おつまみは「濃い味派」という方、必読です! 〈老けない人は何を飲んでいる? ⑱〉

食塩の摂り過ぎによる高血圧症が心配です。今は良くても、30年後あなたの体は大丈夫?

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1日の食塩摂取量の目標は、男性が8g未満、女性が7g未満

今晩は何を作ろうか、何を食べようか、お酒のおつまみをアレコレ考えるのも楽しいものですね。味が薄い、味が濃いなどおつまみの美味しさを決めるのは、塩の量です。塩加減で味が決まるといっても過言ではないでしょう。

食塩は、人間の体に不可欠です。足りなくなると疲れやすくなります。逆に、摂りすぎると血圧の上昇、高血圧の原因をつくります。
2015年の食事摂取基準では、現在の日本人が当面の目標とすべき1日の食塩摂取量は、男性が8g未満、女性が7g未満としています。この目標量を超えて食塩を摂取し続けると、高血圧症につながってしまうのです。
高血圧症は日本人に最も多い病気で、国の調査によると日本人の1/3が高血圧と言われています。高血圧は、自覚症状がないうちに血管を阻み、心不全、心筋梗塞、脳出血、脳梗塞などといった病気をひきおこす原因をつくります。日本高血圧学会による基準では、診察室血圧値で140/90mmHg、家庭血圧値で135/85mmHg以上が高血圧症とされます。

血圧は、加齢とともに上がっていくため自然な現象と言われていますが、実は、これまでどれくらい食塩を摂取してきたか、そして、今後どれくらい摂取するかによって、将来の血圧の値が決まることがわかっているのです。
あなたの30年後、どれくらいの血圧になっているのか今から知ることができたら、ちょっと塩分の摂取量に気を付けようと思いませんか?
実は将来の血圧の値がわかる、とっておきの計算式があるのです。この記事を読んだ方はラッキーですよ!

将来の血圧値を計算する方法

将来の血圧値の計算方法は、『佐々木敏の栄養データはこう読む!』(東京大学大学院教授 佐々木敏 女子栄養大学出版部)という本の中で紹介されています。
たとえば、35歳で収縮期血圧(上の血圧)126mmHg、1日の食塩摂取量が14gの食生活をずっと続けたとして、この人が30年後に収縮期血圧がどれぐらいの値になるかといいますと、計算式によると150mmHgとなり高血圧症になります。

〈計算式〉
126(現在の収縮期血圧)+0.058(定数)*×14(1日の食塩摂取量)×30(年後) ≒150mmHg

*1日あたり1gの食塩摂取で1歳年をとると0.058mmHgだけ血圧が上がるというデータに基づいています。


この計算式からも分かる通り、今現在は血圧が正常値であっても、味の濃い料理を好んでいる方は、今後高血圧症になるリスクが高いと言えるのです。
料理の美味しさを決める食塩ですが、日頃から薄味をこころがけて、健康で楽しく飲酒ライフを過ごしましょう。さっそく今晩から、食塩の摂取量を意識してみてはいかがでしょうか?

※記事の情報は2018年9月6日時点のものです。
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