チャコリワインを50cm上から注ぐエスカンシアを現地スペインで体験!

美食の町として知られるサン・セバスティアン(スペイン)では、世界屈指の星付きレストランで贅沢なお食事も楽しめますが、自分の財布に合わせて食べたいものを選べるバル巡りが人気です。自慢のおつまみ一皿とワインを1杯だけ飲んで次々にバルをはしごします。そして地元のチャコリワインはグラスの数10cm上から注ぐスタイル「エスカンシア」がお決まりです。さあ、軽い白ワインを用意してエスカンシアにチャレンジしてみましょう。

メインビジュアル:チャコリワインを50cm上から注ぐエスカンシアを現地スペインで体験!

香りを開かせるチャコリワインのエスカンシア

ビルバオでレンタカーを借りてサン・セバスティアンへ。よく整備された高速道路で快適なドライブ、途中にチャコリワインのワイナリーがあると聞いて寄り道してみました。山が迫る海沿いのゲタリアの町のワイナリーは、高台の丘のいちばん上にありました。ワイナリーの周りの斜面にはブドウ畑が広がっています。
ワイナリー周辺のブドウ畑
ゲタリアはチャコリワインの一大産地。微炭酸でフレッシュな酸のカジュアルなワインだ
ショップとレストランが併設されていたので、軽くランチできればラッキーと思ったのですが、食事は予約なしでは食べられませんでした。代わりにたくさん試飲していってとセニョーラ。コルク栓を抜くとワイングラスの20cmほど上から注ぎ入れます。これがエスカンシアです。ワインを勢いよくグラスに落とすことで、香りを開かせ酸の角をとって飲みやすくするのだそうです。
エスカンシアでワインを注ぐ女性
私たちのやり取りを見ていた初老の男性が手招きします。この方、ランチツアーでやってきた男性ばかりのグループの一人です。グラスにワインを注ぎ始めると、椅子に座ったまま自慢げにボトルをどんどん高く上げていきました。40~50cmは上から注いだでしょうか。ワインはまったくこぼれません。
エスカンシアでワインを注ぐ男性
あちこちにエスカンシアの腕自慢がいるようでした

チャコリワインのタンクから直接エスカンシア

ショップでチャコリワインを2本買って、店を出ようとすると食事を終えたグループがレストランの奥の方に移動していきました。ひょっとして醸造所の見学か?と思い勝手に付いて行くと、案の定、行先は大きなタンクが並ぶ部屋でした。断られたら出て行けばいいのですから、こういう時は知らん顔してついていくことにしています。
チャコリワインのステンレスタンク
チャコリワインがたっぷり詰まったステンレスタンクが並ぶ
おじさんたちが皆、手にグラスを持っているので何が始まるのかと思っていると、タンクの蛇口の栓をひねって、ピューッと飛び出すワインをグラスで受け止めます。自分で瓶からグラスに注ぐエスカンシアは見た目よりも難しく、グラスになかなか入らず、テーブルがワインでびちゃびちゃになってしまいますが、タンクから飛び出すワインを受けるだけなら簡単です。
ピューッと出てくるワインをグラスでジョワジョワ受けてそのまま飲む
ピューッと出てくるワインをグラスでジョワジョワ受けてそのまま飲む

サン・セバスティアンでもエスカンシア

街中のバル
街中のバル
サンセバスチャンの街並み
サンセバスチャンの街並み
あっちもこっちも魅力的な店ばかり。バルだけでなく物販店も楽しい店が揃っています。

食べ歩きに詳しい友人から時間が限られるならここは行くべしと教えてもらったのが「ATARI」というバルのたこ料理です。メニューに見当たりませんでしたが、「オクトパス」と言ったらすぐにわかってもらえました。15分ほど待って出てきたのは大皿に盛られた太いたこの足。この太さは真蛸系ですかね。付け合わせのポテトの素揚げもおいしくいただきました。
ATARI名物のたこ料理
これがATARI名物のたこ料理。スパイシーですが噛むとタコのうまみがジュワジュワ出てきました
カウンターにはたくさんのピンチョスが並んでいます
カウンターにはたくさんのピンチョスが並んでいます
カウンターで立ち飲みが多いですが、テーブル席のある店もあります。
カウンターで立ち飲みが多いですが、テーブル席のある店もあります
ドリンクはチャコリワインとシドラ(シードル)にしました。どちらもグラスで1~2€(140~280円)と激安。シドラは小ぶりなタンブラーに、チャコリはワイングラスに3分の1くらい注いでくれます。もちろん注ぎ方は、グラスを左手に持ち、ワインを注ぎ始めると高く持ち上げるエスカンシア。突然始めたので、残念ながらエスカンシアの写真は撮れませんでした。ゆっくり食べ歩きを楽しみたい町です。2~3泊されることをおすすめします。ちなみにサーフィンもできます。
シドラとチャコリワイン
おいしい酒と料理をリーズナブルにカジュアルに楽しめるのがサン・セバスティアンの人気の秘密でしょう。

※記事の情報は2019年10月19日時点のものです。
 

  

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