焼酎の健康的な飲み方は? 適量やカロリーも解説

糖質ゼロというメリットから、晩酌は焼酎と決めているという方も多いのでは? そんな焼酎を、より健康的に楽しむための適量やおすすめの飲み方を管理栄養士の森由香子さんがご紹介。気になるカロリーや健康効果についても解説します。

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健康を気遣う人が選ぶお酒「焼酎」

コンビニやスーパーマーケットのお酒売り場へ行くと、昔に比べて糖質オフ、糖類ゼロ表示のアルコール飲料がぐっと増えていますね。お酒は飲みたい、でも健康維持も心がけたいと考えている方がたくさんいらっしゃることがうかがえます。

糖質は、体重増加や血糖値を気にする方が一番に注意している栄養素です。栄養指導を受けにくる患者さんで糖質を気にする方からは、「ビールをやめて焼酎に変えています」といった発言を聞く機会が多く、体を気遣う方からの焼酎の人気が高まっているように感じます。

そこで、今回は本格焼酎に焦点をあてて健康的な飲み方を探っていきたいと思います。

【焼酎と健康①】焼酎の適量はどれくらい?

まずは、本格焼酎の1日あたりの適量をみましょう。  

厚生労働省は、生活習慣病のリスクを高める飲酒量を1日あたりの純アルコール摂取量で男性40g以上、女性20g以上と定義しています。

それを本格焼酎(25度)に当てはめて飲酒量を計算すると、男性200ml、女性100mlです。生活習慣病のリスクを軽減するには、これらの飲酒量未満にする必要があるということです。
焼酎

【焼酎と健康②】脳血栓や心筋梗塞の予防にもなる!?

本格焼酎には耳寄りな情報が2つあります。

1つは、尿酸値の高い方が気にしているプリン体が含まれていないことです。プリン体は、体の中で分解され代謝されると、最終的に尿酸という形になります。血液中に尿酸が多くなると痛風や高尿酸血症といった疾患を招きやすくなります。

2つめは、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞の原因とされる「血栓(血の塊)」を溶解する成分、t-PA(組織プラスミノーゲン活性化因子)、ウロキナーゼの分泌、活性を高めるという研究報告があることです。コレステロールを気にされている方には朗報ですね。効果的な飲酒量としては130ml程度という情報があります。たくさん飲めば飲むほどいいわけではありませんのでご注意を。

【焼酎と健康③】気になる焼酎のカロリーは?

ご存知の方も多いと思いますが、アルコールは1gあたり約7Kcalあります。アルコール濃度が高ければ、それだけエネルギー量が高くなります。エネルギー量、アルコール含有量についてお酒の種類別に見ていきましょう。
酒別エネルギー、アルコール含有量一覧
(表1)参考資料:日本食品成分表2021八訂 医歯薬出版株式会社
醸造酒のほうがアルコール濃度は低いため、蒸留酒に比べてエネルギー量は低いことがわかります。

しかし、醸造酒と蒸留酒では、飲み方が全く異なります。ビールをはじめとする醸造酒は、原液をそのまま、わりあい短い間に飲み干し、さらにお代わりする飲み方をすることが多いのではないでしょうか。ですので、ビールなどの醸造酒は、100gあたりは低いエネルギー量であっても、たくさん飲んでしまえばエネルギー量が増えやすいのです。

その一方、本格焼酎は、原液を一気に飲んだりはせず少しずつ飲むのが一般的です。そのため、適量をゆっくり食事と共に楽しむのであれば、エネルギー量がコントロールしやすく健康的な飲み方が出来るのではないでしょうか。

また、焼酎とビールそれぞれの1日あたりの適量で算出すると、エネルギー量は男女ともに本格焼酎の方がビールよりも低い*です。ダイエットや糖質量を気にしている本格焼酎愛飲家にとって、うれしい結果ですね。

*1日あたりの適量とカロリー
本格焼酎:男性200ml(279Kcal)、女性100ml(140Kcal)
ビール:男性1000ml(390Kcal)、女性500ml(195Kcal)

【焼酎と健康④】管理栄養士おすすめの飲み方は?

上の(表1)からわかるように、お酒にもカロリー(エネルギー量)があります。食事の際は、主食にあたる穀類やイモ類など、糖質の高い食品とは一緒にとらないほうがいいでしょう。カロリーの摂り過ぎを防げます。

そして、おつまみは良質なタンパク質源である肉、魚、卵などを使った料理と、野菜料理の組み合せがおすすめです。タンパク質、ビタミンB群、ビタミンCなどのビタミン、ミネラル、食物繊維の補給ができ、これらの栄養素が体の働きを円滑にすすめます。

また、水分補給も忘れないでください。アルコールの代謝もすすめますし、アルコールの利尿作用で失ったミネラルや水分を補えます。特にミネラルウォーターがおすすめです。

最後に、アルコールは肝臓で代謝されるなかで中性脂肪をつくりやすくする働きがありますので、糖質の有無に関わらず、どんなお酒でも適量を守ることが健康的な飲み方です。健やかな家飲みライフをお過ごしください。

※記事の情報は2021年3月16日時点のものです。
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