おいしい「非常食」で家飲み! せっかく備蓄するなら飲めるヤツにしよう
災害時に活躍してくれる「非常食」。味よりも日持ちや栄養……という時代ははるか昔の話。今は日常的に食べたいほどおいしくなっています。ならばぜひ確かめたい!ということで、イエノミスタイル編集部で、おいしい非常食をおつまみに家飲みしてみました。
非常食のおいしい進化
さて、現在膨大な種類のある非常食。あてどもない旅に出るのもなんなので、今回は防災グッズを扱う「相日防災株式会社」の峯尾さんに非常食の現状やおススメについてお聞きしました。
――このところ、非常食が進化していると聞きましたが
峯尾:そうなんです。東日本大震災以降、防災への意識が高まり、防災グッズや非常食の販売数も増えています。つまり、メーカーさんにとって非常食が“作れば売れる”商品になったわけです。そこで、各社がお金をかけて開発するようになり、製法や味も進化しています。最近は非常時だけでなく、アウトドアや登山などに持っていく方も多いようです。各社とも、おいしいものを出していますよ。
―――せっかくストックするなら、おいしいもののほうが良いですよね。
峯尾:そうですね。最近では数年ごとにストックした非常食を食べて新しいものを追加していく「ローリングストック」という方法も推奨されています。災害時においしいもの、普段食べているのと同じようなものが食べられるとホッとしますよね。色々食べてみて、自分の好みにあったものを選ぶことは大切だと思います。
新しい商品の食べ比べをする機会も多いという峯尾さんに、「おつまみにも良さそう」という目線でいくつかおススメを教えてもらい、さっそく購入して、編集部の非常食家飲みを開催! これを機会に色々食べてみて、抜群の非常食をストックしたいものです。
ちなみに、お値段は相日防災株式会社さんの通販サイト「防災館」のものです。
おつまみにバッチリな総菜系のおいしい非常食
まずは、そのまんま「おつまみ」なお惣菜を実食。峯尾さんによると、最近はお惣菜系の非常食が増えてきているといいます。従来は、炭水化物がメインだった非常食が、ご飯とおかずを組み合わせて食べる日常的な食事のスタイルに近づいているそうです。
おかずということはおつまみにもぴったりに違いない!と期待も膨らみます。LIFE食品の「おいしい非常食シリーズ」から3品をチョイス! 6年も保存できるロングライフフーズです。
おいしい非常食 LLF食品 おでん125g 500円(税抜)
トップバッターは、日本酒のお供にぴったりな、おでん。常温保存ができ、あけてそのまま食べられます。熱湯で5分くらい湯せんするとさらに美味しく食べられるそうですが、今回は非常時と同じようにそのまま温めずに食べてみました。
ラインナップはちくわ、さつまあげ、こんにゃく、たまご、という定番の具。ちくわなど練り物系はちょっとやわらかめです。味付けは、保存のためか、若干塩分強め。こんにゃくや卵は、よく味がしみていて、安定のおつまみ感。編集部の面々にも好評でした。残念なのは、出汁割りを試し忘れたこと……痛恨です。
おいしい非常食 LLF食品 鯖味噌煮1切(75g)460円(税抜)
次もおつまみの定番、さば味噌煮。これも温めずにそのまま頂きましたが、身もふっくらしていて、まさしく正しい「さば味噌」です。定食屋さんで出てきてもおかしくない! という声もあったほど。一切れ75gで大きさも十分。日本酒やビールでちびちび飲んだら止まらなくなること請け合いです。
おいしい非常食 LLF食品 きんぴらごぼう80g 550円(税抜)
今度はきんぴらごぼう。意外なほどたっぷり入っていて、小鉢には盛り切れないほどでした。ゴボウやニンジンは若干やわらかめで、年配の方にも食べやすそう。味付けはしっかりしていて、おつまみにはバッチリです。
このシリーズ、編集部の評判は、総じて好評でした。「非常食なのに」というエクスキューズを入れる必要もなく、普通においしいです。この安定のおいしさは、非常時にも、きっと心の支えになってくれるはず!
