まるで花のよう!?花酵母の日本酒を飲んでみた!

名古屋の酒類卸イズミックの青田が、いま注目のお酒の情報をバイヤー目線でお届けします! 今回は花酵母を使って造った日本酒をご紹介します。

ライター:青田俊一青田俊一
メインビジュアル:まるで花のよう!?花酵母の日本酒を飲んでみた!

なでしこ花酵母を使った日本酒

私が住む名古屋もいよいよ梅雨入りということで、なんだかじめっとして気持ちも上がらない今日この頃。こういうときは爽快にビールといきたいところですが、今回ご紹介するのはそんな梅雨のいやな気分をハッピーにしてくれそうな花酵母を使用した日本酒、「奥の松 甘口純米」です。

日本酒の酵母というと熊本の9号酵母や長野の真澄の7号酵母、秋田の新政の6号酵母などの協会酵母が有名ですが、最近はワイン酵母を使用した日本酒造りや、花から分離させた花酵母を使用した日本酒造りなどの研究も盛んに行われています。今回ご紹介するのは後述の花酵母で、東京農業大学にてなでしこの花から分離したなでしこ花酵母です。
正直なところ以前は日本酒はかくあるべきみたいなスタンスだったので、花酵母のような所謂“変り種”酵母は邪道だと思っていたのですが、その多様な味わいの魅力にはまってしまい、今ではちょっとしたマイブームになってしまいました。(先日の日本酒ハイボールの記事でも1本セレクトしました)珍しい酵母を見つけると憂いワクワクしてしまいます、というわけで早速ですがお楽しみの試飲タイムです。

飲んでみた。

奧の松 甘口純米
それでは開けてみましょう。今回は香りを重視したいところなので、レーマン社の日本酒用グラスに注ぎます。注いでみるとほんのりですが色のある感じ、ワインでいうところの甲州のような淡い色合いです。
ワインでいうところの甲州のような淡い色合いです。
香りはフローラルな香りで吟醸系の華やかさとはまた違った華やかな香りです。
味わいは蜂蜜のようなほんのりとした甘さで、甘さがふわっと余韻に残ります。商品名が甘口純米とありますが、べたっとした甘ったるい甘さではなく、酸味もほどよくのったフルーティーな甘さに仕上がっていて、食前にアペリティフとして良さそうです。飲んだときに鼻から抜けるフローラルな感じがやや強いような気もするので、食事といっしょにというよりかはこれ単品でじっくり楽しむ、もしくはマスカルポーネなどクセの弱いチーズに合わせてもいいかもしれません。

夏に日本酒はちょっと重いかなという方も、だまされたと思ってこの“変り種”酵母をお試しいただければ、きっと新しい世界が見えるはずです。また他の変り種を入手したらこちらでご紹介したいと思います。
この夏はぜひ家飲みで新しい酵母の世界をお楽しみください。

奥の松 甘口純米【商品概要】

  • 産地:福島県
  • 原材料:米、米麹
  • 精米歩合:60%
  • 日本酒度:-6
  • アルコール分:15%
  • 容器 / 容量:瓶 / 720ml
  • 参考小売価格:1,250円(税別)
  • 製造元:奥の松酒造
※記事の情報は2018年6月11日時点のものです。
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