唯一無二の華やかな香りが魅力の「ゲヴュルツトラミネール」《ブドウ品種のお話②》
ソムリエがブドウ品種の魅力を紐解きます。その華やかな香りで女性からの支持の高い、アロマティックな白ワイン用ブドウ品種「ゲヴュルツトラミネール」を解説!
ブドウ品種をソムリエがわかりやすく解説
第2回目は白ワイン用ブドウ品種「ゲヴュルツトラミネール」をご紹介します。
白ワイン用ブドウ品種「ゲヴュルツトラミネール」の特徴
アロマティックな白ワインは数あれど、よくライチのような香りと表現されるこの特徴的な香りは唯一無二と言っても過言ではないでしょう。私も最初に飲んだときにその香りの華やかさに魅せられ、すぐに虜になってしまいました。
もともと日本酒党だった私は、ワインは味わいの表現とかが複雑で難しいお酒と思っていたのですが、この品種を飲んだ感想は「分かりやすく美味しい」でした。普段あまりお酒を嗜まれない方が飲んでも美味しいと思っていただける分かりやすい味わいなので、ワインを飲みなれていない女性と食事する際にはこの品種をおすすめしています。
白ワイン用ブドウ品種「ゲヴュルツトラミネール」のルーツ
お察しの通り、ゲヴュルツトラミネールはドイツ語で、ドイツでも栽培が盛んな品種なわけですが、実はそのルーツはイタリアにあるという非常にややこしい歴史を持っています。
ゲヴュルツトラミネールはもともと北イタリア原産のトラミナーという白ワイン用ブドウ品種が起源と言われています。そのトラミナーが、ドイツのファルツを通ってフランスのアルザスやジュラ地方に伝わったわけですが、その際にスパイシーな味わいの品種だったことからドイツ語でスパイスを意味する“ゲヴュルツ”を付けてゲヴュルツトラミネールと呼ばれるようになったそうです。
イタリアの品種がフランスで有名になるなんて、なんかロマンがありますよね。このルーツを調べたのを機にワインの面白さを知ることになり、ワインの沼にはまってしまったのでした。
ゲヴュルツトラミネールの味わいとは?
本来なら「トリンバック」や「ヒューゲル」といったアルザスの名門ワイナリーのワインをご紹介したいところですが、お値段がそれなりにするので、初めましてでは手に取りにくいことと、百貨店や専門店でないと置いてなかったりと、まあまあハードルが高いので、今回はお求めやすいところでチリのゲヴュルツトラミネールをおすすめしたいと思います。
ご紹介するのは「コノスル ゲヴュルツトラミネール ビシクレタ レゼルバ」です。
味わいもゲヴュルツトラミネールらしいフルーティーな果実味とほのかな酸味。スパイシーな味わいもあって、エビチリや麻婆豆腐のようなスパイスを使った中華料理によく合いそうです。家飲みでデイリーに使いやすい1本です。
今回ご紹介したのはチリのゲヴュルツトラミネールですが、他にもアメリカやオーストラリアでも生産されており、比較的リーズナブルなお値段で飲むことができるので、家飲みにもぴったりです。その名の通り、スパイスとの相性がとても良いので、合わせる料理の幅が広いのも家飲みで使いやすいポイントです。
せっかくなのでアルザスの名門ワイナリーのワインも経験したいという方にはこちら、「トリンバック ゲヴュルツトラミネール」をおすすめします。
トリンバックといえば、アルザスのロマネ・コンティとも称されるリースリングで有名な名門ワイナリーですが、ゲヴュルツトラミネールもまた定評があります。
ライチの香りにスパイシーな風味、上品な果実味とミネラル感、正にゲヴュルツトラミネールの教科書的な1本です。この品種にはまったのなら一度は飲んでいただきたい逸品です。
本当に誰が飲んでも分かりやすく美味しいのでワインビギナーにこそ飲んでほしいこの品種、きっと気に入っていただけると思います。この魅惑の香りの虜になってみませんか。
コノスル ゲヴュルツトラミネール ビシクレタ レゼルバ【商品概要】
- 産地:チリ
- 原料品種:ゲヴュルツトラミネール
- 容量 / 容器:750ml / 瓶
- 参考小売価格:880円(税抜)
- 輸入元:スマイル
トリンバック ゲヴュルツトラミネール【商品概要】
- 産地:フランス
- 原料品種:ゲヴュルツトラミネール
- 容量 / 容器:750ml / 瓶
- 参考小売価格:3,000円(税抜)
- 輸入元:エノテカ
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