コスパ抜群の家ワイン! 箱ワインの魅力とは?

酒税法改正によってワインの税率が上がったものの、節約しながらもワインを楽しみたいという皆様におすすめしたいのがバッグインボックスのワイン。通称、箱ワインと呼ばれるコスパ抜群のワインの魅力に迫ります。

ライター:青田俊一青田俊一
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名古屋の酒類卸イズミックの青田が、いま注目のお酒の情報をバイヤー目線でお届けします! 今回はお得にたっぷり楽しめる、バッグインボックスのワインをご紹介します。

たっぷり飲める箱ワイン

先日の酒税法改正でワインの酒税が上がってしまったのは、記憶に新しいところ。毎日飲みたいけど少しでもお得にワインを楽しみたい。そんな皆様におすすめしたいのがバッグインボックス(BIB)のワイン、通称「箱ワイン」とか「ボックスワイン」とか呼ばれるワインです。私は響きが良いので「箱ワイン」と呼ぶことにします。

バッグインボックスはその名の通り、箱(ボックス)に袋(バッグ)が入った容器。箱に直接注ぎ口が付いている紙パックのタイプとの大きな違いがこの袋で、これが1番の特徴でもあります。

大容量のタイプが多いので、ちょっとチープながぶ飲みワインのイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、侮るなかれ、最近の箱ワインはクオリティもしっかりしているのです。

箱ワインのメリット

箱ワインの魅力はなんと言ってもそのコスパ。3Lならフルボトル4本分になりますが、1箱あたり2,000円程度で計算してみると、フルボトル1本あたり500円程度という圧倒的な価格の安さが魅力のひとつ。

安いっていうことは、中身がしょぼいのでは? と思われるかもしれませんが、箱ワインの価格の安さには秘密があります。

それは瓶に比べると、包装や輸送のコストが安いということ。なのでしっかりとした品質のワインをお安く提供できるというわけなんです。

とはいえ、いくら安くてもこんな量は飲みきれない、とお思いの方もいらっしゃいますよね。そんな悩みも箱ワインなら問題なしです。先述したとおりバッグインボックスは、箱の中に袋が入った形状の容器。袋が一番の特徴と先ほど言いましたが、その特徴とは真空状態で袋にワインが詰められているということ。
注ぎ口
この袋に付いている注ぎ口を箱の外にセットして注ぎます。
箱ワインの中身
この注ぎ口は逆支弁になっているので、注いだ分だけ袋がしぼむという仕組みで、袋の中のワインが空気に触れることなく、ある程度酸化を防ぐことができます。

なので、開封したらすぐに飲みきらなければいけないという心配はなく、3週間から1ヶ月程度は保存することができます。
箱ワインの中身
もうひとつの箱ワインの利点は、ごみが捨てやすいということ。

我が家のようにワインを大量に消費する家庭は、大量の瓶を捨てるのが地味に大変ですし、あそこのお宅めちゃめちゃワイン飲んでるやん、という近所の目も気になるところです。その点、箱ワインならばらしてつぶすことができるので、ごみ捨ても簡単。近所の目を気にする必要もありません。

おすすめの箱ワインを飲んでみた。

と、箱ワインの素晴らしさをご理解いただいたところで、おすすめの箱ワインをご紹介したいと思います。

まずひとつめは「アルパカ」です。
アルパカ バッグインボックス
「アルパカ」は言わずと知れたチリの高コスパワインですが、そのアルパカの箱ワインが10月13日に発売となります。中身は瓶と同じですが、バッグインボックスになったことでさらにお手頃になりました。

品種は白のほうがシャルドネとセミヨンのブレンド、赤のほうがカベルネ・ソーヴィニヨンとメルローのブレンドというお馴染みのラインアップ。

皆様よくご存知の味だとは思いますが、一応試飲しておきましょう。
アルパカ バッグインボックス
と、ここまで箱ワインのコスパをベタ褒めしてきたので、どうせ安くて美味しいって言うんでしょ、と思われるのも心外なので、今回は私の試飲レポートではなく私のソムリエの先輩、シニアソムリエの安藤さんと海田さんに率直なコメントをいただくことにします。お二人とは過去にこちらの記事で対談しております。
まずは白から。

