スコットランドのクラフトサイダー「シスリークロスサイダー」を飲んでみた

じわじわと人気上昇中のリンゴのお酒「サイダー」。その中でも、いま世界からひときわ注目を集めているスコットランド生まれの「シスリークロスサイダー」をご紹介。スコットランド初のサイダー醸造所が送る、クラフトサイダーの味わいとは?

ライター:青田俊一青田俊一
メインビジュアル:スコットランドのクラフトサイダー「シスリークロスサイダー」を飲んでみた
名古屋の酒類卸イズミックの青田が、いま注目のお酒の情報をバイヤー目線でお届けします! 今回はスコットランド発のクラフトサイダーをご紹介します。

スコットランド生まれのクラフトサイダー「シスリークロスサイダー」

先日、某英国風パブの前を通り過ぎたときに、そういえば最近こういうところでサイダーを飲むことがなくなったと、ふと思うことがありました。外で飲み歩けていた頃、2軒目とか3軒目に軽く飲みたい気分のときは、結構な頻度でストロングボウを注文していたのを懐かしく感じます。今はあまり置いていないようですね、ストロングボウ。

初っ端から「サイダー」という言い方をしましたが、これはフランスで言うところの「シードル」です。日本でサイダーと言うと甘い炭酸飲料を連想しますが、イギリスではリンゴのお酒、すなわちシードルのことを指します。ちなみにイギリス英語ではサイダー(cider)、フランス語ではシードル(cidre)、綴りも似ているのですが、これはシードルが語源となっているからです。

実はサイダーは何年も前からアメリカのクラフトブルワリーを中心にブームになっていまして、日本でもそろそろ…と毎年期待しているのですが、残念なことに認知度はそこまでというのが現状です。もちろん、流行っているところではちゃんと流行っていますし、個人的にはずっとブームなんですけどね。

そんなわけで今回は、認知度向上に一役買うためサイダーをご紹介したいと思います。ご紹介するのはスコットランド生まれのサイダー「シスリークロスサイダー」です。
シスリークロスサイダー
先述でサイダーはイギリスのお酒と説明しましたが、それは主にイングランドのお話。実はスコットランドにサイダー醸造所が初めてできたのは2008年と、2000年代に入ってからのこと。そのスコットランド初の醸造所というのが、今回ご紹介する「シスリークロスサイダー」です。

シスリークロスサイダー醸造所は、ガラス細工と彫刻を専門とするアーティストと、その親友の果樹園オーナーの、「スコットランドで初めてのクラフトサイダー醸造所を設立したい」という想いによって、スコットランド南東部の港町ダンバーに誕生しました。いまでは世界20か国以上、クラフトサイダーの本場アメリカでは40以上の州で販売されるほど、世界で愛されるブランドにまでなりました。

日本での販売は2018年からで、もともと「トラディショナル」と「ウィスキーカスク」の2種類でしたが、昨年2022年の12月に新商品として「エルダーフラワー」と「スコティッシュフルーツ」の2種類の販売が開始されたということで、今回ご紹介しようと思ったわけです。

いずれもイギリスの「ワールド ドリンクス アワード」のサイダー部門「ワールド サイダー アワード」にて銀賞を受賞したサイダーということで、試飲が楽しみです。

「シスリークロスサイダー エルダーフラワー」を飲んでみた

まずは「シスリークロスサイダー エルダーフラワー」からです。
 
シスリークロスサイダー エルダーフラワー
「シスリークロスサイダー エルダーフラワー」はその名のとおり、エルダーフラワーを使ったサイダー。6か月以上熟成させたサイダーをベースにして、そこにエルダーフラワーを2週間ほど漬け込んでいるそうです。

ちなみにエルダーフラワーとは、ヨーロッパが原産地の針葉葉樹の一種、エルダーの木に咲く花のこと。ヨーロッパでは伝統的にハーブとして使用したり、マスカットのような甘い香りを利用してシロップやお菓⼦などの用途にも使⽤されています。…と6年くらい前にこちらでご紹介していました。
シスリークロスサイダー エルダーフラワー
グラスに注ぐとエルダーフラワー由来のマスカットや金木犀のような甘い香りが広がります。炭酸は自然な感じで、リンゴ由来のさっぱりと甘酸っぱい風味で、エルダーフラワーの甘く華やかな香りが鼻に抜けます。香りからもっと甘い印象を受けましたが、ちょうどいい甘酸っぱさ。食事とも合わせやすいすっきりとした味わいです。

個人的にはフライドチキンやフライドポテトといったジャンクなおつまみに合わせて楽しみたい感じです。

「シスリークロスサイダー スコティッシュフルーツ」を飲んでみた

続いて「シスリークロスサイダー スコティッシュフルーツ」です。
シスリークロスサイダー スコティッシュフルーツ
「シスリークロスサイダー スコティッシュフルーツ」は、スコティッシュフルーツ、すなわちスコットランドのフルーツ(スコットランドはストロベリーが有名だそう)を使ったサイダーです。こちらも6か月以上熟成させたサイダーをベースに、フレッシュストロベリーとカシスとエルダーフラワーを漬け込んでいます。
シスリークロスサイダー スコティッシュフルーツ
こちらはベリー系の果実由来の甘い香りが特徴的です。味わいはリンゴ由来の甘酸っぱい風味にベリー系の甘い果実味、甘ったるいという感じではなく程よい甘さですっきりとした味わい。ベルギーのフルーツビールを少しだけ甘くしたような印象です。さっぱりと甘酸っぱい味わいは食事とも合わせやすいと思います。

個人的にはグリルしたハムやソーセージといった料理と合わせて楽しみたい感じです。

その飲みやすさから、イギリスでは若者のお酒の代表格ともされるサイダー。ちょっと軽く飲みたい気分のときにぴったりのお酒です。まだまだ日本での認知度はいまいちですが、これから大注目のクラフトサイダー、家飲みでぜひお楽しみいただければと思います。

 

シスリークロスサイダー エルダーフラワー【商品概要】

  • 産地:スコットランド
  • アルコール度数:4%
  • 容量 / 容器:330ml / 瓶
  • 参考小売価格:555円(税抜)
  • 輸入元:池光エンタープライズ

シスリークロスサイダー スコティッシュフルーツ【商品概要】

  • 産地:スコットランド
  • アルコール度数:4%
  • 容量 / 容器:330ml / 瓶
  • 参考小売価格:544円(税抜)
  • 輸入元:池光エンタープライズ
※記事の情報は2023年1月23日時点のものです。
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