【ウクライナの料理】ボルシチ発祥国! 実りの国の食卓を拝見
生まれた国を遠く離れて日本で暮らす方たちのリアルな食卓を通して、世界各国のお酒と食文化に迫る「家飲みオリンピック」。今回はウクライナの家飲みを拝見! 前編では、彩り豊かなウクライナの家庭料理をご紹介します。【レシピ付き】
肥沃な黒土に恵まれた農業大国ウクライナ
中学3年生になる娘のアデリーナさん、ナタリアさんのお友達で同じくウクライナ出身、しかも名前まで同じナタリア・コバリョバさん(※記事中ではコバリョバさんと呼ばせていただきます)とともに、にこやかに出迎えてくれました。
ウクライナは東ヨーロッパに位置する大国で、国の南側は黒海に面しています。その国土は、農業に適した肥沃な黒土「チョルノーゼム」に覆われ、ヨーロッパの「ブレッド・バスケット(穀倉地帯)」とも呼ばれているのです。
ウクライナの人はこの「実り豊かな大地」をとても誇りに思っている様子。
娘のアデリーナさんもウクライナの国旗を私たちに見せながら、ブルーが「青空」を、イエローが「麦畑」を表し、「ウクライナに行けば、青空の下に一面に広がる麦畑を簡単に見ることができます!」と教えてくれました。
実はウクライナが「ボルシチ」発祥の地
ボルシチをボルシチたらしめている食材といえば、鮮やかな赤色が特徴の野菜「ビーツ」。ビタミンCが豊富に含まれる栄養食材として最近日本でも注目されはじめている野菜です。ウクライナの家庭ではボルシチの他、サラダやマリネにも良く使います。
ボルシチにかけるサワークリームやディルもウクライナ料理に良く登場する食材。サワークリームは正確には「スメタナ」と呼ばれる発酵乳製品で、日本で売られているものよりも脂肪分が少なく、さらりと軽いのが特徴です。
ちなみにボルシチは、作った翌日が一番美味しいそう。「だからお客様を招く時は『ボルシチ作ったから、明日食べに来て!』と誘うのがウクライナ流なの」とコバリョバさん。
ウクライナ国民が愛してやまない「サーロ」
なかでもウクライナの人が大好きな伝統食品が「サーロ」と呼ばれる豚の脂身の塩漬け。「ラード」と意訳されることもあるようですが、日本にあるラードのイメージとは違い、ウクライナではサーロを生のまま薄くスライスし黒パンに乗せて、ウォッカとともに楽しむらしいのです。
家族みんなで作る「ヴァレーニキ」
ヴァレーニキもウクライナの伝統料理で、見た目は水餃子に似ていますが、味も食感も水餃子とは全く別物。中に詰める具材も実に様々で、マッシュポテトやキャベツ、チーズといったおかず系の他、ベリー類などの果物を包んだおやつ系ヴァレーニキもあります。
今回はマッシュポテトに炒めたきのこと玉ねぎを合わせた具と、ブラックチェリーの砂糖がけを詰めた2種類を作ることに。
生地は、小麦粉にベーキングパウダー、塩、そしてヨーグルトを入れて作るのがユニークなところ。現地ではどの家庭でも生地から手作りするのがあたりまえで、ヴァレーニキは家族みんなでおしゃべりしながら作る料理なんだそうです。
皆さんに混じってヴァレーニキ作りに挑戦してみましたが、皮がすごく柔らかくて、具材を包むのに悪戦苦闘。ナタリアさんたちは、慣れた手つきでスイスイ包んでいきます。
素朴な喜びを感じるウクライナの家庭料理
でもウクライナ国民は料理好きが多く、女性だけでなく男性や子どもも台所に立つといいます。大地が育んだ豊かな実りは、食べる楽しみだけでなく、作る楽しみももたらしているようです。
今回ナタリアさんに作ってもらった本場のボルシチとヴァレーニキ、レシピをご紹介しますのでぜひ皆さまも作ってみてください!
▼ボルシチとヴァレーニキのレシピはこちら!
※記事の情報は2019年8月27日時点のものです。
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