台湾で日本酒が人気沸騰!「純酒展2018」に行ってきました

日本酒と発酵フレンチのお店「SAKE Scene〼福」を経営する簗塲友何里(やなば ゆかり)さんのお酒コラム。今回は、台湾での日本酒ブームをリポート。

ライター:簗塲友何里簗塲友何里
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海外で日本酒ブーム!

私の経営する日本酒と発酵フレンチのマリアージュのレストランSAKE Scene 〼福は、日本語が得意ではない外国人旅行者にも優しいのがモットー。日本酒の好きな外国のお客様が多くいらっしゃいます。そして、外国人のお客様の中には、かなり日本酒ツウの方も。実際、レアな日本酒を飲み、味わい、お燗を堪能するために日本に訪れる方々は、かなりの日本酒ファンです。

でも、現地の人々はどうなのか?こちらから現地に出向いてみれば、学ぶことがたくさんあるはず!ということで、台湾でのお酒の展示会を見に行ってみました。

やって来たのは、台北【純酒展2018】

やって来たのは、台北【純酒展2018】
台湾では、数年前から徐々に日本酒の認知度も上がり、毎年日本酒の展示会が開催されています。今回訪れた「純酒展」は、台湾でもっとも大きな総合的な酒の展示会。台北のシンボル台北101の隣り、外資系ホテルが立ち並ぶ、台北の中心地にて開催されました。ワインや焼酎も一緒の展示会ですが、日本酒のブースもたくさん出展しています。さっそく日本酒調査です。

日本酒のブースは大盛況です。

入口に入ってすぐのスペースが、日本酒のブースが立ち並ぶエリアでした。日本酒を輸入している台湾の輸入社のブースがずらり。なかなかまっすぐは歩けない程の大盛況です。
まずは、友人の台湾人の輸入会社のブースに行ってみました。日本からわざわざ輸入した日本酒が、ところせましと並んでいます。
日本からわざわざ輸入した日本酒が、ところせましと並んでいます。
まさに日本国内の日本酒イベントのようですが、いえいえここは台湾です。台湾人が日本酒に興味を持ち、旅費をかけて日本に買い付けに来て、言葉の壁を越えて商談して、通関して輸送したかけがえのない日本酒達です。その光景を見るだけでも、日本酒を世界へ広めようと奮闘している者にとっては、感動の光景でした。日本人として、何だかすごく嬉しい!

台湾で好まれるお酒とは

日本では、すっきりとした味わいの日本酒が人気ですが、台湾の方々は、甘いものがお好き。台湾においては、日本の淡麗好みとはまた違った、甘いお酒が好まれるようです。というわけで、ブースの半分を梅酒や柚子酒などにしている輸入者も多いです。

貴重な日本酒だ!という意識が高く、来場者のみなさん、このチャンスを無駄にしないよう積極的に試飲されています。さすが、台湾、日本と違う! ものすごいパワーで日本酒を求めてることが実感できました。漢字が読める、という事情もあって、このところ、日本酒について勉強している台湾人も増えています。そして、そんな方々は続々と輸入の免許を取り始めていて、台湾での日本酒輸入量は増加傾向。関心も高まっています。あとは、消費者へのさらなる認知が課題です。
このチャンスを無駄にしないよう積極的に試飲されています

意外な蔵元さんとも出会えました

日本酒のコーナーに入ってすぐ、知っているお顔を発見! いつも大変お世話になっている蔵、秋田清酒の社長さんでした。日本でお会いしたくても、なかなかタイミングが合わなかった蔵元さんに、台湾で会えるなんて!と運命を感じつつ、やはり台湾はそれだけ注目の市場なのか?と思いました。

私が経営している、SAKE Scene 〼福で日々レアな日本酒をご提供している中で「地元のこの酒が東京で飲めるなんて驚いた!」とおっしゃっていただくことがあります。そんなレアなお酒の一つ、秋田の千代緑も、この会場でお目にかかれました!

さらにもうひと方、日本でお会いしたくてしかたなかった、蔵元さんにもお目にかかれました。SAKE Scene 〼福でも常にご提供しているレアな日本酒、三重の森喜酒造さんの「るみ子の酒」の看板を発見! まさかこの日本酒が台湾に流通しているなんて!と目を疑っていたら、その隣に蔵元杜氏さんご本人がいらっしゃいました。まさか台湾でお会いできるとは! その心意気にますます惚れ込んでしまうのでした。

実際に会場に足を運ぶまでは、出展しているのは海外PRに予算をかけられる大規模な蔵元様の日本酒がほとんどだろうと思っていました。ところがこの私の予想は、見事に覆されました。小さいお蔵も海外進出に積極的に打って出ているんですね。頼もしいかぎりです。

台湾は台湾ビールが主流で、ワインも人気。しかし、ふつふつと日本酒への関心は高まってきています。小籠包に合わせて日本酒を楽しむ台湾人が増える未来を願っています。

※記事の情報は2018年5月23日時点のものです。
 
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