酒粕のおいしい利用法
料理に使うとまろやかになる酒粕。日本酒と発酵フレンチのお店「SAKE Scene〼福」を経営する日本酒ラヴァー、簗塲友何里(やなば ゆかり)さんに、酒粕を使う時のコツを教えていただきました。
ひとくちに酒粕と言っても……
全国にある日本酒の蔵は1400程度。しかも各蔵で何種類もの銘柄を毎年造り、その度に酒粕が生まれるので、世の中にはかなりの種類の酒粕が存在します。蔵により銘柄により、それぞれ種類も異なります。
酒粕は栄養価の高い発酵食品
料理に使うのを前提に、私の経営するSAKE Scene 〼福のシェフに話を聞き、プロの視点からの酒粕の扱い方についてまとめてみました。当店は日本酒と発酵フレンチのレストランで、フランス料理のソースに発酵食品を使っています。もちろん、酒粕も日々料理で大活躍しています。まず、酒粕の種類と、それぞれに合った用途から。
酒粕の種類と料理に使う時のコツ
・純米大吟醸の酒粕
フルーティーで香り高い純米大吟醸は、50%以下に小さく削った米を使っています。当然酒粕に残った米粒も小さいのです。そのためクリーミーなソースなど、粒を感じさせずに料理に使いたい時には便利です。また、日本酒を搾り切っていないことも多いので酒粕に日本酒がたっぷりと残っていることもあります。その日本酒も良い調味料になりますね。基本的に酒粕を入れると味がマイルドになります。ただし入れすぎると苦みが出てしまう場合も。
・板粕
日本酒を搾る機械に自動圧搾濾過機というものがあります。蛇腹状の機械の中にもろみを入れ、両側から圧力を加えて搾ります。この機械で搾った際に板状になって取れる酒粕が板粕です。よくお店で見かける一般的な形状の酒粕ですね。板粕、圧縮されて板状に固まっていますが、米粒が目立つため、滑らかなソースなどには裏ごししなければならないなど少々手間がかかります。
・熟成粕
酒粕を熟成させたものが熟成粕です。密封した容器に酒粕を入れ、そのまま冷蔵庫や常温で数ヶ月熟成させます。見た目には味噌のように茶褐色になっていて、新しい酒粕よりもアミノ酸や糖がたくさん含まれています。
酒粕を身近なものに
また、蔵元さんをお呼びしての試飲会、蔵元会では料理に使う酒粕もその蔵のものを使うことで、日本酒との合わせを良くしています。最近は酒粕パックなどもあり、スキンケアにも大活躍の酒粕。ぜひたくさん生活に取り入れてみてくださいね。
※記事の情報は2019年6月12日時点のものです。
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