非常食の基本! これまたおいしい ご飯&パンで飲む
さて、非常食の基本といえば、炭水化物。ご飯物とパンを食してみましょう。まずは、アルファ米を使ったご飯物です。アルファ米とは、一度炊いたお米を乾燥させた物。水やお湯で戻すと炊いたご飯の食感が戻ります。
サタケ マジックライス 雑炊 チゲ風味 289円(税抜)
おつまみ目線でまずおススメ頂いたのは、なんと雑炊! サタケのマジックライスシリーズの一品です。水を注いで60分、熱湯なら15分で食べることができます。今回は熱湯で戻して頂きました。保存期間は5年です。
少しお湯が少なかったのか、スープたっぷりの雑炊というよりは、スープがしみたリゾット風の感じに仕上がりました。いただいてみると、出汁と唐辛子がしっかり効いた大人の味。本格派です。これは意外にも、おつまみとしてのポテンシャル高し! というのが編集部の共通見解に。
尾西のドライカレー 100g アルファ米スタンドパック 340円(税抜)
クミンやターメリックなど数十種類のスパイスを使ったドライカレーです。こちらも5年保存が可能。マジックライスと同じように熱湯15分でいただきます。カレーのパウダーが別になっているので、ご飯ができあがったら、振りかけてよく混ぜます。
鶏肉やニンジン、コーンなどの具材もしっかり入ってボリュームもありました。ご飯はもちもちで炊いたご飯と遜色ないほど。これもおいしいと大好評です。辛すぎないのでビールはもちろん、ワインなどにも合いそうです。
※記事公開後、相日防災株式会社さんからご連絡いただきまして、実はカレーパウダーを入れるタイミングが違っていたようです。正しくは、アルファ米に熱湯を注ぐ前にカレーパウダーを入れてよくかき混ぜ、その後に熱湯注いで15分! でした。お詫びして訂正いたします。
レスキューフーズ1食ボックス 牛丼 970円(税抜)
あちこちで高評価を耳にする「レスキューフーズ」。発熱剤入りで非常時でも温かくして食べることができます。今回は牛丼をチョイス。こちらは3年間保存です。1個1000円以上と、なかなかのお値段ですが、普段に食べてもおいしいので、常備する人もいる人気商品だそうです。
セット内容はご飯、牛丼のもと、レンゲ、温め用のビニール袋、発熱剤、発熱溶剤などが入っています。最初に、ご飯と具のパックを同梱のビニールふくろにいれ、発熱剤と溶剤を投入。しばらくすると、ぐつぐつと泡が出てきて暖まってきます。ちょっとした理科実験のようで、編集部の面々、ちょっと引きながらも、興味しんしんです。
ぐつぐつすること20分。ご飯と具のパックを開けてみると、しっかり温まっています!ご飯もふっくら、つゆだくの牛丼の具も、お肉たっぷりでとても美味しそうです。ご飯のトレイにスペースを作り、牛丼の具を投入。
いただいてみると、お肉の存在感もあり、しらたき、玉ねぎなどの具材もしっかり入った「すきやき風」。あまからの味付けに、お酒もどんどん進む傑作でした。具で日本酒や焼酎を飲んで、つゆだくのご飯を〆に……というレスキュー完結型の飲みも良いかも。
お値段は高めですが、非常時にも、おいしいものを食べなきゃイヤ!という人には絶対おススメです!
新・食・缶BAKERY オレンジ・黒糖400円(税抜)
次は、パンです。非常食の中でもパンは味の進化が目覚ましく、峯尾さん曰く「どれも高レベル」だとか。
なかでも評判がいいという「新・食・缶BAKERY」のシリーズからおつまみに良さそうな黒糖とオレンジを試してみました。このシリーズは、缶の中でパン種を発酵させ、そのまま焼き上げるという独自の製法で、焼きたての風味が味わえるそうです。保存期間は5年です。
「オレンジ」はパンというよりもパウンドケーキに近く、固めでぎゅっと中身が詰まっています。オレンジピールが入っていて香りもよく、白ワインと一緒に頂きましたが、相性は抜群です。
黒糖はしっとり感があり、デニッシュタイプのパンに近い感じ。一口食べた編集部員からは、即座に「焼酎もってこい!」との声が。確かに、黒糖の濃厚な風味は甘めの芋焼酎や泡盛と相性が良さそうです。
あるとうれしい おやつ系おいしい非常食
日持ちする甘味系は非常食の必須アイテム。非常時だからこそ、甘いもので心を落ち着かせたい。カロリーもあってパワーも維持できます。
YBC Levain(ルヴァン)保存缶 380円(税抜)
発酵種を使用したクラッカー。お馴染みの「Levain(ルヴァン)」です。普段から、チーズなどをのっけておつまみにしている方も多いのではないでしょうか。非常食バージョンは缶入りで5年の長期保存が可能。
缶を開けると、小分けになったクラッカーが、どっさり入っています。味はほどよい塩気とバターの風味が後を引く、いつもの安定感。これ一缶あったら、非常時にはとても安心感あると思います。そのままでもビールやワインに合いますね。
井村屋の羊羹 えいようかん 5本入り 400円(税抜)
砂糖、生餡、水飴、寒天、というシンプルな原材料でできている基本のようかん。通常のようかんは1年ほどの日持ちですが、こちらは気密性の高いフィルムで包装されているので5年の長期保存が可能です。
今回は峯尾さんおすすめの「ルヴァンのようかんのせ」を試してみました。甘さ控えめのようかんと、塩気のあるルヴァンが絶妙にマッチ。日本酒やウイスキーと合わせても美味しくいただけそうです。
水戻り餅 水をそそげばアッというまに「きなこ餅」400円(税抜)
阪神淡路大震災の被災体験から生まれたという、水で戻すお餅シリーズ。乾燥した高野豆腐のようなお餅を水に浸すと30秒ほどでお餅になります。さらに2~3分おいてみると、プルプルの食感が楽しい不思議な食べ物になりました。
白玉みたいなつるんとした食感で、噛むとモチモチ。乾燥餅も12枚入っているのでコスパも悪くない感じ。編集部からは「お餅とも白玉ともうどんとも違うけど、どれとも似ている」との評価が。まー、おいしければいいじゃない。おつまみというよりおやつよりですが、同シリーズには「しょう油味」もあり、日本酒や焼酎にバッチリ。こちらは、製造日から5年の賞味期限。
おいしい非常食を選びましょう!
今回試食したものはどれも高レベルで、非常食のイメージが変わりました。長期保存が可能な商品ですが、容器のにおいなどもなく、素材の味がしっかり味わえました。
おいしいかっただけではなく、今後の非常食選びの参考にもなった楽しい家飲み会でした。命を守るためのおいしい非常食選びは、とっても大事。みなさんも、ぜひ色々試して、お気に入りの非常食をストックしてください! そして、賞味期限が近づいたら、ぜひ開封して家飲みしましょう!
今回ご協力いただいた「防災館」さんのサイトはこちらです。
※記事の情報は2019年8月21日時点のものです。