肉料理と相性抜群の赤ワイン用ブドウ品種「マルベック」《ブドウ品種のお話④》
ソムリエがブドウ品種の魅力を紐解きます。アルゼンチンが産地として有名な品種で、濃縮した果実味が肉料理との相性抜群な赤ワイン用ブドウ品種「マルベック」を解説します。
ブドウ品種をソムリエがわかりやすく解説
赤ワイン用ブドウ品種「マルベック」の特徴
「マルベック」の最大の特徴は、果皮の厚さに起因するその濃厚な色合いと豊富なタンニン。そして芳醇な果実味でジューシーな味わいが肉料理と非常に相性のいいワインとして知られています。
そんな「マルベック」の産地として最も有名なのがアルゼンチン。アルゼンチンでは「マルベックに始まりマルベックに終わる」と言われるくらい有名な品種で、世界のマルベックの栽培面積の75%以上を占めるほどの生産量を誇ります。
アルゼンチンは穀物や野菜よりも牛肉のほうが安いと言われるくらい国で、牛肉の消費量は日本の10倍、世界では2番目の牛肉消費国。そんなアルゼンチンで肉料理との相性抜群の「マルベック」の栽培が盛んなのは非常に理にかなったお話です。アルゼンチンには「アサード」という大きな牛肉の塊に岩塩をすり込み、じっくりと炭火で焼く名物料理があるのですが、マルベックとの相性はやはり格別です。
マルベックのルーツ
マルベックは19世紀の前半まではボルドーで最も栽培されている品種でしたが、以前の記事で取り上げた“フィロキセラ”の被害によりカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローといった今のボルドーの主要品種に植え替えられ、徐々にその生産量が減少していきます。
一方、もともとの原産地であるフランス南西部に位置するカオール地区では今でも重要な品種。“ブラックワイン”と呼ばれるほどに濃厚な色合いの力強いワインを生産しています。ただ日本ではあまりメジャーな生産地ではないので、フランスワインの品揃えにそこそここだわったお店でないとお目にかかることはないかもしれません。
マルベックの味わいとは
ご紹介するのは「ロ・タンゴ・マルベック」。マルベックの入門編としておすすめのワインです。
ヴィンテージが2020年とまだ若いので、マルベックらしい力強い味わいを期待されるとやや物足りない感は否めませんが、逆にマルベック初心者にはとても飲みやすい印象に仕上がっていると思います。
バランスがいいのでどんな料理にも合うと思いますが、やはりここは肉料理に合わせたいところ。価格的にも比較的にリーズナブルなタイプなので、ステーキやローストビーフと気取らなくても、焼肉でカジュアルに楽しむのもよさそうです。
マルベックはスーパーなどでも比較的手に入りやすいワインですので、家飲みで焼肉をするときにでも気軽にお試しいただければと思います。
【商品概要】ロ・タンゴ・マルベック
- 生産地:アルゼンチン
- 原料品種:マルベック100%
- アルコール度数:14%
- 容量 / 容器:750ml / 瓶
- 輸入元:エノテカ
- 参考小売価格:2,000円(税抜)
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