食前酒の代表格「ベルモット」ってどんなお酒? お家で作れるカクテルレシピもご紹介
マティーニやマンハッタンといった世界的にも認知度が高い王道カクテルに使われる「ベルモット」。名前を聞いたことはあってもどんなお酒なのか知らない方も多いのではないでしょうか。今回はベルモットの基本的な特徴と、お家でも簡単につくれる絶品カクテルのレシピ5種類をご紹介します。
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ベルモットとは?
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フランスやイタリアを中心に世界中で親しまれています。使われるハーブやスパイスはコリアンダーやナツメグ、ニガヨモギなどさまざま。
■シェリーとの違いは?
ベルモットは世界三大酒精強化ワインのひとつである「シェリー」と間違われることもありますが、シェリーは醸造過程でブランデーなどの蒸留酒を添加してアルコール度数を上げる製法です。ベルモットは白ワインにスパイスやハーブを漬け込むのがベースで蒸留酒を添加しないので、製法に大きな違いがあります。
ベルモットの種類と特徴
スイートベルモットはロッソ(赤)とビアンコ(白)の2種類。ロッソは甘みと苦味の主張がしっかりありますが、ビアンコは甘みや苦味が穏やかなので、親しみやすい味わいに仕上がっています。
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ソムリエ吉川
シェリーをベースにしている珍しいタイプのベルモットで、数種類のボタニカルをブレンドしています。香りが強く、芳醇なアロマがしっかりと感じられるのが特徴。
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ソムリエ吉川
苦味と甘味のバランスが良く、夏の暑い時期はロックやソーダ割りが人気。このあと紹介する「アメリカーノ」や「ネグローニ」といったカクテルとの相性も良く、バーテンダー御用達の一本です。
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ソムリエ吉川
チンザノのオレンジバージョン。白ワインをベースにしていて、オレンジの天然フレーバーを加えています。見た目も華やかで、パーティーシーンにも喜ばれる一本です。
ベルモットのおいしい飲み方は?
少し飲みにくさを感じるようであれば、ドライベルモットにはレモン、スイートベルモットにはオレンジを添えると柑橘類の爽やかさが増してより飲みやすくなります。
ベルモットを使ったカクテルレシピ
カクテルの王様と言われる「マティーニ」のレシピはこちらの記事で紹介しているので、今回はマティーニ以外のカクテルをご紹介します。
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ベルモットカクテル①|ベルモットリッキー
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材料
- ドライベルモット 45ml
- 炭酸水 90ml
- カットレモン 1個
作り方
- タンブラーグラスに氷を詰める。
- ドライベルモットを入れて軽くステアした後、炭酸を静かに注ぐ。
- 炭酸が抜けないように、バースプーンで氷を軽く持ち上げて混ぜる。
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ソムリエ吉川
シンプルですっきりとした味わいのベルモットリッキーは、食前酒にはもちろん、料理の邪魔をしないので食中酒にもピッタリです。炭酸をトニックウォーターに変えるとベルモットトニックに。レモンの他、オレンジやライムでも◎。
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材料
- ドライベルモット 15ml
- ドライ・シェリー 45ml
- オレンジビターズ 1ダッシュ
作り方
- ミキシンググラスに氷を入れ、バースプーンでステアしてミキシンググラスを冷やしておく。
- ドライ・シェリーとドライベルモット、オレンジビターズを分量通り入れ、ステアする。
- しっかりと冷えたら、カクテルグラスに液体を注ぐ。
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ソムリエ吉川
酒精強化ワインであるシェリーを使うカクテル。明治時代に横浜ニューグランドホテルのチーフバーテンダーが考案したと言われています。日本生まれのカクテルで、竹のようにまっすぐでクセがない味わいであることからこの名前がつけられました。さっぱりした味わいで、食前酒にぴったりです。
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材料
- ドライ・ジン 30ml
- カンパリ 30ml
- スイートベルモット 30ml
作り方
- ロックグラスに氷を入れて、バースプーンでステアしてグラスを冷やす。
- 材料を入れ、軽くステアする。
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ソムリエ吉川
ステアしてグラスを冷やした後は、材料を入れる前にグラスを傾けて溶けた水を流せば味が薄まりません。スライスオレンジやカットレモンを搾って入れると爽やかさが増します。バーによってはカンパリではなく「マルティーニビター」を使う場合も。
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材料
- スイートベルモット 30ml
- カンパリ 30ml
- 炭酸水 適量
作り方
- タンブラーグラスに氷を入れ、ステアしてグラスを冷やす。
- 材料を分量通りに入れ、炭酸は好みによって量を調節する。
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ソムリエ吉川
仕上げにレモンピールを搾ったりオレンジを飾るのがおすすめです。炭酸を入れずに仕上げるバーもあるのでそこはお好みで。あっさりとした味わいで、カンパリ独特のほろ苦い後味がクセになるカクテルです。
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ベルモットは食前酒、または食中酒として世界中で親しまれているお酒です。カクテルや飲み方も多様にあるので、ご自分にあったベストの飲み方を追求するのも面白いでしょう。
また、ベルモットはカクテルだけでなく、ソースやドレッシングにアレンジとして加えると香りが立って上品な料理にグレードアップします。用途の汎用性は高いので、冷蔵庫に一本いれておくのもいいかもしれませんね。
※記事の情報は2021年2月25日時点のものです。
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ソムリエ吉川
シンプルかつドライな仕上がりの王道ドライベルモット。価格もリーズナブルでスイートベルモットのロッソやオランチョとセットで用意するのがおすすめです。