今限定!日本酒の蔵元が腕を競う「夏酒」をご存知ですか?
日本酒とフレンチのお店「SAKE Scene〼福」を経営する日本酒ラヴァー、簗塲友何里(やなば ゆかり)さん。家で飲む日本酒の魅力と楽しみ方を、ゆるりと綴っていただきます。今回は、暑い季節にしか飲めない、夏酒の魅力。
ジャケ買い推奨!暑さも吹っ飛ばす、綺麗なラベル
酒屋や居酒屋で夏らしいラベルの日本酒が並び始め、眺めているだけで涼しい気分。水色の透明感のある瓶に、夏休みを連想させるワクワクするようなデザインのラベル。花火、カブトムシ、向日葵、夏ヤゴ、金魚、白くま、オバケ、ペンギンなどなど思わずジャケ買いし、コレクションしたくなる可愛さです。一緒に写真を撮ったら、インスタ映えもバッチリ。涼しげな夏らしい写真のできあがりです。
実は、夏酒のラベルは期待を裏切りません。何本も夏酒のラベルを見て、吟味してみましたが、ラベルから感じる味のイメージは、実際の味わいをかなり正直に表しています。ブルーを基調としたラベルでは、味わいも爽やかで酸も感じスッキリ飲みやすいです。また、黄色のラベルで夏の日中を想像させるような夏酒は、米の旨味を感じるスッキリながらも力強い味わい。みなさんも、ぜひ酒屋さんで探してみてください。
夏酒のススメ
でも日本酒でしょ? 何だか暑い夏に飲むには重い感じがする。というご意見が聞こえてきそう。でも、酒蔵は夏だからこそ飲んで欲しい、夏だからこそおいしいお酒を、夏酒として出荷します。そして、夏酒には、その蔵の特徴や個性が強く出ています。例えば、しっかりとした米らしい味わいを基調としている蔵の夏酒は、暑い気候で飲みやすく造られているものの、軸となる芳醇な米らしさを存分に味わえる仕上がりになっているものです。この時期、飲まなきゃソンです。
同じ夏酒、というキャッチフレーズの元に、蔵ごとにバラエティ豊かな味わいがあるのが夏酒の楽しさです。蔵により、まるで水のようなさっぱりした透明感のあるものや、氷を入れてオン・ザ・ロックで楽しむ濃厚なタイプ、フルーティなにごりタイプ、もちろん、夏らしいスパークリングもあります。お好みの夏酒と夏野菜を合わせたら、パーフェクトな夏の晩酌のできあがりです。
おすすめの夏酒
愛媛県の蔵元、伊予賀儀屋さんの夏酒、「サンシャイン」と「花火」です。以前、六本木ヒルズで大々的に行われた日本酒イベントで、国際唎酒師のボランティアをさせていただきました。その時に伊予賀儀屋さんを担当したのがきっかけで、お酒の味ももちろん、蔵元さんのお人柄に惹かれてすっかりファンになりました。酒作りには、地元の松山三井という「食べるお米」を使用されている蔵です。石鎚山と瀬戸内海に抱かれた美しい環境で、名水百選にも選ばれた優れた弱軟水の湧き水でお酒作りをしています。食べるお米、いわゆる飯米は、酒米よりも粒が小さく、扱いが難しいのですが、伊予賀儀屋さんにかかると、優しく綺麗な旨味のあるお酒になります。その夏酒が絶品なのです。
「純米無濾過 陽の光 カギヤサンシャイン」は、お米の旨味を感じつつ、夏の太陽のようなしっかりと主張する芳醇な力強さがあります。ラベルも夏の太陽を思わせる黄色とゴールド。こんなしっかりした味わいのお酒は、夏のスタミナ源、濃いお味の鰻の蒲焼に合わせてみたいものです。
酒屋さんでみつけたら、ぜひ、飲んでみて下さい。
猛暑のパリでも夏酒
「夏は夏酒」。ぜひ、暑い夏も健康的に日本酒を楽しんじゃいましょう! 夏酒は、夏の家飲みをよりいっそう楽しくする、素敵な風物詩です。
※記事の情報は2017年8月23日時点のものです。
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