あるので、家飲みでのお酒の値上げの印象(72%)に近いと見てよいでしょう。
1年間で飲料店の値上げを感じるか

お酒が高くなったことによる料飲店での飲み方の変化は、「特に変わらない」が53%であるものの「店に行く頻度が下がった」が22%あります。料飲店のお酒の値上げは、選択するドリンクの変化以上に来店頻度に影響していることがわかります。
値上げで家飲みは変わったか

「値上げやむなし」の声が多数

最後に酒類の値上げについて寄せられた意見をまとめます。
1. 値上げはやむを得ない
物価全般が上昇、人件費も上がっておりメーカーの努力にも限界がある。
2. 値上げに対する不満・懸念
便乗値上げや販売店ごとの価格差への不信感。低所得者層や年金生活者への影響。酒税の高さや二重課税への不満。
3. 酒類の種類ごとの影響について
日本酒はもともと安すぎたため、適正価格への移行という見方がある。ジャパニーズウイスキーは価格が高騰し手が届かなくなりつつある。高級ワインは 値上がりが激しく、購入をためらうケースが増加。
4. 消費行動の変化
外飲みの回数を減らし、家飲みへシフト。安価な酒への移行や飲酒量の減少につながる。

【調査概要】
期間:2025年1月30日~2月6日
調査方法:ネット調査
有効回答数:163人(酒好きな人)


※記事の情報は2025年3月20日時点のものです。

  

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