今年も開催、秩父ウイスキー祭り
ウイスキーの人気が高まるとともに参加者が増え、近年は大盛況のイベントになった「秩父ウイスキー祭」は、今年は2月17日に開催されます。今回は昨年の様子をご紹介します。参加される方は予習のつもりでお読みください。
秩父の町が盛り上がる
ここでウイスキー祭が開催されるようになったのは4年前の2014年でした。埼玉からウイスキーを発信しようと、地元埼玉のバーテンダーや洋酒専門店の有志が実行委員会を結成して、秩父市の中心部にある秩父神社を会場に始めました。初回の参加者は700~800人でしたが、口コミで広がり2年目には1300人、3年目には3000人を超えます。ここまで利用者が増えると、鉄道会社は東京から秩父まで特別列車を走らせるようになり、商店街など地元に応援の輪が広がり、地域をあげての催しという色彩が強くなっていきます。参加者が急増したことでオペレーションが混乱した年もありましたが、受付や会場への誘導を明確に指示するようにし、参加者を複数の会場に分散させるなど円滑な運営に工夫を凝らしています。
開催時期はまだまだ冷え込みの厳しい2月下旬の日曜日です。現在、秩父市の人口は約64,000人ですが、秩父夜祭のような大きな催し時以外は町を歩く人の姿はまばらです。山や川での遊びが盛んな夏場はともかく、冬の秩父は閑散としていました。ウイスキー祭が開かれるようになって様子が変わり、地元の商店の方は「2月にこんなに人が来るなんて信じられません」と口を揃えます。
神社の境内や周辺の広場にはさまざまな模擬店が出ていました。ウイスキーに合う食事やおつまみを販売する店の多くは地元の料飲店です。前日から秩父にやってきて宿泊する方も多く、前夜祭からにぎやかです。
イチローズモルトと秩父
新興の蒸溜所が多数出展
飲み比べてわかるウイスキーづくりの蓄積
また、ハイボールのようにウイスキーをおいしく飲ませるレシピを開発し、ユーザーの裾野を広げる仕事は大手メーカーならではのものです。イベントでも需要開発でも、ウイスキーの発展には彼らが果たす役割が極めて大きいのです。そんな見方で大手メーカーのウイスキーを楽しんでみるのもよいのではないでしょうか。
最後にこのイベントでは試飲したウイスキーを吐き出すための器はありません。すべて飲むことになるので、飲みすぎにはご注意ください。試飲しながらたくさん水を飲む、多いと思ったら飲み干さないで大きなプラコップにまとめて後で流す、ゆっくり時間をかけて試飲するなど、上手に楽しまれますよう。
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