春の日本酒。ピンクのラベルの競演!
日本酒と発酵フレンチのお店「SAKE Scene〼福」を経営する日本酒ラヴァー、簗塲友何里(やなば ゆかり)さん。今回はおすすめの春のお酒を紹介。
春の象徴、ピンクラベル
だんだんと暖かくなり、心も弾む春はもうすぐそこです。梅から桜へ主役が移り、新たなスタートをお祝いする機会が増える季節。私の経営するSAKE Scene〼福の冷蔵庫にも、春らしいデザインの日本酒が並び始めました。春でイメージする色は、もちろんピンク色。ウキウキするようなピンク色のラベルがたくさん発売されています。暖かくなった開放的な外で、好きなお酒を呑むのも楽しく、お祝い事で乾杯する機会も多くなります。そんな時にぴったりの、一押し春の日本酒をご紹介します。
隆(りゅう) 桜ラベル 神奈川県 川西屋酒造店
神奈川県足柄上郡に位置する、川西屋酒造店が醸すお酒。食事と合わせると更に旨味が増す純米酒です。足柄若水という米を55%まで精米した日本酒。今年から販売された桜ラベルは、表側も隆の銘柄にかかる綺麗な桜が描かれていますが、瓶の後ろ側から見ると、満開の桜が日本酒ごしに見えます。そんな素敵なラベルが貼られた日本酒は、暖かな春のように穏やかな味わい。強すぎず、しっかり足柄若水の米の旨味を感じられ、いろいろな料理に合わせたくなります。冷酒でもお燗でもおいしく頂けます。
残草蓬莱 Queeen槽場直詰生原酒 神奈川県 大矢孝酒造
再び神奈川県ですが、こちらは本厚木から車で30分程の愛甲郡にある蔵、大矢孝酒造です。蔵のそばにはとても綺麗な滝が流れ、その伏流水も酒造りに使用しています。搾った後に水を加えない原酒でありながらも、アルコール度数12%の日本酒。トランプの12がQueen、そこにさらに「いいね」の「e」を1つ加えたネーミングがユニークです。低アルコール度数に仕上げていて、バナナのような香りとラズベリーのような酸味。外で飲むのにぴったりな日本酒です。しっかりと旨味も感じつつ落ち着いた味わいとのバランスは絶妙です。日本酒を普段飲みなれない方でも、外国人の方でも皆さん美味しい!と言われる、おすすめする側としては心強い存在です。綺麗な光沢のある濃いピンクのラベルは、目を引き楽しい気分にしてくれます。
泡酒や、微発泡日本酒もおすすめ
その他にも春らしい限定日本酒はたくさん発売されます。中でもおすすめしたいのは、発泡タイプの日本酒です。軽いタッチの飲みやすい泡酒もありますし、瓶内で発酵を続けていることで微発泡感を感じる日本酒もおいしいです。こうした日本酒は乾杯にも向いていますし、外で飲むにもぴったりです。ぜひお試しくださいね。
花見でお燗酒を!
ぜひお花見に推奨したいのが、お燗酒です。実はまだまだ座っていると寒い季節。そんな中で温かい日本酒が飲めたら、たまらないですね。でも花見の会場はたいてい規制の厳しい公園など。火器や発電機も禁止の場合がほとんどです。どうすれば花見でお燗酒が飲めるのか…… 結論! オーソドックスではありますが、私は保温ポットに熱湯を入れて持って行くことが良いという答えに落ち着きました。器にお湯を入れて、熱伝導率の良いチロリに日本酒を入れて湯煎するだけ。どうにか花見でお燗を楽しめないものかと、いろいろと悩んだすえのシンプルな方法です。ぜひ花見でのお燗酒に挑戦していただき、お燗を花見の風物詩に仲間入りさせてあげてください。
※記事の情報は2019年3月13日時点のものです。