酒好きほぼ100人に聞いた「酒造業の新規参入ラッシュ」知っていますか?
国内の酒類消費量は減少傾向が続いていますが、近年、成長分野の酒類製造免許は続々と下付され、酒造業は新規参入ラッシュとなっています。今回の酒好きほぼ100人に聞く「酒飲みのミカタ」は急増する酒造業について聞きました。
どんどん増える酒類メーカー
最多はクラフトビールブルワリー
ワイナリーも各地の続々誕生
梅酒や薬草酒の製造にも新規参入
ジン&ウイスキーの蒸留所は急増
参入ラッシュの認知はビール類がトップ
全国に酒造特区が180弱と最も多いどぶろくは新規免許(その他の醸造酒製造免許)の取得数が9年間で115ありますが、増加していることの認知率は4割にとどまりました。実際の増減だけでなく、アンケート回答者がふだん親しんでいる酒類や、関心を向けている酒類で認知率が高まっていると思われます。
まだまだ低い飲用経験
新規参入がない清酒と本格焼酎
続けて「清酒製造免許が新規で出ないため、『その他の醸造酒』の製造免許でクラフトサケ(どぶろくや副原料を使用するなどしたSAKE)を製造していることを知っているか」と質問したところ、認知していたのは38%でした。ただし、その内「よく知っている」と回答した人は12%にとどまり、酒好きな回答者の間でもまだ詳しくは知られていないことがわかります。
酒造免許の自由化に賛成の声多数
「ウイスキー蒸溜所の誕生は魅力的だが、海外原料100%なものはどうかと思います。清酒は規制緩和すべきだと思います」(男性:30代)
「新しい酒造メーカーが増えるのは良いことだと思う。既存のメーカーを守る意味もあるのかもしれないけれど、新規取得はしやすい方が良いと感じる」(男性:30代)
「ワインやビールの醸造所が増えていることは新聞などで知っていましたが、酒屋さんで見ないので、あまり実感がありません。消費者としては、選択肢が増えることだけでなく、酒屋さん、チェーンのリカーショップなどでどれだけ新しいものが目に入るかというのが重要ポイントだと思っています」(女性:40代)
「競争が起こり、品質が良くなると期待したいが、今ある酒造が、どれだけ生き残れるかは疑問。今となっては業界の成長を阻害しているように感じる。その分、今の造りに慢心している蔵も多いのでは無いかと感じる」(男性:40代)
「消費者にとって選択肢が増えるのは良いことだと思うが、質の担保のためにはある程度(の規制は)やむを得ない面もある」(男性:40)
「(酒造メーカーの)増加により従来のビジネスモデルが変化してきていることは既存のメーカーへの良い刺激になっていると感じでいます。ただ、新規参入企業増加初期はブルーオーシャンだったかも知れませんが、現在はブランドの差別化が難しくなり、レッドオーシャン化しているように思います。資金力、技術力、マーケティング力といった基礎体力を欠いた企業は淘汰されるのでは」(女性:40代)
「供給過多で共倒れにならないか心配。(一定の規制は)粗悪品の抑止になり得るので良い事だと思う 」(男性:50代)
「(製造免許の条件に)最低製造量を設けられているが、厳密に適用したら既存酒蔵は何社生き残れるか?新しい息吹を認めない業界は遅かれ早かれ無くなるだろう」(男性:50代)
【調査概要】
調査期間2023年6月3日~7日/有効回答137人(酒好きな人)/ネットアンケート調査
※記事の情報は2023年7月6日時点のものです。
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