スポーツ後のお酒、カラダにいいのか悪いのか〈老けない人は何を飲んでいる? ⑪〉
激しいスポーツの後のビールって最高に美味しいけれど、体にとってはどうなのでしょうか?
酢酸の最大の燃焼器官は筋肉
ところで。激しい運動や労働の後のアルコールって、本当のところ、カラダによいのでしょうか。
結論をお伝えする前に、アルコールがカラダの中で、どのように分解されるのかをみていきましょう。
アルコールそのものであるエタノールは、肝臓でアルコール脱水素酵素によりアセトアルデヒドに分解されます。
次に、アセトアルデヒトは、アルデヒド脱水素酵素により、酢酸に分解されます。そして酢酸は、健康な人では、主に心臓、腎臓、筋肉でエネルギー源(燃料)として使われ、二酸化炭素と水に完全に分解されます。特に酢酸は、筋肉での利用が大きく、筋肉は最大の燃焼器官とされています。
結論。運動の後のアルコールは筋肉の疲労回復につながる
筋肉の代謝速度は、運動時と安静時では数十倍も異なります。運動時、筋肉の代謝は活発になり、運動強度の増加により代謝速度も上昇します。
また、一定強度以上の運動をすると、運動後も48時間以上、代謝が活性化することも明らかになっています。
運動後、酷使した筋肉は疲れ果てています。その疲労回復には、大量のエネルギーが必要です。アルコールが分解されてできる生成物の酢酸は、筋肉において疲労回復のためのエネルギー補給源になります。
ところが、全く筋肉を使わない、運動をしないという、安静にした状態で飲酒すると、筋肉での酢酸の代謝速度が、極度に低くなります。
結論を申し上げますと、運動した後、1日の労働の後のアルコールは、悪酔いしないうえに、筋肉の疲労回復の燃料となり、健康的でカラダによいといえるのです。
ただし、飲酒量はあくまでも適量に抑えるべきなのは、言うまでもありません・・・念のため。
※ 記事の情報は2018年3月27日現在のものです。
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