酒米の三大品種とオススメ日本酒のご紹介!
収穫の秋。日本酒造りに欠かせない「酒米」もたわわに実る季節がやってきました。今回は日本酒と発酵フレンチのお店「SAKE Scene〼福」を経営する日本酒ラヴァー、簗塲友何里(やなば ゆかり)さんによる、酒米三大品種の解説とオススメ日本酒をお送りします。
日本酒の醸造に適した「酒米」とは?
酒米の正式名称は「酒造好適米」
酒米が酒造りに向いているわけ
日本酒を造る際には玄米をある程度削りますが、酒米は食用米に比べて米粒自体が大きいので、削る際にも砕けにくく雑味が少なくなります。さらに吸水率、保水率が高いため、米の内側に水分を含みやすいというのも特徴です。
酒米の説明をざっくりとしましたが、実は酒米は100種類以上もあります。その中でも代表的な3つの品種をご紹介しましょう。
代表的な酒米の種類① 山田錦(やまだにしき)
山田錦は、繊細なまろやかな奥深い豊醇な味わいに仕上がります。高精米の日本酒が多い、鑑評会用の出品酒にも多くの蔵が使用します。また、山田錦は熟成にも向いています。
おすすめの山田錦の日本酒は、神奈川県の川西屋酒造店の「隆(りゅう)純米大吟醸」です。阿波山田錦を100%使用し、なめらかな旨味と芳醇な優しい香り、綺麗ながらも印象に残る美しい日本酒です。
代表的な酒米の種類② 雄町(おまち)
岡山県が代表的な生産地です。栽培地域によって「備前雄町」や「赤磐雄町」というブランドもあります。味わいは濃醇で旨味があり、まろやかで華やかな存在感を感じます。
私のおすすめは、山梨県の笹一酒造の「旦(だん)山廃純米吟醸 備前雄町」です。出来たては旨味を感じる華やかでジューシーな味わいですが、熟成するとカスタードクリームのようなコクを感じ、お燗をするとより奥行きとまろやかさが出てきます。
代表的な酒米の種類③ 五百万石(ごひゃくまんごく)
ちょっとコクがある日本酒が好きな私のおすすめは、島根県の旭日酒造の「十旭日(じゅうじあさひ) 純米酒ひやおろし」です。辛口ながらも旨味を感じる純米酒で、夏を越して秋に出荷される「ひやおろし」のため、すっきりとした味わいに旨味と柔らかい滑らかさが生まれて、お食事にも良く合います。イチョウのラベルが可愛い、季節限定の日本酒です。
好きな酒米を見つけてみましょう
私の経営する日本酒と発酵フレンチのお店「SAKE Scene〼福」では、同じ蔵の米違いの飲み比べができるよう、限られた蔵の銘柄違いで日本酒を揃えています。ぜひ味わってみて、好きな酒米を探してみてくださいね。
【この記事でご紹介した蔵元】
■神奈川県・川西屋酒造店
■山梨県・笹一酒造
■島根県・旭日酒造
※記事の情報は2019年10月16日時点のものです
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