高級店も怖くない!紳士度を上げるレストランでの注文術

渋谷のワインバー「bar bossa(バールボッサ)」店主・林伸次さんによる連載〈バー店主が語るお店の使い方〉。今回は意外と知られていないボトルワインの頼み方を中心に、男性が知っておきたいレストランでのスマートな注文方法やマナーについて綴ります。

ライター:林 伸次林 伸次
メインビジュアル:高級店も怖くない!紳士度を上げるレストランでの注文術

「メニューを閉じる=注文が決まった」ことを伝える合図

テーブルに置かれたメニュー
飲み物が決まったので、店員さんに注文しましょう。

さて、あなたは店員さんに声はかけますか? 「すいません!」って感じで大きい声で店員さんを呼ぶことってありますが、基本的に高級なレストランなんかでは「大きい声を出すことはマナー違反」です。

メニューを閉じて、ウエイターの人と目をあわせれば、注文をとりにきてくれます。「メニューを閉じる」という行為が「注文が決まった」という合図なんです。

ですので、逆にメニューを開けっ放しにしているとウエイターは来てくれませんし、食事中もメニューを開けたままテーブルに置いておくと、ウエイターが「何か追加注文を思案中なのかな」ってずっと気にします。

注文が決まったらメニューを閉じてウエイターと目を合わせる、が正解です。もちろん大衆的なお店で大忙しな場合でしたら「すいません」とか「手をあげる」もアリですが。

注文は基本的に男性が全部伝えましょう

例えば「彼女がスパークリングワインをグラスで、僕は生ビールを」という感じです。

たまに男性だけが「俺、生ビール」と伝えて、女性を置いてけぼりにするシーンを見かけますが、もちろんメニューを見ているときに「飲み物はどうする?」って女性に聞いて、それを男性がウエイターに伝えてください。

ワインの注文は「赤か白か」と「金額」を伝えればOK

メニューを眺める
ワインをボトルで注文することについて解説します。もちろんあなたがワインに詳しければ、好きな銘柄を注文すれば良いのですが、そんなに詳しくない場合です。

まず白か赤どちらにすべきか彼女に好みを聞きましょう。そしてウエイターさんがテーブルに来たら、「白ワインをボトルでお願いしたいのですが、あまり詳しくなくて教えていただけますか。だいたい、6,000円くらいで考えています」とはっきりと金額を伝えるのが一番スマートです。

するとそのウエイターによって、「どういう白ワインがお好みですか?フルーティーなタイプとか、酸味がしっかりしたタイプとか」って言ってくれる場合もあるし、何本か適当に「この辺りはどうでしょうか。こういう味わいで…」って解説してくれる場合もあれば、お食事にあわせて何か提案してくれることもあります。

とりあえず、あなたが伝えることは、赤か白か、ということと、金額を伝えることです。

ちなみにこの「金額を伝える」とか「金額を質問する」というのは全然マナー違反ではありません。逆にお店側としてはすごく助かります。お寿司屋さんでもバーでも、「だいたいこのくらいで」って伝えたり、「大トロはいくらですか?」って聞くのも問題ありません。

テイスティングは「ワインが傷んでないか」をチェックする行為

ウエイターがワインを紹介
ワインのボトルがテーブルに到着しました。ウエイターかソムリエがワインのエチケット(ラベル)を見せて、このワインで間違いないかどうか確認を依頼しますので、あなたは「はい。それで」とうなずいてください。

次にテイスティングです。

ワインはコルクの状態が悪くて、ワインが傷んでいることがあります。それを「ブショネ」と呼ぶのですが、ワインのテイスティングは、「ワインが傷んでいるかどうか。ちゃんとした状態のワインなのかどうか」というのをチェックするという行為です。

ですので、たまに「思ってたようなワインと違う」という理由で、別のワインに変えさせる人がいますが、それは間違いです。あるいは、「フランボワーズの香りが」とかって感じで、テイスティングの時に「味の感想を何か言うべき」と思っている人もいますが、それも間違いです。

テイスティングして、変な味がしなければ、「これでお願いします」と伝えるのがテイスティングです。 もちろんあなたがワインに詳しくなくて、テイスティングをするのが緊張する、恥ずかしいというのでしたら、ウエイターやソムリエの人に「チェックされて大丈夫なんですよね。でしたら信頼しますのでテイスティングは結構です。そのまま注いでください」というのも問題ありません。

ちなみにワインは男性が注いでください。今は見ているとビールなんかも男性が注ぐのが日本でもスタンダードになっているようです。女性には注がせないでください。

「おすすめは?」にお店が困る場合もある

ウエイターに注文を伝える
料理を注文しましょう。

ところで先日、和風総本家というテレビ番組で「寿司職人が困る注文は?」というのをやっていまして、「おすすめは、何ですか?」というのが一番困ると言ってました。

実は僕がやっているバーでもそうです。お店で用意しているものは「全部おすすめ」だし、初めてのお客様だとどんな好みなのかわからないので、「おすすめは?」と言われてもわかりません。

でも最近はお店によっては「今はこの料理が旬のものだからオススメですよ」とか「この料理はうちでしか味わえないものなのでオススメですよ」というのがあるようですね。

「おすすめは?」って店員さんに聞こうと思う前に、ちょっとだけ考えてみてください。

まあでも、飲食業をずっとやってきて思うのは、「自分が好きなものを注文する」のが一番なような気がします。

※記事の情報は2019年9月25日時点のものです。
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