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余らせがちな「沖縄みやげ」が、イエノミで使えるという話。

余らせがちな「沖縄みやげ」が、イエノミで使えるという話。

秋風立つ今日この頃、みなさまのお手元には夏の名残の旅みやげが集まっていたりするのではないでしょうか。集まってますよね? もらう時は嬉しいけれど、実はけっこう持て余しがちなのが食品関係のおみやげ。中でも調味料やお酒は「現地では美味しかったのに、帰宅してから味わうとなんか違う……」ことで有名です(筆者調べ)。今回は、沖縄出身の私めが、周囲の酒飲みさんたちへのリサーチを経て「これは食べきれなかった」「ずっと家に残りがち」な沖縄みやげをピックアップ。普段のイエノミに取り入れる方法をご提案させていただきたく~。あなたの家にも眠っていませんか、コレ?

コーレグース

島唐辛子を泡盛に漬け込んだ辛味調味料。辛味が染み出した泡盛は2、3滴でも「ヒアー!」と甲高い声が上がるほどのシャープな辛さ。沖縄全土で、主に沖縄そばのスープにアクセントとして使われています。そのほか、味噌汁や鍋の薬味、炒め物にも使いやすい。

持て余した人の声

「珍しい!」とテンション高く買い込んだものの、結局は1度も使わないまま数年経ってしまっています……」

アレンジ|トムヤムクン

市販のスープキューブをお湯で溶き、好みの具を加えて火を通したら仕上げに1、2滴垂らします。これだけでかなり辛味がプラスされて本格的な味わいに。スープを多めに作ってフォーや半田素麺などの麺類と合わせてみてもいいと思います。

スクガラス

アイゴ(沖縄の方言ではエーグヮー)という魚の稚魚を塩漬けにしたもの。「スク」はアイゴの稚魚、「ガラス」は塩漬け(カラス)を意味します。瓶にみっちりと並んだスクの姿がインパクト大! 沖縄の市場などで見かけたことのある方も多いのではないでしょうか。小さな姿はかわいらしいのですが、意外にも固い骨が存在感をアピールし、塩漬けだから当然なのですけど「おうっ」と声が出るほど塩辛い! 沖縄の居酒屋やお父さんの晩酌では、島豆腐に数匹のっけただけの「スクガラス豆腐」として食べられています。というか、ほかの食べ方ってあまり聞かないような。

持て余した人の声

「なにこれおもしろい!」と思って買ったはいいけど食べ方がわからず冷蔵庫に寝かせること幾星霜。結局開封しなかったはず」

アレンジ|バーニャカウダ

塩漬けの小魚ということは、アンチョビ同様に使えるのではないかということで、バーニャカウダのソース・手抜きバージョンにしてみました。

スクを包丁で細かく叩き、鍋で熱したガーリックオイルに加えて風味をしっかりと引き出し、牛乳(あれば生クリームだとなおよし)を注いでぽってりとするまで弱火で加熱。焦げ付きやすいので絶えずかき混ぜるのがポイントです。生のニンニクだとベストですが、刻むのが面倒くさい私はガーリックパウダーで代用しています。それでもそれっぽい味になりました。好みの野菜に添えてお召し上がりください。

 

野菜を食べた後には、ソース皿の底にスクやガーリックの欠片が残っているはず。これもまたいいアテになるんですわ。

バゲットなどにチーズをのせ例の欠片をぱらぱらと散らして焼けば、「アンチョビガーリックトースト」もどきがあっという間に完成! チーズがなければバターやマヨネーズでもいいと思います。

ピパーチ

石垣島を中心とする八重山地方に自生する島胡椒。民家の塀などに蔦状に枝を伸ばしている。細長い実を乾燥させて粉末にしたものを、八重山そばの薬味として使うのが定番。甘やかな香りが特徴で、白胡椒と黒胡椒の間のような風味を持ちます。

なぜか通称が幾通りもあり、「ヒバーチ」(筆者の周辺ではこれが多い)、「ピパーツ」、「ヒハツ」などと称される。和名の「ヒハツモドキ」が元になっているよう。

持て余した人の声

「八重山に滞在中ゾッコン♡になって数本買い込んだのに、のに……」

アレンジ|ゴーヤの肉詰

ひき肉料理と相性のいいスパイス・ナツメグにも近い風味があるので、それを活かしてみました。ちょっとエスニックな味わいになります。ピパーツの香りを楽しむためにタレは使わず、肉ダネにしっかり塩を効かせるのがポイント。ゴーヤ以外にピーマンやナスに詰めてもいいですね。

アレンジ|鶏モモピパーチ焼き

いつもは粉山椒で仕上げるこの料理。山椒ほどの辛味はなくとも独特な香りのあるピパーチもよく合いました。鶏肉は日本酒と塩を揉み込んでから焼くと、身はしっとり&皮パリッパリになりますよ~。魚焼きグリルで焼くと余分な脂は落ちるのがメタボな中高年には嬉しい限り。

泡盛

言わずと知れた沖縄の酒! タイ米を使った蒸留酒で、ドライな飲み口は暑い沖縄で飲むのにぴったり。沖縄の人は「3:7」くらいの薄い水割りにして飲むことが多いです。

持て余した人の声

「沖縄で飲んだらあんなに美味しく感じたのに、関西に持ち込むと飲む気にならなくて……。気候や食べ物が違うからかなぁ」

アレンジ|ミルク&コーヒー割り

コーヒー、牛乳とともに。実は泡盛と相性がいいんです。シャリキンの記事でも触れた「コーヒー豆を漬け込んだコーヒー泡盛」もあるし、島の年寄りにはミルク割りを好む人も少なからず。

なので両方を合わせてみました。カルーアミルクぽくて飲みやすい! 一部の地域では「ワシミルク」と呼ばれるコンデンスミルクで割ることもあるのだとか(真偽不明。一度試したら脳が震えるほど甘くてすっごく酔った)。甘党の方はミルク&コーヒー割りにコンデンスミルクを少し加えてみてもいいかも。

「泡盛はくさい、クセがある」というイメージをもつ人も多いかと思いますが、最近出回っている20~25度のものは比較的さらっとしていて飲みやすいです。

ジンやウォッカのような感じでカクテルベースに使ってみるのもおすすめですよ。

アレンジ|温しゃぶ

水に1割ほどの量の泡盛とニンニク2片を入れて沸かし、火を止めてからしゃぶしゃぶ用の豚肉を1枚ずつ広げて入れます。蓋をして余熱で豚肉に火を通します。ほの温かいくらいで器にスープごと盛りつければしっとりとした状態で味わえます。ほんのりと泡盛の香りが立つのがいい感じ。ポン酢やゴマだれなどお好みの味付けでどうぞ。タレに前出のコーレーグースを加えてみるのもアリです。

 

ジャンル問わずのアレンジあれこれ、いかがでしたでしょうか。

「沖縄のものだから、沖縄っぽく使わないと」と思い込まずに、普段のアテにじゃんじゃん使ってみたら道が拓けた気がします。

せっかくの旅の思い出、最後まで美味しく味わえるといいですよね。

(そしてなくなった頃にまた手元にやってくるというパターン)

 

※記事の情報は2017年10月11日時点のものです。

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