「カバラン ジン」。台湾のカバラン蒸留所から日本上陸

台湾のウイスキー蒸留所カバランが製造する「カバラン ジン」が、この10月に日本国内で発売。編集部でさっそく試飲してみたら、ジン・ファンならずともぜひ一度は試してみたい魅惑的な味わいでした!

ライター:まるまる
メインビジュアル:「カバラン ジン」。台湾のカバラン蒸留所から日本上陸

ウイスキー界を席巻するカバランが手がけるジン

「カバラン ジン」は、台湾のプレミアム・ウイスキーブランド「カバラン」が製造するジン。海外ではすでに発売されて話題になっていましたが、この10月いよいよ日本に上陸。国内の酒販店の店頭に並びはじめました。

カバラン蒸留所は、亜熱帯の台湾でシングルモルトウイスキーを製造する蒸留所。ウイスキーは寒冷地でつくるものという常識をくつがえし、2008年の初出荷以来、シングルモルトの傑作をつぎつぎと発表、国際コンテストも総なめにして、いまなお世界に驚きをもって迎えられている蒸留所です。

そのカバランのシングルモルトと同じ蒸留所で蒸留される「カバラン ジン」は、ウイスキーと同じく、台湾第2の高峰「雪山」を擁する雪山山脈から流れる水源から汲み上げた清冽な水が使われます。
 
連続式蒸留器
カバラン蒸留所は、ポットスチル(単式蒸留器)を20機も備えた大規模蒸留所として知られていますが、ジンは、同じ蒸留所内にあるこのドイツ製の連続式蒸留器で3回蒸留して製造されます。

ボタニカルはジュニパーに加えて、金柑、レッドグァバ、スターフルーツなど、フルーツ王国台湾の、なかでも蒸留所の位置する宜蘭県特産のフルーツを含む6種類を使用。

日本での販売を手がけるリードオフジャパンさんからは、

「口当たりはスムーズで、金柑から感じる柑橘の心地よい苦味、スターフルーツのさわやかな甘味、レッドグァバの心地よい甘味など6種類のボタニカルが複雑味をもたらしつつ、調和のとれたエレガントな風味が特徴」

「うだるような暑い日にプールに飛び込んだときのようなすがすがしさと優雅さを感じられる」

という、アメリカンニューシネマのワンシーンのように詩的な、素敵なテイスティングノートが届きました。 これはぜひカバランのジンを飲んでみなければ! ということで、さっそく編集部でも一口味わってみました。

カバランのジンを飲む前に有名なジンで予習

ザ・ボタニスト
カバランのジンを飲むにあたって、比較対象があったほうがいいと思い、同じくシングルモルトの蒸留所が作っている「ザ・ボタニスト」をまず飲んでみることに。「ザ・ボタニスト」は、スコットランド・アイラ島のウイスキー蒸留所、ブルイックラディ蒸留が作るジン。アイラ島でとれた22種類のボタニカルを使っているというだけあって、さわやかでありながら複雑で、なんともいえない深みのあるドライ・ジンです。カクテルにもいいと思いますが、ぜひロックで飲みたいジンです。
 
ボルス
続いて、オランダのジュネヴァ・ジンの有名ブランド、ボルス。こちらはロンドン・ドライ・ジンと違って、原料に麦芽を多く使い、単式蒸留器を使う伝統的な製法で作られる、香味豊かなジンです。色も無色ではなく少し黄色味がかっています。

ロンドン・ドライ・ジンを飲み慣れた私が、このジュネヴァ・ジンのボルスを初めて飲んだ感想は「これは・・・焼酎じゃん!」というものです。ホントに豊かな麦芽の香りがして、味わいも素朴ながら上質な焼酎といった感じ。これはストレートでじっくり飲みたい感じのジンでした。

「カバラン ジン」を飲んでみる

カバランジン
そしていよいよ本題の「カバラン ジン」です。まずストレートで。これは驚きでした。はじめに南国の豊かなフルーツの甘い香りが主張してきます。そしてひとくち含んでそのフルーツっぽい甘さにさわやかな金柑の苦味がプラス。オリーブの実のような豊かなボディ。

思い浮かんだのは、老舗の名バーテンダーが作ってくれるとびきり上等なマティーニです。ストレートのジンだけで、いつまでも飲んでいたくなるような、魅惑的な味わいなのです。

「プールに飛び込んだときのすがすがしさと優雅さ」はまさに言い得て妙。少しずつ味わうたびに、リゾートのプールサイドで過ごしているかのような優雅な気持ちになってくる、そんなジンでした。

続いてロックで飲んだら、これもまたキリッとした別の顔を見せてくれて、これも忘れられない一杯になりました。

今回飲んだ他のジンとあえて比べて例えるなら、「ザ・ボタニスト」の洗練と、「ボルス」の素朴な力強さ、その両方を兼ね備えたようなジンなのでした。何かいいことがあったとき、特別な日に飲んだらもっと豊かな気持ちになれる、そういうスピリッツです。

クラフト・ジンを中心に盛り上がるジン・ブーム。カバランはアジア有数の大規模蒸留所なので「クラフト」に分類されるのかどうかはわかりませんが、ジン・ファンの話題の中心になる、特別なジンであることは間違いなさそうです。
 
カバランジン
カバラン ジン
内容量:700ml
アルコール度数:40度
希望小売価格:4500円
原産国:台湾
発売日:2019年10月上旬
発売:リードオフジャパン株式会社



※記事の情報は2019年10月3日時点のものです。

 
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