濃厚な果実味が魅力の品種「ジンファンデル」《ブドウ品種のお話①》
ソムリエの資格をもつ、名古屋の酒類卸の青田がブドウ品種を紐解く企画。第1回は、その豊かな果実味から熱狂的なファンの多い赤ワイン用ブドウ品種「ジンファンデル」です。
第1回目は赤ワイン用品種「ジンファンデル」をご紹介します。
ワイン選びはブドウ選び
なので、ブドウ品種のことを少しだけ知っていれば、ワインを見ただけでなんとなくの味の想像ができるようになります。自分の好みの味わいのワインにたどり着くには、まずはブドウ品種を知るのが近道。そんなワイン選びの参考になればと思い、ブドウ品種を知ってもらうための企画を新たに始めることにしました。
赤ワインならカベルネ・ソーヴィニヨンやピノ・ノワール、白ワインならシャルドネやソーヴィニヨン・ブランといった品種は有名どころなので、そんなにワインに詳しくない方でも耳にしたことがあるかもしれません。
この企画ではそのあたりの有名どころのお話というより、あまりメジャーではない品種にスポットを当ててご紹介していきたいと思います。
記念すべき第1回目は、私がこよなく愛するブドウ品種「ジンファンデル」をご紹介します。
\白ワインの品種を知りたい人はこちら/
赤ワイン用ブドウ品種「ジンファンデル」の特徴
ワイン売場でこのプリミティーヴォを見かけたら、ちょっと乱暴な言い方ですが、ジンファンデルとだいたい同じものだと思っていただいても大丈夫です。ちなみにこのプリミティーヴォという名前、イタリアでは他の品種に比べて早熟なことから“最初”を意味する「プリミティーヴォ」と名付けられたそうです。
「ジンファンデル」と「プリミティーヴォ」はどう違う?
ざっくりのイメージでは、カリフォルニアのジンファンデルはスパイシーな印象、プーリアのプリミティーヴォは酸味のあるジューシーな印象のものが多いです。
と、まあエリアによる多少の違いはあれど、とにかくこの品種の最大の特徴はその濃厚な果実味とパワフルな味わいです。ジンファンデルは他のブドウと比べて糖の含有量が多いため、アルコール度数の高い力強い味わいのワインになります。そのため長期熟成に向いているというのもジンファンデルのひとつの特徴です。
ジンファンデルの味わいとは?
私のイチオシはこちら「マンモス ジンファンデル」です。
表記はジンファンデルですが、こちらはイタリア、プーリアのワイン。最近はドイツのワインでもシュペートブルグンダー(ピノ・ノワールのドイツ名)ではなく、分かりやすいようあえてメジャーなピノ・ノワール表記にしているものをよく目にするようになりましたが、こちらもプリミティーヴォではなくあえてのジンファンデル表記です。
香りは赤い果実、ラズベリーのような香りとコショウのようなスパイスの香り、どちらもはっきりと主張した香りです。味わいはとにかく果実味。これぞジンファンデルという強い味わいです。
加えてイタリアらしいしっかりとした酸味があとから口に広がります。タンニンはさほど強くなく、ほんのりですが樽の香りが余韻に残ります。料理と合わせるなら肉々しい肉の一択です。それくらいパワフルな1本です。
このようにジンファンデルは肉料理との相性が抜群。「カーニヴォ ジンファンデル」のように肉専用とまで謳ったワインもあるくらいです。
「カーニヴォ ジンファンデル」はカリフォルニアのワイン。先にご紹介した「マンモス ジンファンデル」よりさらに凝縮した果実味が特徴的です。
マンモスのほうはプーリアらしい酸味がありましたが、こちらはカリフォルニアらしくスパイシーな印象。このスパイシーな味わいが、シンプルに焼いただけのお肉によく合う、まさに肉専用ワインという1本です。
どちらも実勢売価なら2,000円を切る価格で購入いただけると思いますので、この圧倒的な果実感をまだ未体験の方はぜひ一度お試しいただきたいと思います。少し品揃えの良い売場なら1,000円台で購入できるジンファンデル、プリミティーヴォは意外とあったりしますので、手軽に家飲みで楽しめるのも嬉しい品種です。
この濃厚な果実味の虜になってみませんか?
マンモス ジンファンデル【商品概要】
- 産地:イタリア
- 原料品種:ジンファンデル
- 容量 / 容器:750ml / 瓶
- 参考小売価格:2,019円(税抜)
- 輸入元:モンテ物産
カーニヴォ ジンファンデル【商品概要】
- 産地:アメリカ
- 原料品種:ジンファンデル、その他
- 容量 / 容器:750ml / 瓶
- 参考小売価格:1,750円(税抜)
- 輸入元:サントリー酒類
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