ニッポンの蔵元へ行こう 【岐阜県・小坂酒造場】
全国各地の酒蔵と銘酒を訪ねる「銘酒 蔵元探訪記」、今回ご紹介するのは、岐阜県美濃市の蔵元、小坂酒造場です。美濃市は、和紙の名産地として知られていますが、美しい「うだつ」の街として有名です。小坂酒造場も立派なうだつを掲げ、国の重要文化財に指定された由緒ある建築でお酒が醸されています。代表取締役の小坂善紀さんにお話を伺いました。
うだつの街並み・250年の歴史
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長良川水系の水で醸す「賑やかなお酒」
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日本酒の原材料の中で水の存在はとても大きいものですが、この水で作ると、味が「賑やか」で「楽しい」お酒ができます。あっさりとしてきれいなお酒とかスッキリ、ということではなくて、酸味、辛味、旨味など、日本酒の色んな味が、皆さん主張しあって、それでもなおかつ、調和がとれているようなお酒、それがうちの酒の共通した特徴です。かつては、すっきりときれいなお酒を目指していたこともありましたが、今は、この賑やかな味わいが自慢です。
小阪酒造場を表す3つのキーワード
百の春と書いて「ひゃくしゅん」。小阪酒造のメインブランドだ。おいしく楽しくお酒を飲んで、健康に百の春を迎えて頂きたい、そんな思いを込めて代々守ってきた。ロゴは、有名な日本画家、川端龍子の作という。
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小坂酒造の母屋は、いわうる「うだつ作り」の代表的な民家。3本のうだつをかかげ、美濃地方の商家の代表例として、1979年国の重要文化財に指定された。重要文化財の建築から生まれる日本酒、それだけでも一度味わってみたくなる。
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小坂酒造の井戸から汲んだばかりの水を味わう…。すると驚くほど、百春に似た味がするのだ。日本酒にとって水はとても大きな要素だが、これほど酒と水の密接な関係が実感できるのは珍しいのではないだろうか。ここにしかない唯一無二の水で醸した、唯一無二の味わいの日本酒は、まさしく「地酒」。
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