実録! 沖縄・石垣島の家飲みではこんなおつまみを食べています
沖縄・石垣島生まれの筆者が、この夏の帰省で過ごした実家や友人宅でのリアルな「普通の家飲み」をレポート。本州とは異なる独自の食文化が根付く石垣島。おつまみも、泡盛の飲み方もローカル感満載でお届けします!
亜熱帯の太陽に恵まれてゴーヤやナーベラー(ヘチマ)などの島野菜、南国フルーツがすくすくと育ち、近海ではほぼ1年を通して新鮮なマグロやカツオが獲れます。また、島豆腐と呼ばれる沖縄風の大きな豆腐や泡盛も島内で造られており、本州とは異なる独自の食文化が根付いています。
今回はそんな石垣島での家飲みはどんな感じなのか、一例をご紹介させてください。
【家飲みin石垣島 シーン①】親しい友人との気軽な飲み会
いわゆる「普通の島の家飲み」をしたことがないなぁと思いつき、地元に住む友人夫妻に場を設けてもらいました。
泡「おもてなし、ではなくて本当に普通に誰かがちょっと家に飲みに来た時の食卓が見たいのでお願いします」
友「改めて言われるとなんか緊張するけど、やってみる。いつも食べてるものでいいんでしょ?」
泡「そうそう! 酒と刺身は買っていくからね〜」
という流れで完成したのが冒頭の写真のような食卓です。
それでは1品ずつご説明をば。
沖縄・石垣島のおつまみ1「刺身」
普段の食卓にもよく登場しますが、飲み会となればことさら欠かすことのできない存在なのです。
スーパーの鮮魚コーナーでも買えますが、島の人は「さしみ屋」と呼ばれる専門店で買うことが多いよう。「さしみ屋」は主に漁師の奥さんや家族が営み、午前中に揚がった魚をさばいた刺身や沖縄風の天ぷらを売っています。
それぞれの家庭にご贔屓があり、「今日はマグロ食べたいからあそこのさしみ屋に行こう」「天ぷらはあの店のじゃないと」などという会話もおなじみのものなのです。
この日も私がお気に入りのさしみ屋で美味しいマグロを仕入れるつもりがうっかり予約を忘れてしまい、家飲み会の前に売り切れてしまっていました。そこで友人の夫君が「じゃあ俺の行きつけのところで買ってくるよ」と、颯爽とマグロとイカを調達してくれたのです。ご贔屓店が違っていて助かった〜。
沖縄・石垣島のおつまみ2「天ぷら」
ネタは白身魚とイカが2トップ。さしみ屋では「魚(またはイカ)だけ」か「(魚とイカの)ミックス」かを選び、300円分、500円分などとざっくり買うのがだいたいのパターンです。スーパーの惣菜コーナーでは1本から買うことができますよ。
もちろん家庭で揚げることもありますが、面倒なので家飲みのおつまみには買ってくるのがおすすめ。天つゆや塩を用意する必要がないのも気軽でいいんですよね〜。
沖縄・石垣島のおつまみ3「チャンプルー」
泡「あるある〜。旬にはあちこちから同じ野菜が大量に届くよね〜」
島に帰省すると、農家や趣味で畑をしている人から野菜をいただく機会が多いのに驚きます。玄関にごんぎつねよろしくわさっとゴーヤが置かれていたり。とってもありがたい〜。作物を育てていない私たちは折を見てお菓子やお酒でお返しをするという物々交換システムが自然と残っていて、そのことに嬉しさを感じます。
で、島の家飲みではそんな「家にある野菜」を使った一品はどこの家庭でもおなじみだと思います。エンサイ(空芯菜)のチャンプルー、シブイ(冬瓜)の煮物、モーイ(赤ウリ)の酢の物や和え物などが定番かな。
ゴーヤチャンプルーに使う肉もその日の台所事情次第。我が家では豚バラ肉の薄切りを使うことが多いのですが、この日の友人作はコンビーフハッシュを合わせてありました。どっちもうまい。
沖縄・石垣島のおつまみ4「島豆腐」
ほんのりとした塩気があって、そのまま食べても美味しい! それをさらに酒飲み仕様にチェンジしちゃいます。
石垣島の名居酒屋『酒肴屋 迷亭』で食べたものをアレンジというか真似っこ。島豆腐の上に、島で造られている塩辛と食べるラー油、青ネギを散らすだけ。これが抜群のマッチング。
ほかにおすすめの島豆腐の食べ方としては、パクチーやネギをのせ、刻みショウガ&ニンニクで香りをつけた胡麻油を熱したものをジュッとかける香味豆腐があります。
大豆の風味がしっかりとしている島豆腐だから、パンチのある薬味にも負けない存在感を発揮してくれますよ。
家飲みの名脇役「シークヮーサー」
泡盛に搾ったり、揚げ物や焼き物にレモンのようにかけたり、刺身を食べるときに醤油と合わせたりと大活躍してくれます。
私はこれが大好きで、家飲みの際はこのようにカットしたものを手元に置いて上記のように使いまくっています。ビタミンを含むためか、シークヮーサーを搾った泡盛はどれだけ飲んでも二日酔いしないように思います。当社比ですが。
友「島のおつまみ勢揃いって感じだね。みんな島人の好物。家族だけだとこの中からあるものを並べる感じだけど、これはちょうどいい感じの飲み会になったね〜」
泡「本当だね。これに旬のときは島らっきょうの塩漬けとかも並ぶ感じかな。子供の頃はお父さんが食べてるのつまみ食いして『辛—い』ってなったけど今は好物だわ」
オリオンビールや発泡酒で乾杯した後はやっぱり泡盛。島では3:7くらいの水割りで飲むのが王道です。
以上、石垣島のとある家飲み風景をお伝えしました。
どれも地元のスーパー(&さしみ屋)で手にはいるものばかりなので、石垣島へ旅行に来られた際はホテルのお部屋でこんな家飲みごっこをしてみるのはいかがでしょうか。
【家飲みin石垣島 シーン②】親戚が集まる飲み会
島で人寄せをする時の定番として活用されているのが「オードブル」。仕出しほどかしこまらず、惣菜店やスーパー、飲食店で買ってくるのがおなじみです。我が家では前述の居酒屋『迷亭』にオーダーすることが多いですね。
揚げ物や煮物など、家庭で品数を揃えようとしたら大変なことになるので、このシステムはとても重宝しています。
そしてやはり刺身は必ず用意しますね〜。
以前は普通に盛り付けていたのだけど、人数が多いとけっこうな量を用意しても話に夢中で食べ余してしまうことがあり、最近はちらし寿司にしてお出ししています。
これなら老若男女問わず食べてもらえるし、お腹もふくれて一石二鳥。炒り玉子やキュウリでカサ増しできるのも経済的です。あとは例のご近所から回ってきた「家にある野菜」で作った煮物などと子供用のメニューなどを揃えればOK。
これはあくまで小規模な我が家の親戚宴会。もっと人数の多い家庭だと、さらに盛大な宴会をもつことも多々だといいます。今後機会があればそのような席も取材してみたいと思います。
秋風涼しくなる時期ですが、もう一度夏気分を味わってみたい方は石垣島の家飲みからピックアップしてご家庭で再現してみてくださいませ〜。
※記事の情報は2019年9月21日時点のものです。
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