ギリシャの食卓におじゃまします!【前編】〈家飲みオリンピック①〉
オリンピック発祥の地・ギリシャでは、どんな家飲みが繰り広げられているのか? 日本にお住まいのギリシャ出身の方に取材しました。
数多くの神話や文化が生まれた国、ギリシャ
今回私たちが訪れたのは、そんなギリシャのご出身で、日本に暮らして18年になるというフラギス・アサナシオスさんのお宅。イギリスで出会ったという奥様の由美子さんと、今は茨城県内でギリシャの食材やワインを扱う「ノスティミア」という輸入会社を経営されています。
「シンポジウム」の語源は、“一緒に飲む”?
「ギリシャ人はみんなお酒が大好き。特に週末は、飲み始めるとすごく長いよ。家族や友だちと、好きなことを好きなだけ喋りながらずっとお酒を飲んでる」
さらにこんな興味深い話しも。
「『シンポジウム』という言葉あるでしょ? あれは、もともとギリシャ語が語源で、“一緒(syn)に飲む(posis)”という意味なんだ」
古代ギリシャ人たちは、ワインにあえて水を入れて、それを飲みながら頭をリラックスさせた状態で延々と討論していたといいます。その習慣が今もギリシャの人々に根付いているんですね。
ちなみにギリシャでは、日本のようにおつまみだけでお酒を飲むということはせず、あくまで食事と合わせて楽しむものなんだそう。しかも一人飲みではなく、誰かと一緒に、というのがギリシャ流なのだと話してくれました。
家ではワインかビール、ウゾはカフェで飲むもの
「家族や友人と一緒なら、やっぱりワインかビールかな。ワインでいうと、ギリシャではサバティアノという品種が一番有名。ギリシャの南のほうでよく栽培されているよ」
「あと、ウゾ(ouzo ※ウーゾとも呼ばれる)というギリシャならではのお酒もある。ただしウゾは、カフェやシーサイドで人を待っている時とかに飲むけれど、家ではあまり飲まない。飲むにしても食前酒としてだね」
筆者もその場でウゾを飲ませてもらいましたが、確かにアルコールが強くて香りもかなり特徴的なので、食事と一緒にというお酒ではないんだなと感じました。
ギリシャの食を語る上で欠かせない、オリーブオイルとフェタ
「もうひとつ、ギリシャ人の大好物として忘れてはならないのが、フェタだよ!」
フェタとは羊や山羊のミルクで作られる塩味の強いチーズで、ギリシャで作られたものしか「フェタ」と呼べないそう。
「ギリシャに暮らす姉の家でも、オリーブオイルと同じようにテーブルにはいつもフェタチーズが置いてあって、大人も子どもたちもナイフで好きなだけ切って食べる。みんなフェタが大好きなんだ」
そんなオリーブオイルやフェタチーズを使ったギリシャの家庭料理を、フラギスさんが作ってくれたのですが、それはまた【後編】で。フラギス家のリアルな家飲みスタイルをお届けします。お楽しみに!
※記事の情報は2019年4月29日時点の情報です。
▼ギリシャの家飲み拝見【後編】
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