ブラジルの食卓におじゃまします!~宮本ヒルさんちの家飲み編~
生まれた国を遠く離れて日本で暮らす方たちのリアルな食卓を通して、世界各国のお酒と食文化に迫る「家飲みオリンピック」。前回はブラジルの一般的なお酒事情や食文化についてお届けしましたが、今回は宮本ヒルさんや恋人のアレサンドラさんがふだん何を飲み、どんなおつまみを食べているかをご紹介します。
「リングイッサ」はブラジルの定番おつまみ
「リングイッサ」には味のバリエーションがあるそうで、この日「お酒に合わせるなら…」と用意してくれたのはピリ辛味の「リングイッサ・カラブレーザ」。これをフライパンでこんがり焼き、スライスして、さらに玉ねぎと一緒にジュウジュウ炒めます。ちょっとだけ味見させてもらうと、じゅわっと旨味があふれて程よい辛さ。これはお酒が欲しくなる味です!
おつまみにもデザートにもなる万能芋「マンジョッカ」
ヒルさんはこの芋をフライドポテトのようにそのまま素揚げしていましたが、現地ではスープに入れたり、デンプンでクレープのようなものを作ったりもするそう。ブラジルのチーズパン「ポンデケージョ」の生地にも使われていて、あのモチモチ食感を生み出しています。
他にもいろいろ! お酒がすすむローカルフード
他にも、「パルミット」というヤシの新芽を使ったイタリア風おつまみや…
玉ねぎやニンニク、レモン汁に漬けてから揚げるブラジル風から揚げ「フランゴ・ア・パサリーリョ」
鶏肉を詰めたブラジルの冷凍コロッケ「コッシーニャ」に、豚の皮を揚げたスナック「プルルッカ」などなど…。
こちらからの質問に答えながら、次々とおつまみを作ってくれたヒルさん。さて、家飲みの準備が整ったところで、乾杯です!
ブラジルで乾杯の掛け声は「サウージ!」
ニンニクやペッパーなどが効いた濃い味付けのブラジルのおつまみ、それにジョークを交えた陽気なおしゃべりが一緒だと、いつの間にかグラスが空いてしまいキケンです…。
ブラジルの家飲みには「サウダージ」が宿っていた
「二人ともブラジルで育って、今でも日本に住む家族との会話はポルトガル語。そんなバックグラウンドや、これが食べたいと思う気持ちとか、故郷を懐かしむ気持ちを共有できる人がそばにいるって、やっぱりとても大きいんです」
そういえば取材中、ヒルさんが日本語に直訳しづらいポルトガル語として「SAUDADE(サウダージ)」という言葉があると教えてくれました。「郷愁」とか「懐かしい」とか「人恋しい」といった、繊細な気持ちを表す言葉なんだそうです。
生まれ育った国を離れて、日本で暮らす二人。同じように、その昔、様々な国から海を渡ってブラジルにやってきた多くの人たち。そんな移民1世たちの「故郷のあの料理が懐かしい」といったサウダージの想いが、多様性に満ちたブラジルの食文化を育み、世代を超えて受け継がれ、いまの「ブラジル料理」としてオリジナルのスタイルを確立していったのかも…。そんなことを思った今回の取材でした。
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また、ブラジルの食文化についてもっと深く知りたくなった方は、ぜひヒルさんが講師を務めるブラジル料理教室にも参加してみてください!
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※記事の情報は2019年7月7日時点のものです。
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