柑橘好き集まれ！鹿児島の老舗焼酎蔵が造ったクラフトジンを飲んでみた。

鹿児島の老舗焼酎蔵から地元ならではのボタニカルを使用したクラフトジンがリリース！

2018.09.26

メインビジュアル：柑橘好き集まれ！鹿児島の老舗焼酎蔵が造ったクラフトジンを飲んでみた。

名古屋の酒類卸イズミックの青田が、いま注目のお酒の情報をバイヤー目線でお届けします！今回は鹿児島の老舗焼酎蔵のクラフトジンをご紹介します。

老舗焼酎メーカーが造るクラフトジン

先月の記事でもクラフトジンをご紹介しましたが、このクラフトジンブームは衰え知らず。また新しい商品を入手しましたので、今回もクラフトジンをご紹介します。今回で5回目となるクラフトジンレビュー、ご紹介するのは7月に新発売となった「KOMASA GIN - 桜島小みかん-」です。

「KOMASA GIN -桜島小みかん-」は鹿児島県の老舗焼酎蔵、小正醸造が造るクラフトジン、名前のとおり「桜島小みかん」をボタニカルに使用しているのが特徴です。

小正醸造は1883年創業の歴史ある焼酎蔵。本場鹿児島の芋焼酎を始め麦焼酎、米焼酎と幅広い商品を展開しています。またスタンダードな焼酎のみならずノンアルコール焼酎のような画期的な商品を開発したり、ウイスキーの蒸留所を設立するなど、老舗ながら革新的な一面も併せ持つ鹿児島を代表する蔵のひとつです。個人的にも昨年、蔵に研修に行かせていただいてさつま芋の収穫、選別からひげ取り、麹室での作業など半日間みっちり貴重な体験をさせていただいた思い出深い蔵元です。

そんな小正醸造がこの7月に満を持して発売したのがこの「KOMASA GIN -桜島小みかん-」です。
「KOMASA GIN -桜島小みかん-」は米焼酎をベースに桜島小みかん、ジュニパーベリー、コリアンダーなどのボタニカルを使用しています。このボタニカルのなかで特筆すべきはやはり桜島小みかんでしょう。桜島小みかんは世界最小のみかんと言われ、火山灰土壌で稲作に適さない桜島では重要な作物とのことで、果実の直径は4～5cm、重量も40g程度と非常に小ぶりな果実ながら、その香りと凝縮された甘みは抜群だそうです。出荷時期が12月頃の1ヶ月間と非常に短いのも特徴で、そんな希少な桜島小みかん特有の味わいを詰め込んだクラフトジン、これは期待せざるを得ません。ということで早速お楽しみの試飲タイムです。

飲んでみた。

ではグラスに注いでみます。注いだ瞬間からフルーティーな柑橘の香りが漂います。味わいはクラフトジン特有のボタニカルの複雑さはなくかなりすっきりとした印象。口当たりもよく、口の中にほんのりとした甘さと柑橘の香りが広がります。このすっきりとした印象の秘密はボタニカルの比率にあるようです。一般的にジンはジュニパーベリーを筆頭に多種多様なボタニカルを複雑に調合して蒸留します。それに対しこのジンはジュニパーベリー以外のボタニカルの使用を最小限に抑え、シンプルな味わいに仕上げているそうです。なので桜島小みかんの持つ柑橘のフルーティーな風味が活かされた個性的な味わいが成立しているのですね。この爽やかな飲み口はロックでもさらっと飲めちゃう飲みやすさ。とはいえ普通にアルコール度数は45度、飲みすぎには注意です。

お次は炭酸で割ってみましょう。みかんの爽やかな香りに炭酸の爽快感がマッチしてとてもフレッシュな印象に仕上がりました。ロックよりもさらにすっきり、ドライな味わいではあるものの、柑橘系の風味もしっかりとアフターに感じることができます。柑橘の香りがとても心地よく、あえてこれ以上の小細工することなくシンプルに楽しめる完成形の飲み方ではないでしょうか。個人的には今までのクラフトジンの中では一番好みです。
また、もっと柑橘感を楽しみたい、と言う方にはジントニックはもちろん、オレンジブロッサムのようなオレンジジュースを使うカクテルにアレンジするのもありかと。柑橘系がお好きな方にはもってこいのクラフトジンではないでしょうか、家飲みでも大活躍しそうです。

鹿児島からやってきたクラフトジンは柑橘好きにはたまらない１本でした。老舗焼酎蔵の新しい試み、ぜひ一度ご賞味を。
新しい試みというと今年設立されたウイスキーの蒸留所、嘉之助蒸溜所も気になるところ。ぜひ見学に行きたいところなんで、今年も芋焼酎の時期にお邪魔させていただこうかなと思っています。探訪記にご期待ください。

KOMASA GIN -桜島小みかん-【商品概要】