使ったブドウは955種類! 平和のワインを飲んでみた。

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今回は世界平和を祈って作られたイタリアの白ワインをご紹介します。

ライター:青田俊一青田俊一
メインビジュアル:使ったブドウは955種類! 平和のワインを飲んでみた。

平和のワイン“ヴィノ・デラ・パーチェ”

平和のワイン“ヴィノ・デラ・パーチェ”
サッカーワールドカップもいよいよ決勝ラウンド、見応えのある対戦カードばかりでますます寝不足な毎日が続いているのではないでしょうか。やっぱり世界中が1つのスポーツで盛り上がるというのはとても素晴らしいですよね、というわけで今回はそんな世界の平和にちなんだワインをご紹介したいと思います。今回もかなり無理やりなこじつけでした。

今回ご紹介するワインは「ヴィノ・デラ・パーチェ」。イタリア語で“平和のワイン”という意味のワインです。

ヴィノ・デラ・パーチェはイタリア北部、フリウーリ・ヴェネツィア・ジュリア州のコルモンス醸造組合で造られたワイン。このコルモンスが世界の平和を願って、世界中よりブドウの苗木を取り寄せて植え、それを収穫してひとつのワインに仕上げたのがこのヴィノ・デラ・パーチェです。これが“平和のワイン”という名の由縁です。

またこのヴィノ・デラ・パーチェはラベルにも平和の意を込めており、各ヴィンテージ毎で平和をモチーフとしたデザインのラベルを3種類リリースしています。
今回ご紹介する2012年のヴィンテージは、イタリア人アーティストのエミリオ・イスロ氏、エンリコ・カスラーニ氏、そしてイタリア在住の日本人、吾妻兼治郎氏の3人のラベルデザインとなっています。ちなみにかつてはオノ・ヨーコ氏も手がけたことがあるそうです。
吾妻兼治郎氏のラベル
写真は吾妻兼治郎氏のラベル、イタリアのワインに日本人のサインが書かれているのはなんだか新鮮な感じです。

そしてこのヴィノ・デラ・パーチェですが日本にゆかりのあるのはラベルだけではありません。世界中から集められた苗木の中には日本を代表するブドウ品種、甲州も含まれています。この2012年ヴィンテージはその甲州も含め、なんと955種類ものブドウを使用して仕上げられています。955種類ものブドウを使用したワインは世界でも例を見ない、ただひとつのワインだと思います。ブラインドテイスティングしても100%当てられません、というか955種類もブドウ品種を言える人に出会ったことはありません。

と、955種類のブドウなんてまったくもって未知の味、ここは早速お楽しみの試飲タイムで未知との遭遇です。

飲んでみた。

ヴィノ デラ パーチェ
それでは開栓です。
未知との遭遇にワクワクしつつグラスに注いでみると、色合いはゴールド、輝きがあってとてもきれいです。やや粘度もある感じで熟成を感じさせます。
グラスからはモスカートのようなフルーティな香りに加え、トロピカルフルーツのような甘い香りがします。
続いて香りです。グラスからはモスカートのようなフルーティな香りに加え、トロピカルフルーツのような甘い香りがします。
口に含んでみると控えめな酸味とクリーミーな口当たり、果実味もまろやかでコクのある味わい、アフターに少し樽のニュアンスを感じます。955種類もブドウを使ってまともなワインになるのだろうかという懐疑心はまったくもって無意味でした、これはただただ美味しいです。クリームソースを使った料理や、ゴルゴンゾーラのようなチーズとの相性が良さそうです。ちょっと贅沢な家飲みをするときに飲みたい、そんな味わいの1本です。

ちなみに今回試飲した2012年ヴィンテージ以降は、ブドウの出来が芳しくないとの理由で生産されていません。この2012年ヴィンテージが現状では実質上のラストヴィンテージとなっており、かなり貴重なワインとなっています。

世界中のブドウの風味を1杯のグラスに、そんな平和への想いを込めた現存最後のストックを、特別な日の家飲みにぜひいかがでしょうか。
 

ヴィノ デラ パーチェ【商品概要】

  • 産地:イタリア
  • 品種:白ブドウ95%、黒ブドウ5%の割合で955種のブドウ
  • ヴィンテージ:2012年
  • 容器 / 容量:瓶 / 750ml
  • 参考小売価格:4,750円(税別)
  • 輸入元:オーレジャパン
※記事の情報は2018年7月9日時点のものです。
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