ワインだけじゃない! 今注目の国「ジョージア」は、お酒好きが歓喜する立ち飲み天国だった!
ワイン発祥国として知られ、次に行きたい海外旅先としても注目を集めるジョージア。実はワインに限らず、醸造したての生ビールや独自の蒸留酒が街角で気軽に楽しめる“立ち飲み天国”でもあるんです! そんなジョージアのお酒事情を現地からレポートします。
ビールにチャチャ、もちろんワインも! お酒好きに推したい国「ジョージア」
しかもその治安の良さや物価の安さ、食文化の豊かさに魅了され、旅で終わらずそのまま暮らし続ける日本のノマドワーカーも急増しているそう。
そんなジョージアは、ワイン以外にも出来立ての生ビールが街中で飲めたり、「チャチャ」というジョージア独自の蒸留酒で地元の人と乾杯できたり、お酒好きにとってもたまらない国。しかも立ち飲みスポット多め! 実際にジョージアを訪れた筆者の体験をレポートします。
ジョージアのお酒事情①|街中の醸造所や市場で飲める生ビールがウマイ! 安い!
ジョージアの首都・トビリシの街中にはカズベキビールの醸造工場があり、そこに併設して立ち飲みスペースが。
こんな風に建物に小さな窓がたくさん並んでいて、ここから出来立ての生ビールをカップやペットボトルの量り売りで購入できます。
ジョージアにはビールに限らず、後ほど登場するチャチャやワインも再利用したペットボトルに詰めて売り買いする習慣があります。
小窓をのぞくとお兄さんがいて、上から伸びたチューブを器用に操り、ビールを注いでくれました。
大きめのプラスチックカップ1杯で1.3ラリ(≒72円程)。感動するほどの安さです。飲んでみると、生ビールらしい柔らかな口当たりですが、ホップの爽やかさや麦の風味もしっかりあって、“工場併設”の新鮮さを感じます。
筆者が訪れたのは11月下旬の午前中だったので、小窓も1つしか開いておらず少々寒々しい感じがしましたが、真夏ともなれば片手にビールをもった地元の人たちで大いに賑わうことでしょう。
醸造工場だけではありません。トビリシでは、市場でも生ビールの立ち飲みが楽しめます。ここはトビリシっ子の台所「Dezerter Bazaar(デゼルテル・バザール)」。野菜や果物、スパイス、ナッツなどを売る店がところ狭しと並びます。
この市場の一角にキオスクのような売店があり、ここで生ビールが買えるのです。
「生ビールが飲みたい」と店主に伝えると、ここでも生樽につながったチューブからペットボトルにビールを注入。
どこのビールメーカーのものかは不明ですが、500mlで2.2ラリ(≒121円)とこちらも安っ! スナックを付けても3ラリ(≒165円)でした。
せっかくなので、同じタイミングでビールを買いに来た市場のおじさんと乾杯! ちなみにジョージア語で乾杯は「ガウマルジョス」と言います。
醸造工場で飲んだビールより酸味が強く、ほとんどアルコールを感じないくらいライトな口当たり。ごくごく飲めます。ジョージアでは、ビールはお酒とみなされておらず、お茶代わりに飲むとも聞いたことがあるので、このくらいが好まれるのかもしれません。
ジョージアのお酒事情②|“チャチャで角打ち”が働く男たちのアフター4
このチャチャの立ち飲み屋も、先述の「Dezerter Bazaar(デゼルテル・バザール)」内にあります。時刻は午後4時。ちょうど一日の仕事を終えた市場の男たちが、チャチャ屋で角打ちをやり始めたところでした。
珍しそうに見ていると、市場のおじさんが一杯ごちそうしてくれました。おそらく1ショット1ラリ(≒55円)くらいだと思います。
「一気に飲み干して、レモンを齧るのがオレ流さ」とおじさん。「ガウマルジョス!」
チャチャのアルコール度数は40~50度。口に入れたとたんに蒸発し、ブドウの微かな香りが鼻から抜けていきました。
ひとしきり飲んだ後は、ボードゲームに興じるのが市場の男たちのアフター4。こういう風景に出会うと、どこの国でも労働のそばに強いお酒があるものだなと思います。
チャチャは寒いときに体を温めるものとしても重宝されています。ここは首都・トビリシから車で約3時間の場所にある、「ステパンツミンダ」という山岳リゾート地。
その道中の峠には、このような露店がポツポツとあります。
クイッと一気に飲み干すと、カーッと体が熱くなって気分も高揚。ジョージアの人々にとって、チャチャは冬の寒さをしのぐのに欠かせないものでもあるようです。
ジョージアのお酒事情③|小規模ワイナリーのマラニで素朴なワインが味わえる
ジョージアワインの一大産地として知られるカヘティ地方には、観光客を迎える設備の整った大規模なワイナリーもたくさんありますが、質の良いワインを造る小規模ワイナリーも多数点在しています。しかも予約なしでふらりと立ち寄っても、マラニ(クヴェヴリを埋めたセラー)を見せてくれることも。
訪れたのはブドウ畑にポツンと佇む「Antadze Winery(アンターゼ ワイナリー)」。ワイナリーというより小屋といった感じです。
マラニの中に入ると、ジョージアワインの伝統製法に欠かせない「クヴェヴリ」という甕が地面に埋めてありました。この甕にブドウを入れてアルコール発酵させ、ワインを醸造するのです。
できたワインはステンレスタンクに貯蔵され、このように瓶詰めされます。
そして、もちろんテイスティング用ワインもタンクから直接グラスに注がれます。
きれいなアンバーワインは、フレッシュでやや酸味強めでしたが、その酸っぱさがすっと体に沁み込むような素朴な味わい。ブドウが育った場所でワインを造り、ワインが造られた場所で飲むというのは、現地ではごく自然な営みですが、私たち日本人にはなかなか得がたい経験です。
ちなみに、このワイナリーでは2本ワインを買って50ラリ(≒2750円)。やはり安い! 家族経営の小規模ワイナリーなのでラベルなども貼ってありませんでしたが、ここでの思い出がボトルに刻まれているので良しとします。
ワイナリーまで足を運べない場合でもご安心を。トビリシの街では小さな商店の軒先に、このように自家製ワインがペットボトルに詰められて売られています。
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お酒を愛する方々にジョージア行きをおすすめする理由、お分かりいただけたでしょうか。
お酒は最強のコミュニケーションツールです。今流行りのレストランに行くのも楽しいですが、勇気をもって地元の立ち飲み屋に入っていけば、現地の人達の飾らない姿や日常の暮しぶりに触れることができます。
ぜひ、ジョージアの街角で地元の人たちと「ガウマルジョス(乾杯!)」と声をかけあってみてください!
※記事の情報は2023年12月22日時点のものです。
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