2018年注目のお酒はこれ。バイヤーが独断と偏見で選ぶトレンド予想5選!
名古屋の酒問屋イズミックの青田が、いま注目のお酒の情報をバイヤー目線でお届けします! 今回は2018年にトレンドになるかもしれないお酒をバイヤー青田が独断と偏見で大予想。今年飲みたいお酒とは?
ちょっと遅くなりましたが今年最初のバイヤーズレポートはただただ私が飲みたいだけかもしれないお酒のトレンド予想5選をお届けします。
1. ウォッカ
そんなワールドカップ観戦をさらに楽しむため、開催国ロシアの雰囲気をちょっとだけでも味わいたいもの。そうなるとお供に飲みたいのはやっぱりウォッカではないでしょうか?というわけで今年のトレンド予想、まず一つ目はウォッカです。できれば「ストリチナヤ」のようなロシアのウォッカといきたいところですが、あまり取り扱っているお店も多くないと思いますので、アブソルートでもスミノフでもズブロッカでも、細かいことは気にせずもうウォッカなら何でも来いです。冷凍庫に放り込んでおいたウォッカをストレートでぐいっといきたいところですが、試合が終わる前にこちらが終わってしまいそうなので、トニックで適当に割って飲む、なんて飲み方がおすすめかと。カクテル作るのも何かと面倒なので、これくらいざっくりな飲み方のほうが気軽でいいでしょう。というわけでウォッカトニックでサッカー観戦、そんな家飲み、あると思います。
2. フレーバービール
先ほどとは打って変わってまじめなお話、2018年の4月に酒税法が改正されビールの定義が変わります。巷ではビール類の増税の話と混同されがちですが、今回の改正はビール定義の見直しでとなります。今までは日本の酒税法上のビールは、麦芽比率67%が以上で、主原料であるモルト、ホップの副原料として、麦、米、トウモロコシ、ジャガイモ、デンプンなどの使用に限定されたものでした。なのでそれ以外の副原料を使用した場合は、たとえ麦芽比率が67%以上であっても酒税法上の扱いは“発泡酒”となります。ちなみに麦芽比率67%以上の場合の税率は、“発泡酒”の表記でも“ビール”と同じです。そんなわけで果汁の入ったフルーツビールやベルジャンホワイトのようにコリアンダーやオレンジピールなどの香味料を使用したものなどは、海外ではビールの扱いですが、日本国内では発泡酒の扱いとなってしまい、税率はビールといっしょなのにイメージはなんかダウンしてしまっている感がありました。それが今回の酒税法改正で、その他の副原料も認められるため、赤味噌を副原料に使ってもビールの表記ができるようになるわけです。このことで酒税法上のビールとして製造できるものの幅が大きく広がってくるので、今までこの理由で副原料を敬遠していたブルワリーからも新しい商品が開発されることが期待されます。
そんなわけで今年の4月以降は各メーカーから様々な副原料を使用した新しいレシピのビールが続々発売され、夏頃には個性的なビールがいろいろと家飲みで楽しめるようになっているのではないかと、いまからわくわくしている次第です。さらなる個性派ビールの波、あると思います。
珍しくちょっとだけまじめな記事になってしまったので、お次は少しライトなもので。
3. プレミアムテキーラ
数年前からハリウッドセレブの間で最高級テキーラ“パトロン”が流行っていると巷では噂でしたが、日本にその流行の波が来ることがないまま2018年、今年こそはきっと来る、そう信じて選びました。理由は単純で私がテキーラ好きだから。私の中のイメージではテキーラってなんか艶があるっていうか、エロいお酒なんですね。だから選びました。以上です……では納得いかないと思いますので、まずはプレミアムテキーラのご説明から。テキーラというとショットでウェーイみたいなイメージでちょっと敬遠される方も多いんじゃないでしょうか。私はこの飲み方はそれはそれで大好きですが、だいたい記憶なくしてます。それはさておき、プレミアムテキーラには特に明確な定義があるわけではないのですが、主原料であるアガベに他の原料を混ぜて造った“ミクストテキーラ”に対し、アガベ100%で造ったテキーラのことを“プレミアムテキーラ”と呼んでいるのが一般的です。アガベ100%のテキーラの中でも2ヶ月~1年未満の樽熟成をさせた「レポサド」、1年以上樽熟成させた「アネホ」は味わいが深いので、前述のウェーイ的な飲み方ではなく、じっくりと味わって飲むのが一般的。これがまた、たまらなくエロいのです。というわけで、なんか艶っぽくていいじゃないですかってことで今年は家飲みでまったりテキーラ、あると思います。ぜひそのエロスの世界にはまってみてください。
4. クラフトウイスキー
ここ数年のウイスキーブームも収束することなく、未だ大手メーカーの国産ウイスキーの品薄状態が続いているのですが、静岡のガイアフロー静岡蒸溜所や北海道の厚岸蒸溜所など新進気鋭のクラフト的な蒸溜所の出現や木内酒造や宮下酒造のような蔵元のウイスキー製造参入など、クラフトウイスキーにも注目が集まっています。
またアメリカでも量産によって蒸溜設備の価格が下がり、小規模な蒸溜所がぼこぼこ設立されているようで、この流れは日本にも確実に影響してきそうです。そして熟成に最低3年はかかると言われるウイスキーですが、アメリカでの蒸溜所新設ラッシュからそろそろ熟成の期間が経とうとしているところ、今年あたりから製品が日本にもいろいろと入ってくることが予想されます。
国内メーカーの原酒不足が懸念される中、個性溢れるクラフトウイスキーが市場に出回ってくるのは歓迎したいところ。クラフトウイスキー、あると思います。
5. 燗して旨い日本酒
ここのところの日本酒の大きなトレンドと言えば、無濾過生原酒、通称“ムナゲ”でしたが、1,2年前から生もと、山廃などの味わいのどっしりしたお酒や、古酒のような少し癖のあるお酒を取り扱う料飲店さんもかなりに増えてきているように感じます。このトレンドの流れは料理とのマリアージュを楽しみたいという方々や、より自然な造りの日本酒が飲みたいという自然派志向の方々が増えたことが理由、だとも思うのですが、フルーティーで飲み口の良い「ムナゲ」をきっかけに日本酒ラバーになった方々の経験値が増えた結果、より個性的なものを求めて好みが多様化してきた結果かなと思います。
そこで今年ぜひ飲んでほしいのは、原点回帰で日本酒の真髄、だと私が個人的に思っている“燗酒”です。というか私が燗酒が好きなだけです、夏でも平気で燗を頼んでしまうくらいに。
日本酒っておそらく世界では他に類を見ない、いろんな温度帯で楽しめるお酒だと思うのです。冷やして飲んであんまり好みじゃないかもって思ってても、燗したら結構いけちゃう、みたいなことがあるのも日本酒の魅力だと思うのです。この酒は燗しちゃいけない、とか難しいことは無視して好きなお酒を温め方や温度とかいろいろと工夫して自分好みのものを発見していただければ、また新たな日本酒の魅力に触れてもらえるのではないかと思います。
そんなわけで今年はそんな燗酒の魅力にどっぷりはまっていただきたい、ということでこのコラムの中でもちょこちょこご紹介していきます。
と、最後はやっぱり完全に飲みたいだけになってしまいましたが、ぜひ参考にしていただき、いつもの家飲みをより楽しんでいただければと思います。
また今年もバイヤーズレポートで新しい商品をどしどしレポートしていきますので、ぜひご愛読ください。
※記事の情報は2018年1月22日時点のものです。
- 1現在のページ