スペインのヴィーガンワイン《コスパワインのススメ⑩》
デイリーに楽しめる安旨コスパワインを紹介する企画、今回は環境問題への関心の高いヨーロッパでいま注目のヴィーガンワインをご紹介。スペインからやってきたオーガニックでヴィーガンなワインの味わいとは?
ワインにもヴィーガンの時代がやってきた
スペインは寒さの厳しい冬にとても乾燥した暑い夏という大陸性気候のため、ブドウに付く虫や菌などが非常に少なく、病気や虫害に対しては最低限の予防対策でよかったという歴史があります。そのためスペインではオーガニックワインの文化が根付いており、それが今日のオーガニックワインの品質につながっているというわけです。
そんなわけで今回ご紹介するのもオーガニックワイン「エル・コンベルティード」です。
しかも、今回ご紹介するのはただのオーガニックワインではありません。いま話題のヴィーガンワインなんです。
話題のヴィーガンワインと言いましたが、そもそもヴィーガンワインってなんぞや、ということで、ヴィーガンワインとは呼んで字の如く、“ヴィーガン”なワインです。ヴィーガンは皆様ご存知の“完全菜食主義”のこと。そもそもワインはブドウからできているのだからヴィーガンにあてはまるに決まっているじゃないですか、と思うかもしれませんが、それが違うんです。
ワインの製造工程には“清澄(せいちょう)”という工程があります。発酵が終わったばかりのワインは澱(おり)で濁っています。この澱は見た目も口当たりも悪いので、澱を沈殿させて上澄みだけをほかの容器に移します。これを何度か繰り返すことでワインを透明にしていくのです。この工程を澱引きと呼ぶのですが、この澱引きで取り除けなかった微細な不純物を除去する工程が清澄です。フランス語ではコラージュと呼ばれます。
この清澄の工程では清澄剤なるものを添加し、そこに不純物を吸着させ上澄みだけを取り出すことで不純物を除去するのですが、この清澄剤がヴィーガンワインの分かれ道になります。清澄剤には卵白やゼラチンといった動物性のたんぱく質が利用されることが多いからです。
ワインに卵白を添加するなんて考えもしなかったと驚かれるかもしれませんが、誰もが知るワインの銘醸地ボルドーでは伝統的にこの卵白を使用した清澄が行われており、ボルドー発祥のお菓子“カヌレ”は、卵白を使うことで余ってしまった卵黄を利用するために生まれたとも言われています。
このように清澄の工程で動物性のものを使用した場合は、ヴィーガン対応ではなくなってしまいますので、代わりに粘土鉱物のベントナイト、豆やジャガイモなどの植物由来のものを清澄剤として使用する、もしくはそもそも清澄しないことでヴィーガン対応のワインにしています。
とまあ、そこにこだわったとして美味しくなかったら、それはそれでどうなのっていう気もしなくもないので、お楽しみの試飲タイムで検証といきましょう。
ヴィーガンワイン「エル・コンベルティード」を飲んでみた
まずは白、ソーヴィニヨン・ブランからです。
ミネラル感があるので、カルパッチョや海老のサラダなど、シーフード系の前菜との相性は抜群。デイリーに使える使い勝手のいい白ワインです。
お次は赤、スペインを代表する品種のテンプラニーリョです。
今回はご紹介しませんでしたが、「エル・コンベルティード」には他にもベルデホ、シラー、ロゼの3種類が輸入されていて、計5種類のラインアップとなっています。どれもデイリーで楽しめる親しみやすいコスパ抜群のワインです。
オーガニックでヴィーガンなワインなんて、なんか意識高くて敬遠したくなりそうですが、ふたを開けてみればコスパ抜群のフレンドリーなワインでした。カジュアルに家飲みを楽しみつつも、少しだけ環境問題を意識してみるのもいいかもしれませんね。
エル・コンベルティード ソーヴィニヨン・ブラン【商品概要】
- 産地:スペイン
- 原料品種:ソーヴィニヨン・ブラン100%
- 容量 / 容器:750ml / 瓶
- 参考小売価格:950円(税抜)
- 輸入元:モトックス
エル・コンベルティード テンプラニーリョ【商品概要】
- 産地:スペイン
- 原料品種:テンプラニーリョ100%
- 容量 / 容器:750ml / 瓶
- 参考小売価格:950円(税抜)
- 輸入元:モトックス
※記事の情報は2020年8月3日時点のものです。
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