【バイヤーズレポート出張編】挑戦する酒蔵、岡山・宮下酒造へ行ってきた。(前編)
名古屋の酒問屋イズミックの青田が、いま注目のお酒の情報をバイヤー目線でお届けします! 今回は岡山出張編、日本酒「極聖(きわみひじり)」の醸造元、宮下酒造が密かにウイスキーを造っているという噂を聞きつけ、営業担当の林さんにお話を伺ってきました。
挑戦する蔵元「宮下酒造」
というわけで早速、蔵を見学させていただきます。
全国新酒鑑評会7年連続金賞受賞「極聖」
—— 7年連続で金賞を受賞していると伺いましたが、何か秘訣はありますか。
岡﨑 毎年同じようにやっているようで、常にマイナーチェンジは心がけています。大きく造り方を変えることはないのですが、新しい手法や機材を取り入れたり、新しい原料を試したり、少しずつブラッシュアップしてます。現状に満足することなく、常に新しいことに挑戦している結果でしょうか。
—— 原料についてこだわっているところは。
岡﨑 岡山県産の雄町を主に使用しています。鑑評会への出品酒は兵庫の山田錦を使いますが、それ以外のものについては地元、岡山のものを使うようにしていますね。
—— 目指す酒造りは。
岡﨑 これは日本酒もビールも同様なんですが、香りも味も主張しすぎず、きれいなお酒ですね、食事に寄り添うような。
たしかに香りがほんのり華やかで、口当たりの良いお酒のイメージがあります。では、この味の秘密を探るべく、蔵見学といきましょう。
この攻めの姿勢が宮下酒造の酒造りの一番の特徴かもしれません。
個性あふれるクラフトビール「独歩ビール」
独歩ビールは1995年、中国地方初のクラフトブルワリーとして醸造を開始、ドイツ人ブラウマイスターのウォルフガング・ライアール氏の技術指導のもと、 ドイツ製の醸造プラントを導入して、伝統的なドイツビールを徹底研究してできたビールです。
それでは工場へ。
ここでもやはり挑戦していくという姿勢にただただ感服です。
と、ひととおり工場を見せていただいたところで「せっかくじゃけえ飲んでいきられー」と林さんがおっしゃるので、お言葉に甘え、昨年できたばかりの工場併設の施設「独歩館」の中にあるレストラン「酒星之燿」にて試飲させていただくことに。時間は11時、昼の早いうちからビールをいただけるなんで幸せです。あ、あくまで試飲です、仕事ですよ。
というわけで飲み比べセットをいただきます。
まずはヴァイツェンからいきます。バナナのようなフルーティーな香りが特徴的で、味わいもほんのり甘さの残る、すっきりとした飲みやすいビールです。1杯目にちょうどいいです。
次はピルスナーにいきます。こちらは正統派のピルスナー、苦味とモルトの旨みのバランスが非常によく、飽きが来ないので何杯でも飲めそうです。
最後はデュンケル。色的にずっしり系かと思ったのですが、想像していたよりかはライトな口当たり、それでもモルトの香ばしさを感じるほどよい厚み。苦味もマイルドなので、じっくりと飲みたい1杯です。
3種ともに伝統的なドイツビールのスタイルを忠実に守りつつ、独歩らしいエッセンスをプラスした、そんな味わいに仕上がっていると思います。美味しくいただきました、ごちそうさまです。
と、美味しいビールをいただいたところで、いよいよ林さんにウイスキー製造についてお聞きします。が、そのレポートについては大人の都合でまた次回。というわけで次回、いよいよウイスキー造りに迫ります。お楽しみに。
※記事の情報は2018年2月5日時点の情報です。
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