ヨーロッパ中が日本酒に注目! 日本酒かかえてあちこち行ってきました。
日本酒と発酵フレンチのお店「SAKE Scene〼福」店主、簗塲友何里(やなばゆかり)さんの日本酒コラム。今回は日本酒PRで回ったヨーロッパリポート。
ヨーロッパを回ってきました
ロンドンのガーデン試飲会
ロンドンは人種のるつぼとはよく言ったもので、9か国ほどの方々が集まってくれました。皆様、意見も好みもさまざま。育った国や環境によって嗜好も違い、お酒の好みが別れます。今回は、日本酒5種類を試飲。持ち寄ったサラミやペンネ、チーズなどに合わせて飲み比べてもらいました。
皆さん、こんなに美味しいなんて知らなかった!味わいのバラエティーが豊富!と感動しいただけました。試飲が終わって、それぞれ日本酒がなぜ好きなのか、この日本酒には何を合わせたい?と座談会形式でリサーチしてみると……。
スペイン人のしっかりとした赤ワインが好きな方は、日本酒もしっかりとした飲みごたえがあるものがお好み。熟成したハードタイプのチーズに合わせたいと話していました。日本酒は飲むのが初めて!というスウェーデン人の方は、ほんのり米の甘味が感じられアルコール度数が低い、バナナのような香りがするものがお好き。
みなさん、しっかりと「好き」の根拠を真剣に話してくれ、たくさんの意見を聞くことができました。最後は、皆さんからロンドンで買えるようになるのはいつ?という嬉しい質問をいただきました。需要はある! ロンドンの皆さんが気軽に家飲みやピクニックで日本酒を飲める環境にしたい! と強く思いました。
ロンドンは、和食店も本格的な店が多いく、お燗もちゃんと湯煎でつけるようなこだわりの店舗もあります。そういうお店なら、大切に美味しい状態で日本酒を提供してくれそうです。ロンドンはさまざまな人種がいて、好みも多様なので、さまざまな日本酒が売れるのでは、と確信しました。
パリのギャラリー試飲会
パリでは、まだまだ日本酒が一般的とはいえません。パリはもともと夏もそんなに暑くはなく、歴史的な建物も多いので、冷房が完備されていません。ですので、この季節、パリのレストランでは、日本酒は冷酒か室温の「冷や」で飲むことが一般的。冷やで、ぬる燗で、熱燗で、と日本酒らしい飲み方をいろいろ試すわけにはいきません。また、日本酒もワイングラスで提供されるの場合がほとんどです。ワイングラスには様々な形状がありますが、実は、日本酒の香りや旨味はグラスの形状が異なれば様々に変化します。同じお酒でも、飲むグラスによって味わいが変わってしまうのです。そんなパリで、これぞ日本酒! を味わっていただきたい!
ギャラリーに集まってくださったのは、感性豊かなお客様たち。まだまだ珍しい日本酒を試飲していただき、説明をさせていただきました。フランス人は、それぞれの方が味へのこだわりがあり、ご自身の中に判断基準がしっかりあります。値段に左右されることなく、美味しいものは好き!という方々が多いので、はたして、認めていただけるのか? と不安でしたが、蓋を開けてみると、皆さん興味津々でした。そして、ロンドンと同じく、どこで買えますか?まだ買えないなら、そのサンプルを今すぐ買いたいぐらい美味しい! と嬉しいコメントをいただきました。パリの冬はとても寒いので、今度は冬に来てお燗酒のPRができたら、ビッグチャンスがあるのではないか? と密かに思っています。
日本酒に世界が注目
※記事の情報は2018年8月14日時点のものです。
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