安藤 淡い、緑掛かったレモンイエロー。溌剌とした香りで白い花、梨やリンゴのアロマにハーブ香が漂う。きれいな酸と、アルコールによる温かさ、余韻もあり冷やしておいしい。

海田 洋梨やアプリコットなど熟した果実の香り、豊かな酸があり、コクもあるので、幅広い料理と合わせられそう。

相対的にバランスがよいとのコメントをいただきました。私個人としては合わせるならコンビニのポテトサラダ。気軽に楽しみたいです。

では赤です。

安藤 淡いガーネット、やや青みが薄い。カシス、プラム、チェリーの果実香にやや濃縮したイメージ。黒系果実の香りが高い。甘い果実味、柔らかい酸、渋みは抑え目で飲みやすい。テーブルにマッチする味わいで、お肉ならオールマイティに合うと思います。

海田 カシス、ブラックベリーなどの黒系果実と清涼感のあるハーブやバニラの甘い香り、酸味と甘みのバランスも良く味の輪郭がしっかりしており、安定感のある味わい。

こちらのワインもバランスの取れた味わいが高評価。個人的にはコンビニのから揚げですね。意外と醤油との相性が良さそうです。白も赤も幅広い料理と合わせてデイリーに楽しめるのが嬉しいところですね。

続いて「ロスカロス」です。こちらもチリワインです。
ロスカロス バッグインボックス
「ロスカロス」は「アルパカ」とは違い、箱に品種を表示していませんが、白はソーヴィニヨン・ブランとセミヨンのブレンド、赤はアルパカと同じくカベルネ・ソーヴィニヨンとメルローのブレンドだそうです。
ロスカロス バッグインボックス
まずは白から。

安藤 香りの勢いは時間と共に薄れ、白や黄色の花、カリンに煮た落花生のような香り。大人しい酸味と低いアルコール感、ボリューム控えめで余韻は短い。コップでガブ飲みするタイプ。料理は選ばずソーダやジュースで割ってミックスドリンクとしても使える。

海田 トロピカルフルーツやフローラルの香りが華やか。爽やかな酸味があり、前菜など、軽やかな料理に合いそう。

こちらは軽やかな味わいとの評価。ちなみに私は湯豆腐に合わせたいと思いました。

お次は赤です。

安藤 青みがかったガーネット。茹でた小豆や豆、根菜類などのベジタブル系の香り。フルーツだとグレナデンのようなニュアンス。全体的に大人しい香り。少し個性が足りないが、油が多い料理や刺激のある香辛料をつかった料理には合いやすそうですね。

海田 ブラックチェリーやいちごジャムなどの香りがあり、フルーティー。タンニンもスムースで軽やかさを感じる。爽やかな酸味がありフレッシュ感を楽しめるワインなので、冷やして飲んでも良さそう。

こちらは個人的には麻婆豆腐でした。中華に合わせたい気分、安藤先輩の意見に近いですね。


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今回ご紹介した箱ワインは、どちらも実勢売価で2,000円を切る価格帯。ということはフルボトルなら1本500円もしないという驚きの低価格になります。この価格でここまでの味わいなので、大満足ではないでしょうか。

美味しくてたっぷり飲めるコスパ抜群の箱ワインは、節約時代の家飲みの強い味方になりそうです。
 

アルパカ シャルドネ・セミヨン BIB【商品概要】

  • 生産国:チリ
  • アルコール度数:13%
  • 品種:シャルドネ、セミヨン
  • 容量 / 容器:3L / バッグインボックス
  • 輸入元:アサヒビール

アルパカ カベルネ・メルロー BIB【商品概要】

  • 生産国:チリ
  • アルコール度数:13%
  • 品種:カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー
  • 容量 / 容器:3L / バッグインボックス
  • 輸入元:アサヒビール

ロスカロス 白 BIB【商品概要】

  • 生産国:チリ
  • アルコール度数:12%
  • 品種:ソーヴィニヨン・ブラン、セミヨン
  • 容量 / 容器:3L / バッグインボックス
  • 輸入元:南アルプスワインアンドビバレッジ

ロスカロス 赤 BIB【商品概要】

  • 生産国:チリ
  • アルコール度数:12%
  • 品種:カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー
  • 容量 / 容器:3L / バッグインボックス
  • 輸入元:南アルプスワインアンドビバレッジ
※記事の情報は2020年10月5日時点のものです。
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